『魔法の光』
ヒーラーが到着したので鎧を外し、マックスの左腕を治療している。
マックスはヒーラーの光る手を眺めながら、
「……魔法は便利だな」
寂しそうにポツリと言った。
「……マックス、正規兵が嫌ならうち専属の傭兵になってくれない?」
「戦がまだあるのか?」
アインの方に向き直ると
「ああ、連合軍が魔王軍を名乗って各地で暴れてるんだ。仕事に不自由しないよ」
「報酬次第だな」
「傭兵にしてはだいぶ払ってるぞ。正規兵より高いんじゃないか?」
「次はどこだ?」
「まだ調査中。すぐ終わるだろうから街で待っててくれよ」
「宿代はそっちで払えよ」
「わかってるよ。いい部屋用意してやる」
◇
街まで送り届けてもらい、
「じゃあ、次の戦まで少し休んでてくれ。わかり次第、伝令を送るよ」
「ああ。迎えもよこせよ」
アインたちの馬車は走り去って行った。
「マックスさん!」
酒場の近くでミルが駆け寄って来た。
「お前か、帰ってなかったのか?」
「ええ、街が近かったので、商売しようと思って」
「お前、エルフの癖に商魂逞しいな」
「よく言われます」
てへへと照れた。
「褒めてねぇぞ」
「マックスさんは仕事帰りですか?」
「まあ、そんなところだ」
「そうだ、ご飯奢らせてくださいよ」
「酒もな」
「もちろんです!」
◇
酒場に着き、中に入ると。
店内は1度静まり返り。
ヒソヒソと話し声が聞こえる。
『全身鉄の甲冑かよ。縁起でもねぇ』
『気味悪いな』
『おい、もう出ようぜ』
陰口を聞いたミルは声のする方を睨みつけると、陰口を言ってた客は帰って行った。
気を取り直してミルは肉と一番高い酒を頼んだ。
「このお肉とお酒美味しいんですよ!食べてください」
「黙って食え」
マックスは食事をしながら酒をあおる。
「ところで、鉄の装備って珍しいですよね。ドワーフ製ですか?」
「まあ、似たようなもんだ」
「似たようなもの?」
「うるせぇな、俺が打ったんだよ」
「マックスさん、鍛冶屋なんですか?差別とか偏見多かったでしょう」
「育ての親がドワーフなんだ」
「あー、だからお酒好きなんですね」
「黙って食わせろ」




