冒険者ー20
本編はセイントフォーの狩りについてが中心です。
他はフーが作る料理も(笑)
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「うん、ここだよ」と、言うスーに、「俺とスーは後ろなんだよな」
「フォーメーションはこの前と一緒よ。
アリス、何か居る?」
「周りには居ないですね。
奥の方へ移動してみますか」
「ちょっと待って」と、アマンダは木々の隙間から見える空を見た。
「アリスはこの前グレータードレイクが群れていた場所が分かる?
分かればそこへ行きましょう」
「僕とアリスは交代だ」と、言いメイはアマンダと並びアリスがフランソワと並んで先頭に立った。
「フーは後ろに気を付けて」と、アマンダの指示が出る。
(俺の前に来る魔物は皆窒息死だ)
(了解しました)
「あの雷鳴の様な音は雷でしょうか」
「フランソワ、あの音は雷じゃないよ」
「あっ、ブラックアリゲーターよりも二回り以上大きいのが、集団で移動しています。
位置は彼方です」と、アリスが手で方角を示した。
「距離は」
「距離は6キロ位です」
「フーの串焼きで休憩にする?」と、スーが言いだした。
「ここは囲まれると場所が悪いので、上に移動しましょう。
そこで休憩にしようよ」と、アマンダの指示で上方へ移動して休憩にした。
この前と同じようにメイの結界に車座に座り、俺が王都で仕入れた串焼きと、パンに果実水を用意した。
メイの結界は傾斜に合わせて水平なっていて、座りやすく果実水を入れたコップは倒れないし、頗る座り易いのだっった。
「これ良いじゃない」と、串焼きにアマンダが喜び緊張しているフランソワを気遣った。
「こう毎回果実水じゃ飽きるから、今度はスープに挑戦してみるよ」
「フーは何でも出来るんだ」と、スーが言うと、メイも言うから、過度な期待はしないようにと言った。
雑談しながら美味しく食べ終わって尚も話をしていると「近くに来ています。
距離にして1キロ位でしょうか」と、アリスが教えてくれた。
「皆準備して」
「「「「はい!」」」」
各自が注意していると、何時の間にか聞えていた雷に似た大音量が急にしなくなった。
今度は何かを引きずるような音に変わり、黒い魔物がノソッと姿を現した。
アリスが言ったブラックアリゲーターを二回り大きくした魔物は、グォォーと、地響きに似た低音で俺達を威嚇してきた。
「フランソワ、噛みつきと尻尾の打撃に注意して!」と、アマンダが強く言う。
(指示したとおりやってくれ)
(了解しました)
初めに俺の前に姿を現した魔物に呪いが発動したら、大暴れしたが直ぐに動かなくなった。
最期の足掻きか尻尾を振り回し暴れた事により、周りの大木が薙ぎ払われた。
幸い俺とスーは倒れてきた大木の下敷きになることはなかったが、俺の指示した平地では間違いなく皆は大木の下敷きになっていた事が容易に予測できた。
それでアマンダの指示に納得できた。
大木が倒れる時のググググッと気味悪く鳴る音と衝撃に軽く驚いた俺と違いスーは動揺を一切見せなかった。
結果はメイが3体、フランソワが1体アリスが2体、俺が2体倒すと魔物の群れは後退していった。
「これは大物だね」と、呑気にメイが言っているが、確かに大きい。
この前のグレータードレイクよりも軽く一回り大きいから、俺が倒した二匹とも上下に突き出る牙が凶悪に感じるし、ピンク色の舌は蛇のように先が二つに割れていた。
「アリス状況は?」
「はい、今は何も居ません」
「皆怪我してない」
「「「「大丈夫!」」」」」
「じゃ血抜きを始めるよ」と、言うメイにアマンダが「血を少量確保してね」
「了解、前回よりも少し多めに持って帰るよ」
今回もスーと分担して、比較的柔らかい喉の部分に切れ目を入れたが、黒色をした背中の方と比べ黄色い鱗が思ったより固いので苦労した。
スーを見ると、スーは俺より手際が良いのは経験の差と思ったが、既に終えていた。
俺とスーが喉に切れ目を入れている所は、魔物が暴れたせいで、倒れた大木が重なり枝も邪魔をするから歩きにくいがその分明るくなった。
その少し上、メイとアマンダが戦った所は、薄暗くその対比が面白いと思った。
アリスは心配そうにフランソワを見ているから、凡そ察しが付いた。
フランソワが倒した魔物の頭に矢が軽く見ても20本以上は刺さっていた。
獲物はアマンダがアイテムボックスの入れてスコット市の門前に帰った。
「今日もこのままギルドへ行って買取を頼みましょう」と、言うアマンダに皆賛成した。
