リュックの改造と初めての共同狩りの開始
「おーい何かここに預ければいいって言われたんだが。あんたに言えばいいのか?」
翌日、依頼掲示板の前に群がる人たちが落ち着いたところで総合受付に昨日の資料室での出来事を簡潔に伝えると、何かにピンときたようで取引窓口に案内された。
「こちらは取引窓口です。本日は何かの御用でしょうか?」
「えっとこのハンカチの持ち主にこれを渡すようにって言われたんだが。あ、これが俺のギルド証だ」
と渡すとしばらく資料を見つめた後で頷いて本を閉じた。
「分かりました。ではこちらはお預かりしておきます」
「ああ、よろしく頼んだ」
と俺はその場を去った。けど、この行為が俺の少し芽生え始めた信頼が落ちるきっかけになるのだった。
さてっと頼まれてた義理は果たしたし、早速一旦変えて改造ろっと。あ、だけど昨日休んだしなぁ。今日は働いた方がいいかな?週休二日ってのも悪くないし。うーん。お金はまだあるな。よっし!今日は改造ることに決定!早速材料買ってこないと!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「♪ふーん♪さぁーってと出来たかなー?♪」
人がいなくなった昼過ぎに僕はギルドに立ち寄った。何となく昨日会ったニホンジンのテンイシャの青年に頼んだものが出来たんじゃないかなーって思だんだわ。
「おいーっすセーリーカちゃーん♪クロス君からの預かり物ある?」
「あら?ダイチ様。お預かりしている御品はこちらです」
あくまでも事務的に処理をする事務員はどうも二ホンッぽく感じるよねぇ。
「ありがとう。ねぇ、ついでに一つ聞かせて欲しいんだけど、クロス君はこのハンカチに付いて何か思ってなかったかい?」
「いえ。特には」
「うーんそうかー。どうも本当らしいねー」
じゃ、ありがとうと言ってから俺はギルドを出て行った。しっかし明らかにわかりやすいように二ホン国旗のハンカチを渡したのに何も気づかないとは。
ハンカチを空けるとブルーハワイのようにきれいな透明感ある青いキャンディーがいくつも入っていた。
おいしそうに見えたので一つ口に運んで食べてみると日本で食べたひどく懐かしい味が口いっぱいに広がった。
「うーん。ハッカ味だ!これ。再現できないっかなー」
あの子クロスくんっだっけ?あの子がこれからどうなるのか楽しみだなぁ。この世界は出る杭は打たれるけど、個性がないとすぐに死が待っているような世界だ。願わくばこの歪な世界を変えてくれる一石になって欲しいな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さてと。アイツへの義理は果たしたし。これで安心して羽衣ガエルの粘液を心置きなく存分に使えるぞー。早速部屋に帰って実作だー!
えっとー必要なものはセーブスクワルの頬袋とアサシンシュライクの羽に、羽衣ガエルの粘液とあ、これもいるかな?エシタ粉でいいかな?いや。廃ポーションなのかな?そっちを使うか。
俺は念のために薬屋の店主に話を聞いてみると好きに持って行けと言われたのでお言葉に甘えて数本貰って行った。御礼を言うと怪訝な顔をされ、更に蔑みの目を向けられた。視線が痛かったなぁ。
気を取り直して部屋に帰って来たぁ!よし!改造ろう!
1 リュックの両サイドに付いているポケットの隙間を切ってセーブスクワルの頬袋を取り外す
2 ビーカーに羽衣ガエルの粘液と廃ポーションを二対一の割合で注ぎ込んで遠火でゆっくりと加熱する
3 色が少し薄くなったのでセーブスクワルの頬袋をある程度ズタズタに切り裂いて粘液の中に浸けてゆっくりと回す。
4 しばらく煮ている間にアサシンシュライクの羽を纏め、ミスリルカイコの糸で縛る。
5 セーブスクワルの頬袋が解けたのを確認するとかぎ針を突っ込んで引っ張り上げて水の中に浸ける
6 水の入った鍋をゆっくりとかき混ぜて糸をほぐしてし、ぬめりを取る。
7 束ねたアサシンシュライクの羽を再び粘溶液の中に入れて、再び廃ポーションを注ぎ込む。
8 セーブスクワル糸を水から出して炉の近くで糸車で糸を巻き取る。
9 アサシンシュライクの羽もセーブスクワルと同じように糸にする。
10メッシュのような布に二つの糸を交差するように編み込む。
11袋をリュックの両サイドに入れてミスリルカイコの糸で縫い付ける。
12最後に蓋を付けて完成!
