双子と記憶の足掛かり
ふぅ。とりあえずこの双子たちを俺が住んでいる小屋に連れてはきたが、やっぱり双子は嘘泣き
だったんだな。何故かって?それは。
「「キャハハはー♪広ぉーい!」」
といって走り回る子供たち。まぁリビングとかを走り回っているだけだし、工房とかキッチンなんかには入っていないから大丈夫だろう。
「おい。お前らさっさと風呂入って泥を落としてこい」
「「はぁーい!」」
ととりあえず二人を風呂の中に突っ込んでいる間に双子のご飯の用意を始める。子供だったらお子様ランチでいいか。
エビはないな。肉でいいか?ハンバーグにデミグラスソースもどきとケチャップライスとあ、そうだそうだ。コーンスープでも作るか。デザートはフルーツゼリーでいいかな?見た目も綺麗だしいろんな食感が楽しめる。
家の裏手にあった家庭菜園サイズの大きさの畑に歩いて行き、少し若い酸味のあるリンゴと、ブドウ、モモとオレンジにキウイを収穫し、次に野菜畑からトウモロコシ、玉ねぎとグリンピースを収穫。ああ、そう言えば確かここにエビ虫っていう虫がいたな。此奴を捕まえて〆る。
そのままキッチンに移動して玉ねぎを刻んで炒めて、トウモロコシの粒を追加してご飯を入れて炒めてケチャップライスを作る。
小鍋に油を注ぎ込み、熱している間に小麦粉と卵、パン粉を纏めてエビ虫の殻を外して節脚を外し、高温で一気に揚げる。
ゼリーを作る様の液を作る。スライム粉がなぜかあったのでそれを使う。水に砂糖。それとペインバタフライの巣の蜜を入れてじっくりと煮詰める。
透明な耐熱ガラスに少しだけ煮詰めた液を入れて、少し冷めてからフルーツを挿すように入れ、また上から液を追加で注ぎ込んで冷蔵庫の中に入れて冷やす。
お子様ランチの準備が終わり双子を待っていると丁度仲良く出て来た。双子用の服まで準備してあるなんて用意周到だな。
「「お風呂楽しかったぁー!♪」」
「おうお帰り。腹減ってないか?飯あるから食ってくれ」
「「はぁーい!ありがとうおにぃちゃん♪いっただっきまぁーす!」」
双子は隣同士の椅子に座り、全く同じ動作でスプーンを手に取ってチキンライスを同時に食べ始める。シンクロしているなぁ。俺はその一心不乱にご飯を食べる無邪気で奇妙な光景を反対の椅子に座って眺める。
ご飯を食べ終わったところで話を聞いてみようとしたところ、二人がうつらうつらと船を漕ぎ始めてしまったので客間のダブルベッドに運び、そのまま寝かせる。さぁーてオレも寝るか。
「「―――ちゃん」」
・・・
「「おにぃちゃん!」」
ぐぶふぅ!!なんだ?!敵襲か?!ってあん?昨日の双子か俺の腹に乗ってこっちをっじっと見つめているのが怖い。
「「おはよう!♪」」
クッソいい笑顔だなぁマジで。しゃーない起きるか。
「ああ、おはよう。それよりどいてくれるか?起きられないからな」
「「はぁ~い」」
うんうん。素直な子はおじさん好きだよ?
「さて。飯にした後でいろいろと話を聞かせてくれるか?」
まぁ少し遅すぎるような気もするが、別にいいか。昨日は状況が状況だしな。
「「うん!お腹すいたー」」
「あっはは。そうかそうか。何か食べたいものはあるか?」
とベットの淵に座って話を聞いてみると再び満面の笑みを浮かべ、
「「ホットケーキ!」」
と元気よく言った。
「あー分かったよ。じゃあ行くか」
と俺はベットから起き上がり、キッチンに移動してパンケーキを三段にして焼く。時々味を変えながら。
一段目はプレーン。二段目はココア。三段目はバナナやイチゴを切って軽く混ぜたフルーツミックス。そしてペインバタフライの蜜を煮詰めて少し焦がして作った蜂蜜もどきをかけて。
「ほら、出来たぞ」
「「わぁーい♪いただきまーす!」」
笑顔で食べる二人を見たし俺も自分の分を焼いてコーヒーをお供に食べるとするか。話しを聞かせてもらうぞ。
「さて。朝食も食べ終わったから話を聞かせてもらってもいいか?」
「「話しってなぁに?」」
「お前たちみたいな子供がどうしてこんな場所に堕とされたのか。や昨日の魔物の怪しい挙動のことについてできうる限り全て、だな」
「「うーん。あ!そうだ!」」
「叶。おじさんからの手紙を!」
「うん!そうだね!真!おじさん!はいこれ読んで!」
とポシェットから明らかに入らないサイズの手紙を渡されて目を疑ったが、一旦その疑問を呑み込んで手紙を開く。
『黒須 双葉君へ
まず初めまして、と言っておこうかな。僕は神の関係者です。ところで君には地球でいたころの記憶がないよね?と言ってもわからなか。そこは双子に頼んだらいいよ。この子たちは僕の協力者さ。
それで君にお願いがあるんだよ。記憶が戻ったら世界中を回って同郷の子たちを集めて欲しいんだ。その為ならその異常な世界観をある程度ならぶっ壊してもいいよ♪
じゃあ地球に戻ったら一度会おうよ。戻った時の仕事も用意しているからね♪
PS,そこの双子は君と大体同い年くらいだからね。だけどそのままの子供のように接しても大丈夫だからね 』
…マジ?こいつらッて同い年なの?っていうか、黒須双葉。うーん何か気になるなぁ懐かしい気がする。
「「おにぃちゃん?大丈夫なの?」」
…うわぁ…なんか嫌だ。仕方がない。そういや双子の名前を聞いていなかったな。
「そう言えばお前らの名前は?」
と言っても見た目がほとんど変わらないが。よく見ると骨格が微妙に違う?まぁ子供だからほとんど変わらないが。
「カナは叶っていうの!」「マコトは真っていうの!」
お、おう。そうなのか。
「そ、そうか宜しく。俺は一応この世界ではクロス・ディアンと名乗っている。と言ってもほとんど名乗ったことはないがな」
「「うん!よろしく!クロスおにぃちゃん!」」
「それで早速なんだが、この手紙に俺の地球?にいた時の記憶を戻してくれるって書いてあったんだが、頼めるか?」
「「うん?あーうん!!分かったよ!おにぃちゃん!」」
何だろう。むず痒い。
とそれから軽くリビングを空けて俺の記憶?を戻してもらうことにした。
「「うーん。えい!!」」
と詠唱なんてせずに気合を入れると俺の真上に光が降り注ぎ、俺の視界が真っ白に染まった。
光が収まり、周囲の輪郭がはっきりして双子がワクワクした表情をして俺を見つめている。うーん。
「「おにぃちゃん!思い出した?!」」
期待した眼差しを依然向ける双子だが、うーんあれ?何も思い出せないが、少しだけ靄が晴れた気がする?
「いいや。思い出すのはガラスが付いている石の樹海を縫って鉄のイノシシと鉄の蛇が縦横無尽に走り回る姿とかくらいだな。見たことがないが懐かしい光景だ」
としばらく処理するのに時間を要した。
双子はその間俺を待ってくれた。本当にいい子たちだ。俺と同い年くらいだが、
この双子は高森兄妹です。エデンが出来てから少しの間は異世界に自由に行き来できる子は高森兄妹と赤井富樫の二人だけだったが、記憶を戻せるのは高森兄妹だけです。ですのでこの二人がよく異世界に行きます。




