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回復手段の入手と少々の違和感

 …あれって何だろうか?職人街の外れに刃が折れた剣とか錆びた武器とかが野晒しで置いてある。それを無精ひげを生やしてやせ細った人たちがよろよろと歩いて行って傷だらけになるのもお構いなく何かを漁っている。本当になにこれ??まあいいか後で下宿の人に聞こう。

 あれから今度は薬屋の裏手に瓶の山が乱立しているのを見かけた。またごみ置き場かな?と言うよりさっきから俺のスキルが何かあそこに用があるって言ってる気がするんだが。正体が分からないし誰かの持ち物だとしたら不味いからな。


「え?ああ、裏手の廃武器置き場に廃ポーション置き場の事ですか?」


「廃武器置き場?廃ポーション置き場?」


「ええ、要はゴミ捨て場ですね。廃武器はあそこを後でまとめてインゴットに加工して新たな武器にするんです。そして廃ポーション置き場については薬師の方が失敗されたポーションを捨てるためにいったん置いておく場所です。ただ、それらは無害なので放置しても安全です」


「じゃあ廃武器置き場にいた人たちは?ちょっとボロボロな感じだったんだが」


「ああ、またいるんですね。彼らは非公認の鍛冶師たちです」


「非公認の鍛冶師?」


「ええ、総合ギルドに所属していない鍛冶師です。彼らはこの街から出ることもできず、鍛冶をするための新鉄すら入手できないからああやって廃武器置き場を漁っているのです」


といっていやそうな明らかに嫌悪の表情を見せた。


「あなたがもし鉄を欲しいのなら総合ギルドに申請を出してくださいね」


ふむ。丁度欲しかったからいいかな。


「生産部門なら割引が出来るはずですから」


・・・そうか。


「あ、ですが他部門の方でも申請は出せますので取れるはずですよ」


そんな風にフォローされても。


「それより下宿室の中で料理したいんだが、何かしてはいけない事とかあるか?」


一応ここは聞いてみないとな。


「・・・そうですね、匂いがきついものとか煙がすごく出てくるようなものでなければ大丈夫ですよ。偶にパンを焼いておられる方が居りますので」


よし!言質は取ったぞ。じゃあ後は野菜を買い込んでっとそれにあれとこれとっと。次々に頭の中でメモを取り始める。


「ありがとう。これで思う存分出来るよ」


といって再び下宿から出て雑貨屋にて四角の小物入れを購入。何故か店員が珍しいものを見るかのような奇異の目でみてたけど。


「よし。始めるか」


現在俺の下宿のテーブルの上には薬研と共に外傷を治すポーションとエシタ粉、スライム粉とミト粉と砂糖を少しビーカーにアルコールランプ。これで大丈夫かな?まぁ大丈夫と信じて!


1ビーカーに赤のポーションを半分注ぎ込む。


2アルコールランプに火をつけてポーションを温める。


3少し気泡が出て来たところでミト粉を小さじ一、砂糖を小さじ半分入れる。


4軽く煮詰めて水が減った所でスライム粉を入れてさらに煮立たせる。


5とろみが出て来たところでエシタ粉を大匙2を入れる。


6しばらく待っておくと水分がほとんどなくなったのでビーカーを火から遠ざけて水で周囲を冷ます


7出て来た塊を取り出して砕いて小さく整形する。    完成!


できたー!名付けてヒーリングタブレット!

 見た目は四角の飴だが、普通にかみ砕ける。なかなかうまい。見た目はイチゴ味なのにキシリトールって感じの味だ。苦みがあるけど。

 じゃあついでに雑貨屋で買った小物入れをちょこっと改造してスライド式にして一つずつ出せるように改造する。最後にバラバラにならないように仕掛けをして終える。

 さてと、早速試しに―ってあ、もう夕方か。しかたない今日は夕飯にしようっと。米がないのがやっぱりつらい(´;ω;`)米喰いたい。揚げ物喰いたい。刺身喰いたい、カレー喰いたいラーメン喰いたい!あー!ソースが喰いたい!・・・なんて考えるのもな、ないものねだりだし。

 ま、今日は肉粉と魚粉を試しに使ってみるつもりだ。…オエッ、何だこれ。てっきり鰹節の粉とかかと思ってたんだけど、違った!生魚だこれ。ってことは肉粉は、…やっぱり生肉だ。

 これどうすんの?本気で頭抱えるんだが。とりあえず小麦粉と混ぜて焼いてみよう。何か変わるかもしれないしな。

 ふむ。試しにお好み焼きもどきを焼いてみたんだが、これは意外といけるな。肉粉は粉という名前なのに加熱したらきちんと焼いた肉の味がする。魚の方もちゃんと焼き魚の味がするけど、雑多な魚が混ざっているせいでおいしくない。なんにせよこれじゃ需要が無さ過ぎる。ここはきちんと言わないと。

 今日の夕飯はソースのないお好み焼きだった。美味しくない。早くソースを作りたいけど高級品に感じるんだよな。

 後はマヨネーズも作りたいんだけど、卵がなー見たことがない。そう言えば異世界ものでは絶対にマヨネーズを作るってのはよく見るのは偏見だろうか?ちょっと街を見て回って探そうかなー。

 

 ご馳走様でした!いやー美味かった。まさか魚粉を炒ると鰹節粉になるとはなー。意外とうまかった。雑多な魚の肉が粉になり混ざっているので複雑な味がしていい。ってことは肉粉も炒ったらそぼろみたいな味がするのかな?その辺は米が手に入ってからでいいか。

 あん?誰か扉の向こうにいる?念のために鑑別ルーペで確認をっと、あん?青に赤?マーブルだ、どういう事?対応次第で害にも益にもなるってことか?だけど赤色濃厚な気がする。弱牙を持って扉に近づいて一気に開ける。


「誰だ!!」


「うわぁ!な、何?!」


扉の向こうには栗毛のショートカットで、白の簡素なTシャツを着た男のコがしりもちをついてこっちを呆然と見つめて見た。


「あん?俺の部屋を見て見たのはお前か?何のようだ」


「い、いやお腹が減って、いい匂いがしたから」


あん?この言語聞いたことがあるけどどこだっけな?えっと?あ、あれ?確かなじみ深い感じの言葉だったんだけど、どこだっけ?あー思い出せない!けど懐かしい気がする。え?何でだ??まぁいいか、とにかくトラブルの香りがプンプンする。


「ふーん。下で食ってくればいいんじゃないか?」


「下は、味が気に食わないんですよ」


いや知らんし。人の好き嫌いなんて本当に知らんし。

・・・どうしよう。主人公の落とし方がすっごい悩む。どうやって落とそう。

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