冒険者ー23
フーのハーレムに新たに二人の少女が加わります。
話の中で出てくる「酒池肉林」は、一般的な意味とは少し違います(笑)
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それではお楽しみください
スターリングの店でスイーツを食べた、あの日から黒い森に二回行き獲物を持って今日も昼前にスコット市に入る列に並んでいだ。
今日に限って検問でちょっとした騒ぎが起きていた。
騒ぎの元はカルフーン家が身分を保証する男爵と言う者は、共を一人もつれずにやって来た大物に検問にあたる衛兵は大いに驚いた。
拒む明快な理由も無いので、衛兵は隊長経由で直ぐにスコット領主に知らせた。
そこまでは良かったが、キーン・スタンレー男爵は領主に面会を求めるではなく、何用で来たのか目的を話さないのが当に不思議なのだ。
衛兵が確認した金色のカードは、本人が言うとおり間違いなくカルフーン家が認める寄り子の男爵だった。
「スタンレー男爵様、入市は拒みませんが、せめて用向きくらいは知りたいものです」
「そうですよ、領都を警護する我々の義務として、貴族様の入市は目的と一緒に領主様に連絡するよう決められていますから」
「そうですか、では人探しに来ました。
恐らくはスコット市に居られると思いますからね」と、カードを受け取りキーンが用向きを告げた。
「それから、領主様への謁見は望みませんから、特に連絡は不要です」
「ですが、それでは我々の職務怠慢になりますから、先ずは領主様に会っていただきます。
その後はご自由になさってください」
「私は騎士くらいと聞いていましたが、貴族は思ったよりも面倒なのですね」
「誤解されている様なので申し上げますが、スタンレー男爵様は、その準男爵ではありませんが」と、言う衛兵の言葉にキーンは驚いた。
「何か入口で問題が起きているようですね。
私が様子を見に行ってきますが宜しいでしょうか」と、言いフランソワが門の方へ行った。
だが、直ぐに青い顔をして戻って来た。
「フー様、大変です。
カルフーン家のメイドが今検問にいます」
「一人なのか、モニカレイは居ないのだな」
「はい、一人で来ています」
「そうか、無視しよう。
モニカレイが同行していても、対応は変えないがな」と、言い俺は入市の順番を待った。
待つこと数刻、やっと俺たちの順番が来た。
「お嬢様お待たせしました。
変な貴族が来まして、彼方の門に行ってくれると、スムーズに我々も仕事が出来たのですが」
「良いのですよ、毎日が同じじゃ飽きませんか」と、微笑むフランソワが二人に喜ばれた。
「皆さん先に食事にしませんか。
何時ものバリンさんのレストランですが」と、フランソワに皆賛成して街中を歩いていると、近頃はフランソワと同じようにセイントフォーも市民から喜ばれ、皆も人気者になってきた。
「私が来ましたよ」と、フランソワの変な挨拶で店に入ると、一人の娘に店員の娘が対応に困っていた。
「ですから何度も申している様に、私は知りませんから。
人探しは他所でしてください。
私の仕事の邪魔をしないでください」
「では、私に本日のお勧め下さい。
それくらいは良いでしょう、もう邪魔はしませんから」と、言うので、入口近くの角の席に案内された。
俺達は店員の娘のやり取りを気にせず、そのまま傍を通り過ぎ奥へ行った。
後ろの方で、おいおい、もめるなら他所へ行けよ、との声が聞こえてきた。
「お待たせしました、お席に案内もせずに大変申し訳ありません」
「そんな事は良いのですよ。
私たちはこの店の常連ですから、席の案内は無くても何の問題もありませんから」と、フランソワが良い笑顔で言っている。
「そうそう、人探しって変なのが来てましたね」と、スーが興味を持った。
「もしかして、探しているのは私達じゃないでしょうね。
あの娘はカルフーン家のメイドでしょう、ねぇフー」と言うアマンダにスーが驚いていた。
「ちょっと!それ本当なの」
「あぁ、そうだな。
あの時スーは青くなって固まっていただろう」
「なんだか面倒な事が起こる予感がしますね」と、アリスが言ったらそのとおりになった。
「やはり此方に居られたのですね。
私はフィリス様を探していますが、漸く会えました。
あの申し訳ありませんが、同席させていただいても宜しいでしょうか」
「いや、それは困る。
これは内輪の昼食会であって、部外者は遠慮してくれないか。
そもそも何であなたが此処に居るんだ」
「すみません、ご注文は。
本日はビーフシチューがお勧めです」と、言う娘に、全員がそれで良いと答えた。
「では、ビーフシチューと野菜サラダと黒パンをご用意いたします」
「先ほどの問いですが、私は前領主様から暇を出されました。
行くところが無いので、フィリス様を頼って此方へ来ました」
「私はあなたの面倒を見るとか言った事はありませんよ」
「私が一方的にあなた様を頼って来ましたから」
「すみませんが、お食事を用意してきましたから、少し開けてもらえませんか」と、言う娘を無視して、運んで来た料理を勝手に給仕し始めた。
「さぁどうぞ、お召し上がりください」
一連の流れるような所作を娘は呆れて見ていた。
「どうぞ、私に遠慮なく召し上がってください。
食後にまた来ますから」と、言いキーンは自分の席に戻った。
「なんか変なのに目を付けられましたね」と、アリスが言う。
「メイは黙ったままだが、何かあるか」
「フランソワが居るわけで、知られるのは時間の問題と思ったけど、意外な人物が来た」
「そうそう、私も来るのはモニカレイと思ったからね」
で、フーはどうするの?
