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常識的な装備と非常識装備

「ここですね。ここはリュース商会の系列の宿屋ですので基本的に傭兵などはいないですよ」


と連れてこられた場所はリュート商会本店と同じような見た目で清潔感のある周囲の風景とは違和感のあるホテルだった。まるで住宅街にポツンとあるタワーマンションみたいな違和感だ。

 俺はそこの割と広めな部屋を借り受けられた。しかも防音!値段に関しては十日で半月金貨三枚だった。高いな。そんな目を向けてみると、ジト目で返してきた。


「あなたはもうちょっと自分の持つ装備の価値を客観的に見た方がいいですよ?」


え、そうなのか?


「はぁーその話は取り敢えずエントランスで話す内容じゃないので部屋に入ってもいいですか?軽く話しましょう」


と言って自然な動きで部屋の中に案内された。

 ・・・部屋の中は一人部屋だったのに相当広いな。この部屋は大体地球で言うスイートかな?の部屋の広さがある。心なしかいい匂いがする。


「さて。じゃあまずは一つずつ話をしましょう」


と言って備え付けの椅子に腰を下ろすマキ。俺は向かい合うように座ってリュックを置いた。


「まずあなたのスキルのことですが、そちらはまぁ現状総合ギルドの三柱のうち二つから毛嫌いされていますので可及的に対策を講じる必要はないでしょう。時間の問題ですが」


「それよりもそのリュックですが、セーブスクワルという魔物がどのような扱いなのかご存じで?」


「いや知らないが」


「こいつは上級のダンジョンに挑めない傭兵たちにとってまず最初に欲しいと言われているものですが、それでも加工賃だけで金貨一枚必要です」


「?どういう事だ?」


「まずダンジョン行けない傭兵の一依頼の報酬は高くて1000バーチあるかないかなんですが、その依頼なんてほとんどないです。半年に一度ありつければラッキーという具合です」


「それにセーブスクワル自体ほとんど見かけない魔物です。臆病ですし」


うん?それって。


「更に言えばそいつを見つけてもそこから良質な頬袋を取るためにはいくつかの条件があります」


「条件その一加工した頬袋の最大容量は討伐した時に頬袋に溜めている木の実の量に依存する」


じゃあ多ければ多いほど容量も多くなるってこと?


「条件その二 セーブスクワルを倒すには頬袋を傷つけずに首を一撃で切り落とす必要がある」


え?それだけ?それなら簡単じゃないのか?あの時の頬袋のサイズを見たら。


「条件そのニの補足 セーブスクワルのサイズはこのくらいです」


といって五百mlのペットボトルサイズの大きさに手で示した。あ、確かにそれは難しいな。


「条件その三 セーブスクワル自体警戒心がすごく高い、弓を構えた時の殺気で気づいて逃げるほどです」


「以下の理由からセーブスクワルの頬袋の入手は非常に困難です」


あれ?上級ダンジョンに行けないのなら中級ダンジョンとか下級ダンジョンとかならどうなるんだ?


「今下級や中級と思いましたね?」


え?俺今声に出てた?


「いえ何となくです。それよりそれは正解なんですが、中級ダンジョンには極稀にアイテム袋というものが出ますが、容量がセーブスクワルの袋と同サイズなのに、劣化遅延がないです。更に言えばダンジョンは死の危険が常に憑いてきます。それでもセーブスクワルの袋を作るより確率はありますがね」


それならセーブスクワルを狩る方が安全だと言う事か。・・・ちょっと待てそれじゃあ俺のリュックは見る奴が見れば。冷や汗が首筋を伝った。


「はい。あなたのその背負い袋は見る人が見れば物凄い価値があります」


嘘でしょ?!


「そうですね。おそらくあなたのリュックだけでも売ればそこそこいい一軒家が建ちます」


「はぁああ!マジかよ!」


俺は愕然とした表情をしているとさらに追い打ちを仕掛けてくれやがった。


「そして先程改造した持ち運びの鍛冶設備改造に使われた材料もかなり高いですよ?値段的にも性能的にも」


え?それってっもしかして。


「ええ、そうですね。恐らく知らなかったかと思いますが、リュース商会と言えば高級店で有名ですよ??」


「ですのでトラブルが嫌なのならば隠ぺいする事を強くお勧めします」


それは確かにそうかもしれないな。どこかいい場所はないかな?


