-33- 養生
人でも物でもそうですが、傷めば修理します。そして、また使う訳ですが、すぐに・・といえば、回復を待たねばならない場合も当然、あります。養生という一過程です。工事のコンクリートですと、硬化して固まるまで、人の傷口ですと、元の状態に戻るまで、となります。養生の価値は重要なんですね。^^
大相撲のとある部屋の力士、大雪山は今年の初場所、新十両に昇った関取である。そして、その年の最後の場所となる九州場所まで快進撃を続け、アッ! というまに幕内入りを果たした。
「凄い力士が現れましたね」
「そうですね。向かうところ敵なしといったところでしょうか。この分ですと来年は三役、いや大関、横綱になるかも知れませんね」
「そうですね…」
九州場所で横綱を撫で斬りにした大雪山は、初優勝の栄誉に輝いた。ところが、である。年末の巡業中に足首を捻挫し、治療する破目に陥ったのである。頂上にも登れない大荒れである。^^
医者と大雪山の会話である。
「どうします?」
「先生のおっしゃるとおりに…」
「出来れば養生して頂いて、初場所は休場された方がいいですね…」
「そうですか…」
休場すれば番付が落ちることは明々白々だった。大雪山は雪を融かすように考えた。
『まあ、仕方がないか。来場所以降もあるからな…』
大雪山は翌年の初場所を休場し、じっくり養生する道を選んだのである。。その甲斐あってか、翌年の夏場所には復帰を果たし、破格の出世の大関への道を確実にしたのである。皆さんもよくご存知の数年後の横綱、大雪山である。
えっ!? そんな力士は知らない! って? そりゃそうでしょう。^^ このお話はフィクションなんですから…。^^ 養生は大成するための価値ある一過程なんですね。^^
完




