素材集めと鑑別ルーペの実力
クエストを受注した後で薬草のサンプルを見せてもらった。今回主要な薬草は赤いポーションに使う薬草で爽やかな苦みが特徴だ。見た目は赤いヨモギだ。
後はどんなものがあるかな?あれ?これは。青々としてギザギザの付いた双葉の草がある。ふむふむ。口腔内のケアに主に使われる。食べた時に口の中一杯に冷たい感覚が襲ってくるため氷属性を持つと言われていた。だって?これってーミント?いやミト草か。これも草原から森に近い場所に生えているっポイな。
後は。このドライフラワーみたいな植物は?温度の高い湿地に生えるのか。エシタ草、っていうのか。えっと?湿地に生える植物で染み出た汁は周囲の水分を素早く蒸発させる効果があるっと。
いいねぇ。大体覚えた。
「これ以外の草を持って来たとして調べてもらう事は出来るか?」
「はい。これらの草を見間違えて毒草を持ってこられると困りますのでこちらで鑑定させていただいています」
ズバッと言うなぁ。まあいいかじゃあ次にっと。魔物の分布を教えてもらう。この近辺にいる魔物はハイドウルフ、ウルフ、ゴブリン、俊足ウサギ?かこれなら俺の武器の試しに使えそうだ。
「討伐証明部位と素材部位は違うのか?」
「そうですね。基本的には同等と思っていただいても構いませんが、指定の魔物を狩る依頼の場合、討伐証明がないとクエストが失敗になる可能性がありますので、その魔物の唯一の部位を納品して頂くことでクエストが完了となります」
「先程クロスさんが見ていた魔物ですと、ゴブリンは右耳、ハイドウルフは背中の波髭。ウルフは尻尾を根っこからとなっています。更にそれ以上の報酬が欲しい場合は素材を持ち帰ることです。素材などは講習を受けて頂くか、資料室に素材図鑑などがありますので是非とも参考にしてください」
「わかった。じゃあ早速行ってくる」
と俺はそのまま正面玄関を通り商業区を抜けて南の方の通称【商いの門】なんて言われているらしい門に向かった。
「ちょっと待ってください!」
あん?マキか?どうした?
「ああよかったクロスさん。最後にこれをどうぞ」
うん?なんだ?紙か?
「はい。あなたの現在のその剣を鑑定したものです。誰も見られていないと思うので安心していただけると幸いです」
「私から出来るのはここまでです。ここから先はあなたが栄転しようが犯罪者になろうが私は関与しませんので、ではまたいつか会えるといいですね」
と言ってそのまま詰め所に戻っていった。なんだか少し寂しいなぁ。
さて、見て見ようかな?
【ホブゴブリンソード(仮名弱牙咬強 改)】
ゴブリンソードに戦いの経験を積ませて出来た剣
鍛え方が研磨ではなく殴打なため刃の部分は不揃いだが、その切れ味や脅威度は鉄の剣を越える。
現状同様の方法による強化は望めないが、今後に期待が持てる。
なるほどね。それであの人がいきなりびっくりしてたのか。そりゃ驚くわ。だって模造剣だと思って戦っていたらそれがいきなり市販の剣より高品質を叩きだすんだから。
さて。門番に傭兵手帳を見せて正面から堂々と出て行く。いやぁー何か初めてクレジットカードを使った時を思い出した。ピカピカのカードを手にどや顔を決める18歳ふっふふ。
よーし早速薬草採集から始めよう!え?どうするかって?ふっふっふーこれだよ。鑑別ルーペ!これを使って見分ける!
さて、どれどれ?白、白、白、白、白、赤、つまり毒かな?とっておこうかな?念のため素手で触らないように近くの樹から皮を剥いで包もうっと。さて、リュックの中に入れて続き続きっと。白、白、白、緑。お?これは薬草かな?見た気がする。毒草とは別のポケットに収納する。
緑、緑、緑、あれ?このきのこは?緑?赤?どっちもか?採っておこう。あれ?ここ同じようなキノコが大量にある。採ろう!あ、もちろん入るだけだけどね。
…結果として取りすぎた感がある。ポケットからあふれそうなほど採れちゃった。結構軽いまるで何も入ってないような感じだ。
そんなことより。緑、緑、あ新しい薬草がある。緑だから同じでいいか。赤、赤、赤、赤緑、緑赤、ふむふむいい具合だ。よし!次に行こうかな?
