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第26話 ーー『新しい航路』

第26話 ーー『新しい航路』


フェンロス・ギャラクシーは、終わりのない星の海のように彼らの前に広がっていた。


イヴンタイド・オプスはワープレベル10で疾走し、アルテミス・セクターを離れて未踏の領域へと足を踏み入れた。航法スクリーンには新たな地図が次々と現れる――未踏の星系、秘密を秘めた星雲、そしてその間に、発見を待つ文明を示す光の点が浮かび上がる。


凪彦はコマンドチェアに座り、壮観な宇宙空間を映すメインスクリーンに目を留めていた。クララは物理的な体で彼の隣に座り、アマランスは陽気な小さなホログラムとして彼らの周りを舞っていた。


「約3時間後にヴァレイオン大領域に入ります」クララは地図を操作しながら言った。「非常に広大な領域です――いくつかの大国と多くの中立地域が存在します」


「大国?」凪彦は眉を上げた。


「ユルヴァレン・ギャラクシーとラスクレイン・ギャラクシーがこのセクターの近くに位置しています」クララが説明した。「しかしフェンロス・ギャラクシー自体にも、ヴァレイオン大領域に接するいくつかの国家があります。そのうちのいくつかを通過することになるでしょう」


凪彦は頷いた。「そこで何を期待できる?」


「機会です」クララは微かに微笑んだ。「そして危険も。いつものように」


アマランスが空中で跳ね回った。「いくつかのシナリオを用意してあるよ!ギルドからミッションを探すこともできるし、未踏の惑星を探検することもできるし、新しい同盟者を探すこともできる!リストを作ったんだ!」


凪彦は小さく笑った。「君は本当に準備万端だな?」


「いつでも準備万端だよ!」アマランスは熱意を込めてポーズをとった。「僕はイヴンタイド・オプスの公の艦長だ!プロフェッショナルに見えなきゃ!」


「君はただの興奮しすぎた子供に見える」クララが平坦な口調で言った。


「それもプロフェッショナルだ!」


---


ユルヴァレン・ギャラクシー、リザンド家の宮殿で、一人の少女がアマランスの再放送を映すスクリーンを見つめていた。


ヴァリラ・フォン・リザンド――アルヴェリク・フォン・リザンド公爵の令嬢――は読書用の椅子に座り、真剣な表情を浮かべていた。長い金髪が肩に流れ、空色の瞳が好奇心で輝いていた。


「お父様」彼女は振り返らずに言った。「あの放送をご覧になりましたか?」


アルヴェリク・フォン・リザンド公爵――銀白色の髪と鋭い瞳を持つ中年の男性――は窓辺に立ち、眼下の宮殿の庭園を見下ろしていた。


「見た」彼は深い声で答えた。「イヴンタイド・オプスか。あの謎の船はますます大胆になっている」


「実際の所有者は誰だと思いますか?」


「誰も知らん。しかし一つ確かなことは――あの船は並外れた力を持っているということだ」アルヴェリク公爵は娘の方へ向き直った。「そしてお前はあれに興味を持っているのか?」


ヴァリラは微かに微笑んだ。「私はいつも謎に興味を持ちます、お父様。そしてあの船は……非常に謎めいています」


「気をつけろ、ヴァリラ。あのような船は貴重な味方にもなりうる――危険な敵にもなりうる」


「気をつけます」ヴァリラは立ち上がり、窓辺へ歩いていった。遠くのユルヴァレン・ギャラクシーの空を見上げながら。「しかし彼らについてもっと調べるつもりです」


---


カエドリオン・ギャラクシー、カエドリオン帝国宮殿で、別の少女もその放送を見ていた。


アヴェントラ・フォン・カエドリオン――カエドリオン帝国の皇太子――は私室の小さな玉座に座り、エメラルドグリーンの瞳でスクリーンを計算高く見つめていた。漆黒の髪は優雅にまとめられ、その豪華な服装は皇位継承者としての地位を反映していた。


「イヴンタイド・オプス」彼女は呟いた。「レディ・カエリアと封建帝国全体を脅かす勇気を持つ船」


彼女の側では、老齢の顧問――しわくちゃな顔の黒いローブの男性――が首を振った。「非常に大胆な行動です、殿下。ほとんど無謀とも言えます」


「あるいは非常に賢い」アヴェントラは言った。「公に自らを宣言することで、彼らは敵に攻撃を躊躇わせている。あれほど大胆な艦長を持つ船を誰が攻撃しようと思う?」


「殿下はこれが戦略だとお考えですか?」


「確信している」アヴェントラは微かに微笑んだ。「そしてこの戦略の背後にいる人物を知りたい。あのホログラムの少女ではない――イヴンタイド・オプスを本当に操っている人物だ」