今日も守衛役の衛兵にフランソワとセイントフォーは喜ばれ、特にフランソワのランクが爆上がりしている事に応対してくれた衛兵が驚きゲイリー様に報告すると話していた。
フランソワがランクアップを衛兵に知られた事を喜び、ギルドへ行く前に食事が先と言い出すから、バリンさんの店に直行した。
「私が来ましたよ」と、言う変わった挨拶をするフランソワに食事客も喜び、何時も明るいお嬢様を見ると我々も嬉しくなると、彼方此方で話し声が聞こえて来た。
直ぐに何時もの娘が良い笑顔で応対に来て、直ぐに何時もの席に案内してくれた。
「少しお待ちください、店主が挨拶に来ますから」と、言っているとバリンさんが笑顔でやって来た。
「お嬢様にセイントフォーの皆様いらっしゃいませ。
今日はラムステーキは如何でしょうか」
「皆様如何でしょう、馴染みがないかもしれませんが、美味しいと思います。
私は好きです」と、言うフランソワに任せた。
フランソワが聞くから、皆初めて食べる事が分かった。
「私が生まれた村では羊の毛を使い冬になると織物を作っていましたが、初夏に羊の毛刈りをするんですが刈った後は可哀そうな位痩せているので、とても食用に向かないと思っていました」と、アリスが話してくれた。
「そうなんだ、私は初めて知ったよ」と、スーが言うと、メイは知っていた。
王都の高級住宅地区に自前の家を持つメイの家は、父が大貴族相手に子息女の教師をしている裕福な家の娘なのだと知ったのは、つい最近の事だった。
あの結界の家で知ったが、皆は金に困らない程度と思っていたらしく、後から詳しく聞き、その家の大きさに驚いていた。
娘とバリンさんが運んで来たのは骨の付いた面白い形をした肉だった。
一皿にそれが6個に2種類のタレと、付け合わせに簡単なサラダが付いていた。
他はフランソワが好きな黒パンにスープだ。
初めての物だが、良い匂いがしてこれは美味しそうだと感じた。
フランソワは慣れた手つきで骨の部分を持って食べ始めるので、皆もその食べ方に倣った。
「これはとっても美味しいですよ」と、言うアリスに皆も口々に美味しいと感想を言い合った。
ラムステーキを堪能して、大満足の中で俺が聞いた。
「ことろで、狩ったブラックアリゲーターに似たあれは何と言うのだ。
教えてほしいのだが」
「私は知りません。
ブラックアリゲーターは顎の裏から腹から尻尾に掛けて白いですが、あれは黄色でしたから。
大きさも段違いに大きいし。
属性矢を使えないフランソワは苦労したと思いますから」
「はい、頭に矢が一杯刺さりましたから。
でも、今回は頭が残ってよかったと思います」と、笑顔で話してくれた。
「実は俺の方も、暴れまわるのでアマンダが言った位置取りに感謝だったよ。
下で戦っていたなら間違いなく大木の下敷きになっていたからな」
「そう言ってくれるのは嬉しいんだけど、まだ向かって来るなら久しぶりに少し本気を出そうかと思っていたら、引いてくれるから良かった」と、アマンダが言う。
「僕の方は特に問題はなかったから、フーの方が危なかった?」
「いやそう言う分けじゃないのだが、経験の差なんだろうな。
スーは平気そうだったから」と、言う俺にスーは喜んだ。
「まぁね、いろいろ経験してきたからね」と、自信満々だ。
今回も食事代は強引にフランソワが支払い、そのままギルドへ直行した。
「買取をお願いしたのだけど」と、言うアマンダに受付のお姉さんは、「ギルドマスターが用があるそうですから、丁度良かったです」と、言い受付のお姉さんも一緒にギルドマスターの執務室に来た。
「よく来てくれた。
この間の報酬を渡そうと思っていたんだ」と、笑顔で歓迎してくれた。
「手数料を引いた、二匹分の料金だ」と、言い70万ビィを貰った。
「今日は買い取ってほしくて来たのですが、メンバーが知らない魔物です」と、言うアマンダにギルドマスターは「あなた達が知らないとは」と、興味を持った。
「で、どの様な物なんだね」
「ブラックアリゲーターによく似ているのですが大きく、私の知る特徴と一致しないのです」と、アリスが言うから直ぐに解体棟に移動した。
受付のお姉さんも興味が出て一緒に付いて来た。
「誰かフレディーを呼んでくれないか」と、言うギルドマスターに作業員が直ぐに責任者のフレディー呼んでくれた。
「やぁ、こんにちは。
それで今日はなんだい」
「フレディー、面白い物が見られそうだが、私は分からないのだ」
「あの台に置きましょうか」と、アマンダが何時もの台を指差して聞いた。
「うん、其処で良いよ」
「私は狭いと思いますよ」と、面白そうにアリスが言う。
「じゃぁ出しますよ」と、言ってアマンダが台に出すと、頭と尻尾が大きくはみ出した。
「なんだこれは!!!
