冒険者ー12
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やる気がみなぎります。
本編は、フーとセイントフォーの日常です。
フーは改めてセイントフォーの食欲に驚きます。
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それではお楽しみください。
昼食はフランソワの行きつけのレストランに行くことに決まった。
「また来ましたよ」と、フランソワが言い店内に入ると、いつもと違う雰囲気に皆が気が付いた。
「何かありましたの」と、聞くフランソワに食事客が答えた。
「お嬢様、槍の勇者が死んだと王都から来た商人が噂話だと言っていました。
それだけじゃないのですよ、あのオルブライトの奴も死んだと、此方は本当のようです」
「それで今からお祝いをしようと話しておりました」と、店主のバリンさんが教えてくれた。
「そうなのですね、なんだか私も嬉しいですわ」と、フランソワが俺の方に向いて言う。
「御席にご案内します」娘に案内されて何時もの席に着いた。
「今日はステーキセットにパスタも付けてください。
後にスイーツとお茶も頼みますね」
「あっ、私くし勝手に注文しましたが、皆様良かったでしょうか」
「私は良いよ」と、言うアマンダの了解で決まった。
「なぁ一つ聞いても良いか」
「はい、何でしょうか」フランソワが不思議そうに俺を見る。
「俺が作る朝食だが、量が少ないのか」
皆のしばしの沈黙の後にアマンダが言った。
「そうね、何方かと言うと、もう少し多くても良いよ」と、言うのを聞き皆は喜んだ。
「なんだ、遠慮なく言ってくれれば良いのに。
分かった、明日からはもう一品増やすよ」と言う俺に、皆は感謝した。
「俺は姉を参考にしたから、済まなかった」
「そう言えば、シーイン様の朝食は、何度か見たが確かに量が少なかったね」
「あっ、来ましたね」、と喜ぶフランソワに「お嬢様、本日のステーキはソースに辛子を少々使っていますから、お口に合えばいいのですが」と、バリンが説明してくれた。
「バリンさん、ありがとうございます。
私くしが飽きるんじゃないかと、そのお心づかいがとっても嬉しいです」と、笑顔のフランソワに店主バリンは喜んだ。
フランソワは注文し忘れたがテーブルには桃の果実水と一回り大きいブドウの果実水が入ったコップがフランソワの前に置かれた。
「私たちのお祝いですから、美味しく食べましょう」と、フランソワが言い、真っ先にスーがステーキを食べると良い笑顔になりこれは本当に美味しいですよと、俺達に勧めた。
ほのかにと薫る辛子のツンと鼻に抜ける優しい刺激と香りと、口の中に残るソースの辛さがとても良く、これならいくらでも食べられそうに感じた。
ステーキを食べ終わると、間を置かず用意されたパスタも絶品だった。
今日のパスタはトマトのソースが主体で、ソースの中に細切れのベーコンとキノコが入っていた。
誰かが、これをフーに作ってほしいと、言っていたが、その言い方は、アリスとフランソワではないから、メイも外していいか。
恐らくスーだと思った。
「うん、機会が有れば挑戦してみるよ」と、スーの方を向き言うとスーが喜んだ。
漸く俺にもメンバーの事が分かるようになった様だ。
美味しく食事が終わり、今日のスイーツはバームクーヘンが出てきた。
バームクーヘンは俺の大好物なのだ。
良く知るアマンダが、俺が食べるのを面白そうに見てみて、「これはフーの大好物なのよ」と、皆に教えた。
「俺はこのようにクリームが載ったりしない、シンプルなのが良いんだ」
「僕は中が空いているから、微妙だね。
何時も思うんだが、真ん中迄詰まっていると良いんだ」と。
「メイ は面白い事を言うわね」と、アマンダが言った。
「この穴は、棒を通してグルグル回して作るんだよ」
「それでもね」
「そう言えばまだフランソワから美味しいスイーツのお店を紹介してもらってないですね」
「そうそう、今アリスが言ったけど、フランソワに頼みましょう」と、アマンダの一言で、次に行く店が決まった。
