『ドワーフの鉱山』
「マックスさん、道こっちであってます?」
「ああ、このまま山沿いに走ってくれ」
マックスは荷馬車でくつろぎながら酒を飲んでいる
「ところでこの樽。全部酒か?」
「そうですよ!これでドワーフの心、鷲掴みです」
「お前は酒だけは一流だからな……この辺で止めろ。馬はそこに繋げ」
「あ、はい」
馬を止め、鉱山の入口に入る。
「うげー、鉄臭い……しかもこの音、うるさーい」
「ここでそんな事言ってたら中入れねぇぞ」
「マジですか……」
中に入るとドワーフの1人が話しかけて来た。
「……マックスか?」
「おっさん、元気そうだな」
マックスはガッシリ握手をした。
「族長いるか?……て寝てるか」
「ああ、今日は酒の日だからな。用件なら明日にしろ。親父さんにでも挨拶に行け」
「ああ」
「ところで後ろのそいつはエルフか?何の用だ?」
「ああ、くっついて来たんだ」
ミルは騒音でうるさいのか耳を塞いで歯を食いしばっている
「ミルです……!お酒持ってきました……!」
「こいつ、酒造りは一流だ。あとで酒場持ってくから皆に知らせといてくれ」
「ああ、楽しみにしてる」
顔見知りのドワーフは去って行った。
マックスはそのまま自分の家に向かった
「ま、待ってくださいよ」
「置いてくぞ」
家に入ると
「あ、家の中は幾分かマシですね。鼓膜破れるかと思った」
「お前耳いいんだな」
「ところでお父さんは今外出中ですか」
「ここだよ」
マックスは誰もいない部屋に入り、中には鉄槌が壁に掛けてある。
その鉄槌に向かって優しく声を掛けた。
「親父、ただいま」
ミルは察した。
「……お父さん、亡くされてたんですね」
「ああ」
マックスは少し悲しそうな顔をしていた。
「……どんな方だったんですか?」
「典型的なドワーフだよ。うるさくって、酒飲みで、大雑把で、太くて、強くて……不器用で、でも自慢の親父だった」
その顔はどこか誇らしげだった。




