『東洋の暗殺者』
「マックス」
アインは折れた小刀を見てマックスに声を掛けた。
「なんだ?」
「この小刀、東洋の物じゃないか?」
「ああ、それが?」
「東洋と繋がりがある者がいるんじゃないのか?」
「そうだな。思い当たる節はあるか?」
マックスは王国に詳しくない。
自分よりアインのが詳しいと思ったが
「貴族かもな」
「まぁ、そうなるだろうな」
「明日ハンス中隊長にも聞いてみるよ」
「……ああ」
複雑な気持ちだった。
マックスは自分の事で弟を悩ませてしまうのではないかと心配だった。
「マックス鉄鋼兵団長に東洋の暗殺者を仕向けた者がいる?」
ハンスは怒気を帯びて聞き直した。
「あ、ああ、心当たりあるかな?と思って」
アインは少したじろいだ。
「アイン中隊長殿、隠密部隊はいますか?」
「いや、俺のとこ前線ばっかで……」
「わかりました。私の中隊の隠密部隊を使います。わかり次第、首を跳ねますか?」
「いや、誰か分かればいいよ」
「対策はしないのですか?」
「するさ、わかったら任せてくれってこと」
「わかりました。では、見つけ次第、お伝えしますね」
「ああ、ありがとう」
アインは隠密部隊も今後必要だなと考えた。
「アイン、ハンス部隊長はなんて言ってた?」
「見つけ次第知らせてくれるってよ」
「わかり次第、首跳ねてやる」
「ハンス中隊長も最初言ってたよ」
兄弟だな。とアインは思った。
アインは傭兵団のゲリラ戦が得意なものを集めた。
「この中で気配消すの得意な者はいるか?」
4人手を挙げた。
「よし、君たちを隠密部隊に任命する。精進するように」
あっさり決めたが、次の日から貴族一人一人を尾行し、何人かに絞った。
ノリで決めているようだが、アインは人を見る目を持っていた。
そして、3人までに絞った。
「なぁ、アイン。この3人グルってことないか?」
「有り得るな。密会場所を突き止めよう」
が、そこは一日の長があるハンスの隠密部隊。
先に酷く脅されたようで、3人の貴族は自首してきた。
寝室に暗殺者の首を投げ込まれたり、娘を人質に取られたりしたらしい。
鉄鋼兵団が3人の周りを囲み、マックスが一人一人尋問した。
理由は下らない妬みだった。
殺す気も失せ、王に報告するに留めたが、鉄鋼兵団に期待をしている王はこれに怒り、その場で王自ら首を跳ねた。
アインは怪我の功名と隠密部隊を重宝し、諜報活動にも力を入れるようになった。
ある夜、隠密部隊より暗殺部隊が集まっているとの情報を聞きつけアインは人も武器も持たず暗殺部隊の集会場所に出向いた。
「よう、諸君」
暗殺部隊は驚き小刀を構えたが
アインは丸腰。
「雇い主いなくなって、稼げなくなったんだろ?俺の中隊に来い。稼がせてやる」
暗殺部隊は顔を合わせた後、頷き合い。
アインの話に乗った。




