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逃亡ー7

1日ぶりに復活出来ました(笑)

金曜日の朝、突然ネット回線が切れて、昔の苦い記憶を思い出しました。

月曜日にプロバイダーに連絡する心算が、奇跡が起きました(笑)


ブックマークを頂きました、ありがとうございます。

まだ序盤ですから、面白くないし最強の片りんも見えませんが、本当に嬉しいです。

喜んでいただけるよう頑張ります。

ジュウイチとエリの行方不明の一報が逆転勝利で沸き立つ勇者の陣に齎されたのは、あくる日の夕方になってからだった。


ジュウイチを慕う槍の勇者シンは翌早朝に大剣の勇者カスミに同行を頼み込み、一緒に辺境伯領を目指した。


崖を登る近道で昼過ぎに辺境伯領に入ったが、報告のとおり都は無人だった。

嘗ては街中に在ったとされる邸は、散々街中を歩きまわり、やっと山の中に隠れるように建つ武骨な黒色の邸を見つけて、何もない都を後にして行ってみる事にした。


「この町は何と言うか、不気味ですよね。

カスミさんはどう思われますか」


「私に聞かれても分からんよ。

私、幽霊なんか信じないからさ」


「いや、そうじゃなくて、悪意を感じるみたいな」


「そうお?

静かで綺麗な街と思うけどね」


それを聞いたシンは苦笑するしかなかった。


「漸くやって来ましたね。

門が破壊されていますが、これってジュウイチさんの仕業でしょうか。

何時もながらのいい仕事ですよね」


「そんなことより中よ、私、日が暮れるまでに帰りたいから。

此処は静かすぎるから、早くしようよ」


壊れた門扉に向かい「そうですね。

じゃ、失礼してお邪魔しま~す」


「あんたって、意外に面白いわね」と、言いカスミはククっと小さく笑った。


ついに邸前に来た。

「あっあれ、扉が開きませんね。

なんか秘密の呪文でも唱えなければ開かないのかも、開けぇ~ゴマっ」


「あんたもう最高よ!」


「カスミさん、馬鹿にした笑いは止めてもらえますか、僕は真剣なんですから」


「悪い悪い、他にも呪文があるなら試してよ。

もうすぐ暗くなるからさ」


「そんなもの知りませんよ。

それより裏に回ってみましょうよ」


「裏も開きませんね。

と、言うよりも、扉の取っ手が無いですから。

相当不便でしょうに」と、シンが呟く度に笑うカスミ。


「他は井戸があるとか。

ですが見当たりませんね」


「ハ~イ、タイムリミットで~す。

シン、帰るよ、もう此処へは来ないからね」


「はい、僕もそれが良いと思います」


「あれ、霞の様な物が滲み出てきましたけど」


「シンって面白いわね」と、呆れて振り返ると確かに霧の様な物が邸からジワッと滲み出ていた。

見ていると邸全体が霧に覆われ、肖像画で見た上半身と違い、フィリスの全体像が浮かび上がった。


「シン、急ぐよ。

これだから、こう言うの嫌なのよ」と駆け出すカスミの後を追った。


ーーウェルビー辺境伯領へ侵攻してから一月後、ここは帝国にある秘密の会議室。

今回参加者は、プリムス皇帝、ビルジン宰相、ガンラー近衛連隊長ーー

「凡その事は聞いているが宰相、詳しく話してくれないか」

「はい、我々の勝利は決定しまして、今はベルステン王国と和平戦協定を結ぶ為の文書を作成中です。

領土はオルブライト公爵領を手に入れようと考えておりますが、良い返事はないと思いますから、最終的には金と奴隷を要求します。


厄介者の勇者は二人が行方不明になり、恐らくは死亡と判断しています。

ついでに、フィリス嬢も行方不明と報告が上がってきています。

その他王国に課す条件の中に、美女を求めようと思いますが、フィリス嬢も捜索させましょうか」


「勇者はどいつだ」

「剣の勇者ジュウイチと魔法の勇者エリの二名です」


「残る厄介者は槍の勇者だな」


「はい、弓の勇者は意外と理性的で、許容範囲と思います」


「何を言う、わが軍の近衛を殺されたのだぞ」


「それを言えば、大剣の勇者も同罪でしょう」


「あっあいつは良いんだ。

なんせ俺好みだからな。

彼奴を俺好みに厳しく調教して飼ってやりたい」と、場を憚らず欲望を言う近衛連隊長グレン・ガンラーにプリムス皇帝もビルジン宰相も呆れた。


「調味料を使って飼いならそうかと思っているからな」


「おいおい、気は確かか?

