-14- 善意
今日は善意と悪意の価値についてのお話です。悪意の価値? というのも妙に思われるでしょうが、あることはあるのです。
さて、その一として、前者の善意の価値を考えなくてもいいのに考えてみたいと思います。^^
早坂碧は、最近、産業界のトップに躍り出たソシャール・ホールディングスの美人秘書課長として活躍していた。何かにつけて、よく気が利き、抜け落ちた案件を事前に察知してアドバイスしたから担当者は大いに助かり、人気があった。彼女のアドバイスは的確で、善意ある秘書課長として受け止められていた。
「早坂君、今日の予定は?」
「はい…、十時から営業部長の平田さんとの打ち合わせがございます…」
「ああ、そうだったね。君も当然、加わってくれるんだろ?」
「私は…」
「いや、加わってもらわんと困るよ。手抜かりがあるかも知れんからね…」
打ち合わせに加わるか加わらないか? は、秘書課の仕事ではないだけに自由裁量だったが、それまで善意として加わっていた経緯から、それが当たり前のこととして社内に定着していた。
打ち合わせが済めば、有名料亭からのデリバリーが届き、美味しい肝吸い付きの鰻重が振舞われたから、早坂もそれを楽しみに加わっていた・・とも受け取られる節がなくもなかった。^^
そして今日も、打ち合わせが終ると、早坂は常務や営業部長とともに美味しそうな特上の鰻重を頬張り、肝吸いを啜っていた。
皆さんは、早坂さんの行為が価値ある善意だと思われますか?^^
完