「そうですね。魔物の素材を売っている場所は総合ギルド系列の素材屋に行くのが一般的です」


「そこでおすすめですがハイドウルフの毛皮を使う事ですね。お値段もリーズナブルですし」


あれ?ハイド?隠れる?それなら。


「それってさハイドジャガーの毛皮じゃダメなのか?貰ったんだが」


「あ、それ止めた方がいいですね」


「どうして?」


「ハイドジャガーの毛皮は確かにハイドウルフより効果が上ですが、量もないでしょ?だからハイドウルフの方がいいってわけです。それに微妙に効果が違うんですよねー」


そんなものなのか。それならハイドウルフに変えようっと。明日買いに行こうか。それと念のためちょっと作りたいものがあるんだがその前に確認しよう。


「マキ。ちょっと質問なんだが、鑑別ウサギって確か害か益かを見て判断するんだよな?」


「ええ、そうですが。それがどうしたんですか?」


「それでここって火を使っても大丈夫か?作りたいものがあるんだが」


「えっとー大丈夫だったはずですが。備えつきのキッチンがありますので」


と俺はその言葉を聞き終えてからキッチンの場所に歩いて行った。ってかこれマンションじゃん。

 キッチンに着いたのでペットボトルに入った鑑別ウサギの目玉とルーペ、それにエスプレッソメーカーとミスリルカイコの糸を取り出す。


1 鑑別ウサギの目玉を軽く潰し、エスプレッソメーカーの粉を入れる場所に入れる。


2 下の部分に水とミスリルカイコの糸を入れておく。


3 魔導コンロに置いて火にかける。


4 沸騰するのを待つ間、ルーペのレンズ部分を外して更にきれいに半分に割る。


5 割ったレンズをさらに削ってお椀のようなくぼみを作る。


6 エスプレッソメーカーの上部分に液体が溜まって来たのでそれをくぼみに注ぐ。


7 下の粉が入っていた場所に粘液が残っているので、それをレンズのふちに塗って冷ます。


8 ある程度冷めたのでレンズ同士を再び合わせてルーペのフレームに嵌めなおす。 



 完成



「出来たぁああ!」


「おめでとうございます。何が出来たんですか?・・・はぁまたですか」


と言いながら紙にさらさらと鑑定結果を書き記して手渡してくれた。


【鑑別ルーペ】


 鑑別ウサギの目玉を使ったルーペ。善悪の区別が見える。何をもって善とするかは自分にとって有益か有害かの違い。


善・・・自分にとって今有益なら輪郭が緑色に光る


悪・・・自分にとって今有害なら輪郭が赤に光る


どちらでもない・・・白




「・・・マキ」


「・・・はい」


「これも隠した方がいいか?」


「・・・当たり前です」


「・・・だよなぁ」


「少しは自重してください!」


「はい。反省してます」


「はぁー仕方がないですね。本当は隠蔽の魔法を籠めるのが一番いいんですが、仕方がないです。極力ダサい内容にしてくださいね!特に鑑別ルーペの方は!」


はい。わかりました。ごめんなさい。あれ?そう言えば


「・・・そう言えばどうして俺にここまでしてくれるんだ?」


「まぁ別に特にないですが。依頼ですからね」


むくれている姿が夕日に当たって可愛いな。言わないけど。


「そ、それはそれとしてハイドジャガーの毛皮は私の前で作ってくださいね!絶対ですよ!じゃあ私は失礼します。じゃあまた明日朝食を食べた後に安い素材屋に案内しますので」


あ、はいわかりましたじゃあまた明日。

 今日の夕飯はかなりスパイスが効きすぎて正直言ってあんまりおいしくなかった。確かスキル持ちが造っているって話だったよな?

スキルにはある程度当人の認識や固定観念が入っていたりします。

 要するに贅沢な料理というのは味が濃いものという固定観念がこの世界の一般的な料理人です。

 ですのでぶっちゃけ下町の料理人の方がおいしいですし健康的です。平民から貴族になった人がいたら苦労しそうですよね。

 

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