近衛連隊長よ」


「皇帝こそ、巨乳好きじゃないですかな。

俺のところに来る情報では、あのナオコという勇者は良い物を持っているそうですが。

あの生娘を狙っておられるのでは」


「いや、それがな。

治癒は貴重な存在だ、しかも勇者となると、その力量は計り知れないからな。

下手な事は出来んよ」


「お二人ともまだ気は抜けませんぞ」


「おぉ、そうだな」


「それで、こんなのは如何でしょうね。

ベルステン王国側から国内に居る美女の情報を提供させ、あの勇者共に連れ帰させる。

我が国に連れ帰る途中で娘に飽きれば、切り捨てるだろうが、それは我々が関知しない事です。

要は宮殿に勇者を置かないで、火種を撒かせあ奴らに火消しもさせる。

頃合いを見てエルシャー軍に出張らせる。

美女については王国側から知らされたと、各領主に知らせるとベルステン王国側で領主が王国から離反の行動に出ると、我が国も好都合でしょう」


「あの性格では放置しても火種の一つや二つは撒くでしょうから、如何でしょうか。

勇者も使いようと思います」


「。。。では、宰相の方針で進めてくれ。

それからグレンよ、今はまだ調味料は止めておけ。

ナオコと一緒にして要監視だ、良いな」




勇者を失ったガス・エルシャー連合軍は、これといった戦果が無いまま僅かにウェルビー領に残った数名を奴隷にして完全に撤退した。

開戦前の具体的な戦果はないまま戦から外交に舞台は移った。



ジョーンズ騎士や俺の家族の敵討ちは、執事ルーベリーの罠で呆気なく終わった。


静かになって俺はアマンダに今後の事を相談した。

頼りない俺の言うことにアマンダは何一つ反対することもなく、受け入れてくれるから、反対しないの、と聞いた。


彼女は暗い表情のまま、「もう友達の関係は終わりよ。

これからはフィリップの従者だから、それで良い」としか言わなくなった。

ただ女装はやめてと言われ、俺もその心算なのだ。


我が家の宝というと、金銀財宝は二の次、何よりも武器なのはよく知っていた。

一方的に方針を決める俺とアマンダは武器庫に行き、武器庫でマジックバックを二つ見つけ、その中に武器と隠し扉を開けると大量にあったお金を全部入れて邸を出る事にした。

何時かは家の再興を王国に願い出るにしても、今は無理なのがよく分かるからだ。


俺が決めた方針は敵の手に落ちた公爵領を避けて、東周りで王都を目指し王都で身を隠すことにしたが、貴族でもないのにいい歳をして職を持たないのは不自然と言うアマンダの意見を聞き、途中の街で冒険者になった。


慎重の上にも慎重を期し王都迄半年かかり、その間に俺の職業とスキルが少し分かった。

それともう一つ、マジックバックと思っていたものは、アイテムボックスと知った。


分かった職業は二つ、復習者と暗殺者、何方も知らない職だ。

暗殺者スキルは認識阻害と透明化に必殺と知らない職業とスキルは、俺が消えてしまいたいとか、強く敵討ちを願ったからかもしれないと勝手に納得した。


職業が分かり俺が使う得物は、ナイフとナイフよりも少し長い短剣に暗器、アマンダは取り回しが楽な一般的なショートソードに決めた。


二つ見つけたアイテムボックスに、短剣と暗器と持ち出す全財産を適当に分け、要らない武器は全てアマンダに渡した。


二つあるアイテムボックスは俺達のためにルーベリーが用意してくれたのだろうと、アイテムボックスに手を触れた瞬間に眩く光り、一つは俺専用になったからだ。

もう一つはアマンダ専用にした。

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