帰るところがないとか言ってたでしょう」
「そうなんだよな、あれはただのメイドじゃないからな」と、言う俺に皆は何となく分かった。
「もしかして刺客でしょうか」と、フランソワが皆が思っている事を言った。
「そう言えばそろそろだったな」と、俺が呟くのを聞かれた。
皆が説明を求めるので、「そろそろと言ったのは、ジレットを呪っただろう。
今回は7日と期間を設けたから、7日が過ぎたと思い出したんだ」
「ほら、やっぱり刺客じゃないの」と、スーが言うからと皆も同じ考えだった。
こんなやり取りをしているから、せっかくの料理が美味しく食べられなかった。
お茶を飲んでいるところへキーンが来た。
「何故私を頼ってここまで来たのか教えてほしいのですが」と、聞いてみた。
「先ほども申したとおり、私は領主様から暇を出されました。
その際、好きなところへ行けと申されるので、職業柄人との接触が殆ど無い私にとってフィリス様のことが一番初めに浮かびまして、探してこちらに来ました」
「何で暇を出されたんだ。
お前は領主のお気に入りじゃないのか」
しまった、言い間違えた。
「私もその様に思っていましたが、暇を出されてしまいショックで、何も考えられないままにフィリス様を頼ろうと思いました」
「さっぱり訳が分からないんだが、確かあの時俺に殺気を飛ばしたよな」
恥ずかしそうにして「はい」と一言答えた。
間髪入れず俺の言葉を聞いて。アマンダが威圧する。
「アマンダ抑えてくれ」
「私は奥様が嫌がられるので、それに私はジレット様の専属メイドですから、暇を出される直前まで、ジレット様のお世話をしていました。
風呂に入れないジレット様を気の毒に思い、湯を用意して体を拭いて差し上げたのです。
終わり新しい服を用意して、着付けもしました。
その時ジレット様が、正気の内に暇を出すと言われ、褒美もいただきました」と、言ってマジックバックから金色のカードと証券と証明書を出して見せた。
「あなた、これって凄いじゃないの。
このカードで身分をカルフーン家が代々保証してくれるし、この証券は冒険者ギルドで換金できますが、その金額が莫大です。
それに、あなたは貴族、男爵になっていますよ」と、フランソワが言った。
「凄いな、なんで俺の所へ来たんだ。
そのままカルフーン家に男爵位で残れば良いだろう」
「恐らくですが、ジレット様は長く生きられないと、申されましたからそのとおりと思います。
私はジレット様の専属メイドでして、暇を出されたからにはもうカルフーン家には居られません」
「じゃ家に帰れば」と、スーが聞いた。
「私は孤児ですから。
王都で運良くジレット様に拾われました」
「モニカレイが見つけたんじゃないのか」
「それは私を家に置く口実ですから」
「私は家事全般が出来ますから、どうぞ傍においてください。
決して後悔はさせませんから」と、必死なキーンを俺は気の毒に思った。
気まずい空気の中で俺は、モニカレイについて聞いてみた。
「ハッキリした事は知りませんが、モニカレイ様が新領主かと思います」
「それは良いですよ。
モニカレイが探してくるとばかり思っていましたから」と、アリスが笑顔で言った。
「テーブルの上の物を仕舞ってくれないか。
もう一杯お茶を貰おう」と、言い合図した。
「申し訳ないですが、椅子の追加とお茶を頼みます」と、フランソワが娘に言った。
直ぐに椅子が用意され、その後お茶が来た。
「とりあえずはお茶を飲んでくれ。
お前、モニカレイに恨まれるかもしれないぞ」と、言ってみた。
「覚悟の上です」と、言うので、皆の顔を見た。
「アマンダはどう思う」
「フーが良いのなら反対はしないよ。
ただ、家事全般は出来て当たり前ですからね。
私はセイントフォーのリーダーですが、もう一つ、フーのハーレム要員を勧誘すのも仕事です。
フーが私に意見を求めるから、あなたに問います。
