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-34- 慣習
古くから伝わる慣習にも価値が有るものと無いものがあるようです。価値が高いものですと、商慣習法などという現代社会でも堂々と罷り通っている法律がありますが、一方、今の世の中には不必要な慣習も多々あり、人々の生活を苦しめているものまであります。
「浦川さん、毎年のアレ、お願いしますだ…」
とある村の一軒家を村民の篠山が訪れた。
「ああ、アレですかのう。もう、そんな時期になりましたか…」
「はい、さようで…。老いると年の巡りが早う感じます…」
「今年は、おいくらですだ?」
「去年と同じ額を頂戴致しますだ…」
浦川は家の奥へ入ると、必要額を持ってふたたび現れた。
「確かに…。コレ、領収書で…」
「どうも、お世話様でごぜぇ~ました」
篠山が去ると、浦川はしみじみと古い慣習の価値を考えた。
『…今の時代、必要なんべか?』
昔から続く餅講と呼ばれる講の当家への餅代の負担金だった。
いろいろなお餅を食べられるというメリットもある訳ですから、この場合、慣習とはいえ、全く価値がないとは言えないようです。負担金は問題かも知れませんが…。^^
※ 過去、餅講に関しましては、当家が持ち回りで負担するというのが相場とされてきました。
完