私はこんなものは見た事がないぞ」と、言うギルドマスターに同行して来た受付のお姉さんは驚き悲鳴を上げ震えはじめた。
その悲鳴が良い感じに響き、他の作業員達の注目を集めた。
「お前分かるか?」と、ギルドマスターが観察しているフレディーに聞いた。
「俺の知る特徴に一番近いのがブラックアリゲーターですが、これは違いますね。
腹の部分の色もですが、この歯の生え方は別物ですから。
何方かと言うと、カイマン種に近いですよ」と、フレディが凶悪な歯を指さした。
「しかし、傷が一つも無い完全な状態か、凄いな。
さすがはゴールドクラスの冒険者パーティーだ」
フランソワは改めてその大きさに驚いていた。
「買取希望だったな。
とりあえずは1匹だけ買い取ろう。
1000万ビィでどうだろうか。
了解して貰えるなら、今からギルド本部へ送り詳しい調査を頼もうと思うんだが」
「相談させてください」と、アマンダが言い集まった。
「皆どうする。
問題は私たちの事だよ」
。。。。。。
「決まりました、金額はそれで良いです。
問題は私たちの名を出さないで欲しいのです。
ギルド本部を離れる時に色々ありましたから」
「可能な限り善処するが、もうギルド本部は知っていると思うよ」
「それは、一体どういう事でしょう」
「この間のグレタードレイクの血だよ。
あんな高品質な物を入手出来るパーティーは限られているからね」
「あぁ、そうか」と、アマンダが納得した。
「仕方ないね」と、スーが言うが、本当に仕方がないのだ。
1000万ビィ受け取りフランソワに帰った。
フランソワに帰ると俺は夕食の準備に取り掛かった。
スキル有言実行に相談したところ、一番大きな鱒でステーキを作り、頭と骨の部分を煮込み、それでスープを作る事が出来ると教えてもらった。
プリプリの鱒をよく見ると、虹色に光るその魚体にステーキに期待が持てた。
早速腹を割き内臓を掻きだして、指示道理に輪切りにして塩コショウとハーブも使った。
鍋にほぼ入るだけのお湯を沸かして、大きな頭を小さく切り、使わない残った尻尾に近い部分も入れて煮る。
途中でスキルが言うにはアクが出るので、アクについてスキルに聞いた。
スキルが言うには小さな泡のような物だと言うのでよく分かったし、ぞれを取り除いた。
鍋の中が沸騰しているせいか、取っても取ってもアクが出てくるので、意地になって取っていると半分近くまでスープが減ってしまった。
不安になってスキルに聞くと、スキルはそれで良いと言うので、そのまま放置する。
鱒の切り身はステーキにするので、焼くだけになった。
付け合わせは王都で買ったギリンを今回も使った。
他は王都で買ったパンとイチゴジャムを用意した。
スープは頭と骨に尻尾の部分を取り出して、スパイス2種類と塩で味を調え完成した。
初めて味見をしてみたが、魚の臭みがない澄んだ黄金色したスープは良い味が出て美味しかった。
皿にステーキを置いて、上からバター片を載せると良い感じに溶けて美味しそうになった。
俺が、完成品をワゴンに収納して、食卓に来ると皆は笑顔で待ってくれていた。
「今夜は鱒のステーキと、鱒からスープを作った。
後はパンだ」
歓声が上がった。
早速席に着いて食べ始めると、皆が美味しいと感想を聞かせてくれた。
俺も変わった色をした鱒のステーキが美味しくて、この前食べた紫鱒よりもおいしいと感じた。
問題のスープの反応は、これも美味しいと高評価だった。
今夜はパスタまで手が回らなかったので、パンを4個付けたが、美味しいから次からは、量を増やしてして欲しいと、嬉しい注文が来た。
食後俺がお茶を入れて、スポンジケーキを皆で食べた。
今夜はスーの他にメイも厨房にやって来て、スープに使った鱒の頭と内臓を結界に閉じ込めてくれた。
「黒い森に行ったら、アマンダに燃やしてもらおう」と話した。
スーがクリーン魔法を唱えてくれ、後は皆で温泉に入るだけになった。
如何だったでしょうか?
セイントフォー狩り風景は?
今回の狩りで仕留めた魔物は、後に新種と認定されます。
楽しめた、面白かった、と思われるなら作者冥利に尽きます。
次回はフーが変身します(笑)
次回は水曜日になります。
どうぞご期待ください。
何時もの時間にお会いしましょう




