追放と暗闇
拝啓 高く空気が澄んだ空に、澄み切った心で一日を過ごせる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は今、真っ暗な石造りの牢屋にいます。
はぁー。全くなんでこんなことになったんだ?念のためにマルチナイフを手に取っていたんだが、それも奪われたし、靴も剥がれたし服も追剥にあい、パンツ一丁でこの薄暗くて冷たい牢屋の中に収監された。
壁にもたれかかると冷たいので真ん中で立つしかなく、そろそろ疲れて来たところで、コツコツというゆっくりとした革靴の音が響いてきた。誰か来た様子だ。
「やぁ元気かい?牢屋の居心地はどうだい?」
いつもと変わらない人懐っこい笑顔がこの寒々しい牢屋に似合わない。
「最低だよ。お前は何をしに来た?俺のリュックを持って、ダイチ!!」
そう目の前には俺があげたタブレットを食べながらダイチがニヤニヤとした笑みを浮かべて来た。
「おー怖い怖いそんなに吼えないでよー。僕は自分の仕事をしに来ただけだよぉ?」
「仕事だぁ?何のだ?!ああ?!」
「あっはは、怖い怖い、まあその話は後で良いじゃないか。まずは楽しく雑談しようよ」
「話すことはないぞ?!」
「うーんそうかなぁ?僕が君のリュックをどうして背負っているのか?気にならないかい?」
「ああ、そうだよ。俺のリュックを返せよ!」
「ごめんえぇ?それは出来ないんだよね」
「なんでだ?!」
「君は規則違反の犯罪者として追放されるからだよ?ちなみに僕が執行人ね♪」
は?俺はただ申請のことを知らなっかっただけなんだが、罰金じゃないのか?
「うーん。そうだなぁ。これは独り言なんだけど、ヒントをあげよう。君の作ったものが問題なんだよねぇ」
より意味が分からない。どういう事だ?
「じゃあそろそろ話を終りにしようか?じゃあねー」
「ちょっ待てよ!!おい!質問に答えろ?!」
と牢屋ごと光に包まれる中ダイチのにこやかな人の良さそうな顔が恐ろしく感じた。
その場には何事もなかったかのように冷たい石畳の牢屋があった。
「さーてと。早速このリュックを活用しようっと♪あ、そう言えばクロス君の炉で作った武器はいい性能何だっけなー」
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「・・・あいつは行ったか」
「邪魔者は消えたのか」
「これで我らの地位は守られたな」
「さらに我らはより一層力を蓄えられるな。この世界を我ら総合ギルドが牛耳るのは近いな」
「今アイツが造った飴玉を作れるように研究中だ。まぁどうせすぐに造れるだろうな」
部屋の中に笑い声が木霊した。
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っ糞が!気が付いたらここはどこだ?俺はほぼ裸一貫でどこか知らない場所に飛ばされてしまった。俺の荷物は当然何もない。ナイフまですべてだ。
しばらく憤っているとようやく冷静になっていき、周囲を見渡す余裕が出来た。
本当にここはどこだ?周囲が真っ暗で何も見えないが、だいぶヒンヤリとしていて寒い。というのもほとんど裸だからか。っわ!
何かを踏んづけてこけた。一体なんだよ丸い石か?いやそれにしては随分軽いな持ち上げて見るとすっごく軽く、底の部分が大きく穴が開いてる。それに大きめの穴が真正面に二つでその下には三角の穴、さらにその下には凹凸があって?穴の反対側は膨らみのある半球状?もしかしてこれって頭蓋骨か?!
「おわぁあ!」
驚いて間抜けな声を出してしまい頭蓋骨と思しきものを遠くに放り投げると、コォオーン!と乾いたような音が辺りを反響した。
反響音は相当遠くのほうまで木霊したので、おおよその広さが想像できたが依然周囲は真っ暗闇だ。
脚を踏み出してみると先程と同じような丸い感触とバキッという音が響いて、何かが砕けた。もしかしてこの辺りの地面って頭蓋骨?!
目が見えない中を地面に両手をついて這って歩いて行き、数分、いや数時間かかったのか時間の感覚すらなくなっている気がする。
ガツッ!痛ったー、壁かな?ようやく壁に着いたので恐るおそる立ち上がった。かなりざらざらした鱗のような壁がある。岩肌を掴んでゆっくりと立ち上がってゆっくりと移動し始める。とにかく明るい場所に移動しないと。
今回は短めです。