よし出来た!えっと確か元々のリュックの名前が異界の旅袋だったからこれは異界の旅袋(セーブスクワル、アサシンシュライクカスタム)ってことになるのか?長いな。どうにか短くできないかな?セーブアサシン?何だろう弱いな、すっごく弱そうに感じる。
よし今はまだお昼前だなー。今から試しに行ってこようっと。
「あー!クロス君だぁー!おーい!」
・・・昨日のアイツだ。うぜぇ。無視無視。
「ねぇねぇどこ行くの?」
・・・
「ねぇねぇ無視しないでよ」
・・・
「おーい。無視ですかー」
ツンツン
・・・・よし。今は街の外だな。
「うるせぇ!」
突然回し蹴りを頭に向けて放つが、軽々と躱された。
「おっと、危ないなぁ短気は損気♪だよ」
ケラケラとからかうように笑い、面白そうな顔こちらに向ける。そう言えばこいつの名前知らないな
「そう言えば自己紹介がまだだったね。僕はムロト・ダイチよろしくね。ダイチで良いよ」
うん?この名前の配列。それにこの言葉馴染みがある気がする。けどどこだ?
「?どうしたんだい?僕の名前そんなに変かい?」
「い、いやそうじゃない。俺はクロス・ディアンだ。クロスでいい」
「うん!知ってるけどよろしくね♪それでこんな昼からどうしたんだい?」
「ただの何時もの仕事だ。お前には関係ない」
「そんな釣れないこと言わないでよ。僕も一緒に行ってもいいかい?良いよね」
「駄目だ」
「なんでだよー。あ、もしかして君の鑑別ルーペ?ってやつを使うからかい?」
は?何で知ってるんだ?
「・・・まあそんなことはどうでもいいじゃない。というか君が変な魔物道具を使って獲物の位置を探している姿は結構有名だよ?」
え?そんなこと知らなかった。というか魔物道具って?
「魔物道具っていうのは魔物の素材を用いて作られた道具のことだよ。ほら、君のその背負い袋もそうだろ?」
ああ、そういう事ね。確かにそうだけど。
「そこで相談なんだけど、僕も一緒に狩をしたいんだけど。どう?僕も自慢じゃないけど強いよ?」
「報酬の分け方は?」
「そうだねー僕はそんなにお金に執着しないし。3体7でどう?もちろん僕が3ね?」
「・・・そこまでしてお前に何のメリットがあるんだ?」
正直言って話が良すぎる。正直言って相手にメリットがない気がする。
「うーん。将来有望な若者に先に唾を付けとこうと思ってね」
汚っ!ひくわぁー
「ちょ!そんなに引かないでよ!物のたとえじゃん!」
とぶー垂れてた。
「冗談だ。別にいいが特に期待するなよ?」
「ちぇー。まあいいか宜しくねー」
そいつの装備を改めて見て見ると結構ラフな格好でジーパンにパーカーを着て、腰には曲刀って言えばいいのかな?アリババとかが持っていそうな感じの剣が二つ。あれ?アリババって誰だっけ?思い出せない。
「ねぇーはぁーやーくぅ行こうよー。僕のお尻なんて見ないでよ!ヽ(`Д´)ノプンプン」
「俺をホモにするんじゃねぇ!」
と鑑別ルーペを片手に持って着いて行った。