あなたはフーのハーレムに入りたいのですか」
「はい、何でもしますから。
縛られても鞭で打たれても、皿代わりにもなる覚悟があります」
「えっ、皿代わりとは何でしょうか」と、アリスが聞いた。
「アッ、僕は知っているよ。
宴の場で裸になってテーブルの上で横になったところへ、各種の料理を盛られる」と、メイが言った。
「そうです、凡そのとおりです」
「聞いても良いか、ジレットはそんなことをするのか」
「詳しくは知りませんが、過去に幾度かメイド達を使い派閥領主達をもてなしたと、いう噂を聞いた事があります。
私は汚れ仕事が専門でしたから」
「メイは物知りだね。
私達も何時かやってみる?」と、スーが言いだした。
「所謂酒池肉林ですね」と、フランソワが言うから「俺は知らないが、姉が言っていたのはそれの事か」と、俺は納得した。
「長居しましたが出ましょう」と、アマンダが言い今回もフランソワが食事代を払った。
「俺は、これから帰り夕食の仕込みに取り掛かるから、時間的にギルドへは行けないが問題は無いよな」
「キーンは俺と一緒だ」と、言うと、キーンが凄く喜んだ。
別れて二人になりキーンに聞いてみた。
「悪いな、お前を路頭に迷わすようなことをして。
しかし、俺との約束を一方的に破ったのはジレットなんだからな」
「はい、私もいきさつは聞いています。
今は何とも思っていません。
ですから私を捨てないでください」と、何処かで聞いたようなセリフをまた聞いた。
「あれが俺達の家なんだが、何だ、あれは」
「メイド姿の娘が門の前に居ますね」
「お前もしかして、フィスなのか」
「あぁ、良かったです。
もう家に帰れないし、留守のようでしたから、今夜はここで野宿しかないと覚悟していました」と、良い笑顔で微笑む娘は、スコット領主の執事センデルが寄こした末娘なのだ。
「何でだろうな、俺はあの時何も決めていないのだが。
話が勝手に盛り上がって、あの時は昼食の仕込みがあるので帰ったんだが」
センデルさんの末娘だから無下に断ることは。。。。
あぁ困ったぞ。
皆が帰ってくる前に俺は食事の下拵えを急ぎたいので、二人を邸の中に入れた。
何時もの様に腕輪を使い直ぐにメイド服に着替えたところ二人に驚かれた。
「皆には好評なのにおかしいか」
「いえ、よくお似合いです」と、フィスが答えた。
「私は何をすれば良いのでしょうか」と、キーンが聞いてきた。
「そうだな、今夜はステーキにする心算だ。
肉はこれを使う」と、俺はグレータードレイクの肉を出して見せた。
「見慣れない肉ですね」と、キーンが言うと私もですと、フィスも言う。
「そうか、後で肉に付いては分かるが、本当にうまいぞ。
俺は一応料理は出来るが、つい最近始めたばかりで要領が良くないんだ。
それで無駄に時間が掛かるんだ。
それに量もよく分からん、それで今夜はフィスにステーキを頼みたい。
キーンにはパスタだ、二人とも出来るか」
「「はい、お任せください」」
「俺はスープを作るからな」
厨房に3人入ると何時もより勝手が違い、戸惑っていたがフィスはさすがに要領が良い。
キーンも直ぐに対応できた。
俺だけが窮屈な中で、各自の調理が始まった。
「戸棚や後ろの食糧庫に材料はあると思うから好きに使ってくれ。
ただ肉と魚は俺が持っているから、要る時は言ってくれ。
食糧庫に入れるよりは、俺が持つ方が鮮度が保てるんだ」
気配を感じて食堂を覗いてみるとみんな帰っていた。
如何だったでしょうか?
フーのハーレム要員は全員揃いました(笑)
この先メイが皆に説明したような事はフーの邸では起こりません、ご安心ください。
楽しめた、面白かった、と思われるなら作者冥利に尽きます。
次回は新たに加わった2人との料理です。
何が出来るのか楽しみですね。
次回は日曜日を予定しています。
何時もの時間にお会いしましょう