まぁ次と言ってもちょっと高い所で鑑別ルーペを見るだけなんだけどね。
ふむふむ。なるほどなるほど、こっちの方が薄い赤色をしてるな。おや?こっちは真紅?やばい気がする。あーだけど街道から離れるのもなぁー。街道付近でこれを使うのも悩ましい。
とりあえず数か所辺りを付けて街道に戻り、捜索する振りをしながら赤いゾーンに近づいて行ったところウルフが数匹俺に気が付いたみたいで臨戦態勢で唸り声をあげていた。
俺のことを良い獲物に見えたんかな?まぁそれならいいか。リュックを足元に置いて剣を引き抜き、走り込んで首に剣を這わせてそのまま切る。
俺の後ろにいたウルフが牙をむいて飛び掛かって来るので切った反動で回し蹴りをして他のウルフにぶつける。
犬みたいな悲鳴を上げるウルフに対し直ぐにその場に走り込んでいき、剣を突き立てて始末して、首を切り落とす。この武器異常に切れ味がいいな。いや違うのかな?これはもしかして部分によって切れ味が変わるのか?
三体のウルフを倒したことで俺を警戒したのか俺を一定距離で囲んで唸り声をあげて威嚇をした。どうやら消耗するのを待っている様子だ。
その証拠に俺が動くと俺を中心に離れて行っているのが良くわかる。面倒だなー。マルチナイフを一番遠い一体のウルフの脚に突き刺して動きを止め、再び喉に突き刺して仕留める。
一体だけ様子の違うウルフがいたことに気が付いたのはその時だった。一体だけ背中毛が盛り上がっているウルフがそこにいた。リーダーなのかな?そいつは及び腰だったが、意を決したように威嚇をして背を低くして走って来た。おそらく俺の脚狙い何だろうか?案の定脚を狙ってきた。
俺はその前にしゃがんで剣振るい真っ二つに切り裂いた。切れ味がすごい。多少の抵抗はあったが割とスムーズに切れたことに驚きつつ返り血を近くの葉でぬぐい取って剣の血を払う。後で何とかしないとな。
そしてウルフたちの討伐証明を取ってから牙と爪、それと毛皮をポケット一杯に採集してからその場を離れる。次はナイフと剣の処理だけだ。
ここだと人が見てると思ったので少し離れた場所で鍛冶セットを取り出して熱い石炭を水桶の中に入れて熱湯にして血と脂を完全にふき取る。この武器は刃こぼれしてないな。見た目上は。
さーてとっと鍛冶セットはしまってー、ってあれ?何か俺のリュックが裂けてる?もしかしてさっきのウルフとの戦いで破けたのかな?繕っておこう。
ソーイングセット―!を使って簡単に繕って修復する。あ、でもこれ結構カッコいいな。リュックの真ん中に三本の爪痕があり、蒼銀に輝いていてカッコいい!!
さて、まだもうちょっと時間がありそうかな?そろそろ日が傾いて来てるし、確かギルドの受付は24時間対応だって言ってたけど、けど門は日が沈むちょっと前に閉まるって言ってたな。それまでに戻らないと。
あ!あそこに小さい赤ゾーンがあった!けど緑色にも見える?どういうことだ?試しに行ってみよう。
あ、なるほどね。ちょっと大きくて目が赤く光っている気がするウサギと、それを狙うゴブリンが数体。ふむ。丁度ゴブリンの骨を取ろうと思ってた。
……( ´ー`)フゥー...終ったー意外と楽勝だったなー。ゴブリンは小さいってのもあって筋肉もそれほど堅くないし、骨も意外と脆い。だから倒すのも苦労しなかったなー。正直ウサギの方が…。いや何でもないか。とにかくゴブリンの骨を取り出したけど、うーん。何かが違う気がする。もっとーこうなんだろうか?中というか深部というかよし!砕いてみよう!
ゴブリンの骨を砕いてみると中心部分に他とは違う色合いの部位があった。これはハンマーで叩いてみても砕けない。よしこれを使ってみるか。
うーん確か骨の中の事って骨髄って言わなかったっけ?あの海綿質ってよく言うあれ。だとすればここのことを骨芯髄と呼ぼうかな?他にあるとは思えないけど。
結果としてゴブリンの群れからは骨芯髄がいくつも取れたが、大腿骨等の脚の骨しかなかった。もしかしたら背骨にもあるかもしれないけど、まぁそんなことはいいか。ゴブリンの右耳を採集して今日はもう終わろう。
今日の成果を受付に見せると結構驚いていたけど、それより俺のリュックを見た周りの視線が哀れな物を見るような眼で見られたのがすっごい気になる。もしかして修復したことかな?このカッコよさをわからないなんてかわいそうな奴らだな。さーてとっと確かギルド提携の宿があったなー借りてこようっと。
骨芯髄なんてものは当然実在しません。ゴブリンは生まれてからものすごい速度で成長するので、その時に体を支える用としてある骨って感じです。此奴の利用については次回か次々回あたりにでも。