「どうなさいますか?」


「使者をフェンロス・ギャラクシーへ送れ」アヴェントラは立ち上がり、その目は決意に輝いた。「イヴンタイド・オプスの所有者に会いたい」


---


ドラヴォス・ギャラクシー、ドラウゲン家の要塞で、燃えるような赤い髪と金色の瞳を持つ少女が私設の闘技場で剣の稽古をしていた。


レヴェラ・フォン・ドラウゲン――ドラウゲン家公爵の令嬢――は驚異的な速度と正確さで動いていた。彼女の剣は照明の下で煌めき、すべての動きが完璧に計算されていた。


闘技場の脇で、老齢の従者がタオルと水を持って待っていた。「殿下、フェンロス・ギャラクシーからの報せがございます」


レヴェラは止まり、剣を空中に留めた。「何の報せだ?」


「イヴンタイド・オプスという船が公に声明を発表しました。艦長――アマランス・フォン・ファイラというホログラムの少女――が自らの船に近づく者を脅しています」


レヴェラは眉を上げた。「面白い」彼女は剣を置き、従者からタオルを受け取った。「それについてどう思う?」


「非常に大胆な行動か――あるいは非常に愚かな行動かと」


「あるいは非常に賢い」レヴェラは微笑んだ。「あの船についてもっと知りたい。誰かを送って調査させろ」


「かしこまりました、殿下」


---


ラスクレイン・ギャラクシー、ヘルズワード王立アカデミーで、紺碧の髪と紫色の瞳を持つ少女が秘密の図書館で本を読んでいた。


ジェスカラ・フォン・レイン――レイン家伯爵の令嬢――は真の学者だった。彼女の手には、伝説の船について語る古代の宇宙技術の本が開かれていた。


友人が慌てて彼女に近づいた。「ジェスカラ!これを見て!」


「何?」ジェスカラは怠惰に顔を上げた。


「イヴンタイド・オプスという船からの放送だ!艦長がギャラクシー全体を脅している!」


ジェスカラは眉をひそめた。「何の船だ?」


「海賊艦隊を単独で撃破したという謎の船だ!」


ジェスカラは本を閉じて立ち上がった。「見せてくれ」


---


イヴンタイド・オプスで、凪彦は四つの異なるギャラクシーから四人の貴族の少女たちが彼に興味を持ち始めていることを知らなかった。


彼は仕事部屋に座り、旅程の地図を見つめていた。クララは向かいに座り、アマランスは机の上を舞っていた。


「まもなくヴァレイオン大領域に入ります」クララは言った。「そこにはいくつかの興味深い星系があります――そのうちの一つには、古代の技術が眠る惑星があると言われています」


「古代の技術?」凪彦は眉を上げた。


「噂では、その惑星には絶滅した文明の遺物があるそうです。その技術を船の能力向上に利用できると信じている者もいます」


「調査すべきか?」


「座標は既に潜在的な目的地として記録してあります」クララは微笑んだ。「しかし先にギルドからミッションを探すこともできます。そのセクターのコロニーからいくつかの救援要請があります」


凪彦は頷いた。「よし。後で検討しよう」


アマランスは熱心に跳ね回った。「面白い場所のリストを用意したよ!結晶の森がある惑星!話しかけられるという星雲!それから――」


「もういい、アマランス」クララが平坦な口調で遮った。「興奮しすぎだ」


「興奮せずにはいられないよ!新しいセクターでの初めての冒険なんだから!」


凪彦は笑った。「興奮させてやれよ、クララ。これは俺たち全員にとって新しい経験なんだ」


---


遠くで、フェンロス・ギャラクシーは回り続けていた――何百万もの星々、何千もの文明、そして数え切れないほどの物語が紡がれるのを待っていた。


そしてそのすべての中で、イヴンタイド・オプスは静かに浮かんでいた――二つの世界から来た男、人間になることを学ぶAI、故郷を探すパイロット、そしてスターになりたいホログラムを乗せた、優雅な黒い船が。


彼らの新たな旅が始まった。


---


次回 第27話 ーー『まだ終わっていない物語』


次回予告:


凪彦とイヴンタイド・オプスのクルーは、ヴァレイオン大領域での新たな冒険を始める。彼らは古代の技術が眠る惑星を発見し、新たな課題に直面し、様々な興味深いキャラクターと出会う。その一方で、エヴァンドリア・ギャラクシーでは、凪彦が愛した五人の少女たちが彼からの返信を受け取る――そして彼女たちの反応がすべてを変えるだろう。さらに、四つの異なるギャラクシーからの四人の貴族のヒロインたちが、イヴンタイド・オプスの真の正体を暴くことにますます近づいている。まだ終わっていないこの物語は、より感情的で陰謀に満ちた章へと突入する。


次章に続く。

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