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16/29

-16- 宝石

 貴重な宝石を採取するために何年も現地に住み着いて頑張る人々の姿をテレビ番組で観たことがあります。なぜ宝石にそれほどの価値があるのか? は疑問ですが、数が少ない稀少性が価値を高めていることは確かなようです。

「こ、これはっ!」

 とある宝石売買の専門店である。持ち込まれた宝石の塊(かたまり)をルーぺを片目に当て、店主が絶句した驚きの声を上げた。

「どうですっ!?」

 持ち込んだ男が店主の顔を窺いながら自慢げに訊ねた。

「これを、どこでっ!? …まあ、そんなことはこの際、どうでもいいでしょう。言い値で買わせて頂きますっ! コレでどうですっ!?」

「二百万、そんな値では…」

「いえ、ひと桁(けた)、違います。二千万で」

「いいでしょ!」

 話は瞬く間に纏まり、商談は成立したのである。店奥へ引っ込んだ店主は帯がついた百万円の束を二十、両手に抱えてふたたび店頭に現れた。

「どうぞ…」

「それじゃ…」

「あっ! この袋にお入れしましょう。お気をつけて…」

 男は宝石の塊をガラス製のケース棚の上に置くと、店主が準備した布製の収納袋に札束を入れ、手にすると出ようとした。

「ああ、領収書を忘れておりました…」

 店主はレジで二千万円のレシートを準備しようとして、ハタと動きを止めた。

「ははは…支払った私が領収書をお出しするというのも妙ですかな?」

「ははは…領収書は私の方です」

 男はそう言うと、二千万円が入った布袋を下げ、店をあとにした。

 宝石が二千万円になることもあるんですね。私にはただの石ころ・・くらいにしか見えませんが、どんな価値があるんですかね? 宝石があれば長生きでも出来るんでしょうか?^^


                   完

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