今回もフランソワが強引に払うと言うから、「あまり会計で揉めるのは、貴族らしくないぞ」と言う俺に「貴族だから私のお任せください」と、今回もフランソワが支払った。
「おい良いのか、お前は無駄遣いするよりも金を貯めて邸を買い戻せよ」と、言うと、「これは必要経費です」と言いだした。
「ついでだから冒険者ギルドへ行ってみませんか」とアリスの提案で冒険者ギルドへ来た。
俺達を見つけた受付のお姉さんが、カウンターを出て良い笑顔で挨拶をしてきた。
「丁度良かったです。
ギルドマスターが会いたいそうです」
受付のお姉さんについてギルドマスターの部屋に来た。
「会えて丁度良かった、領主様に頼もうかと考えていたところだよ。
それで、今日は素材を販売した分を手数料を引いた代金を払いたいのと、もう一点は、グレータードレイクの程度の良い奴を2匹買い取りたいんだ。
出来れば、血も有れば良かったんだがな」
「血は僕が持っているよ。
これで良いだろうか」と、言って、ギルドマスターの机に瓶型に作った結界に入ったものを5本出した。
「これは変わった容器に入っているが、実に素晴らしい」と、言い会計責任者と買取責任者を呼んだ。
「クーはこれを見てくれ。
グレータードレイクの血だそうだ」と、言う前からギルドマスターから手に取って見て、次に明るい窓に透かして見た。
「どうだ」
「これは保存が実に素晴らしいですよ。
私が習ったのでは、日にちが経つと血が濁ってくるのだが、これは濁りが一切無い。
これなら、1本300万ビィで買い取れますよ」
「そうか、これは素晴らしいじゃないか。
ところで、中の血はどうやって出すんだ」
「ここを指で押すと簡単に蓋が開くから」
続きを待ったが、それ以降メイが何も言わないので、ギルドマスターは了解した。
「では、5本買い取ろう。
これで当ギルド支部も箔が付くから大助かりだ。
それと、グレータードレイク2匹の代金も合わせて2250万ビィだ」
と、ギルドマスターは会計責任者の方を向き言った。
奥へ引っ込んだ会計責任者が大きな皮袋を2つ持って入って来た。
「うちの様な規模が小さいギルド支部では、大金貨の持ち合わせが少ないんで、嵩張るが勘弁してくれ。
数えるか」
皆がアマンダの方を見ると「良いですよ、長い付き合いになるんで、互いの信頼がその一歩と思いますから」と、良い笑顔で微笑むと喜ばれた。
「拠点に直に出向く様な無粋なことはしないから、適当な時にギルドに顔を出してくれるか」
「はい、分かりました」と、アマンダが喜んだ。
「血なんだが、本部が王都の貴族の間で急に需要が出て、広く各ギルド支部から買い集めているんだよ。
何でも卒中の特効薬の材料になるとかでな。
私は初めて知ったんだが、もしかの時に持っておきたいのだろか。
噂を聞いただろう、オルブライト公爵が死んだ、それで需要が急に出たんだよ」
「そう言う事でしたか。
また、狩る時が有れば気を付けます」と、アマンダが答えて部屋を出た。
直ぐに、アイテムボックスに大金を収めた。
その足で俺達は解体棟に来た。
「こんにちは、ギルドマスターからの指示で、グレータードレイク持ってきました。
フレディーさんは」と、言うアマンダに、横の壁際から「今呼んでくるから待ってほしい」と、作業員が言いドアの奥へ行った。
「いや、すまんね」と、良い笑顔で出てきたフレディーの白い前掛けは血まみれだった。
経験の差だろうな、フレディーを見たフランソワは真っ青で、何時倒れてもおかしくなかった。
「血抜きはしてあると言うのを信じて解体を始めたら、この通りだよ」と、笑っていた。
「持ってきてくれたんだな、あの台に1匹置いてくれ。
もう一匹は、取り合えず今はあっちに頼むよ」
「じゃぁ、ここに置きますね」と、言い台の上に置くと、今回も台からはみ出した。
次に、指示を受けたところに置いたが、どれも測ったように大きさに差が無いのだ。
「アマンダ、俺に一匹くれないか。
フランソワが倒した奴で良いから」
「良いよ」と、言うので、俺がフレディーに頼んでみた。
「フレディーさん、今から出すグレータードレイクを解体してもらえませんか。
少しだけお肉が欲しいのですよ。
残りはフレディーさんの好きにしてもらって構いませんから」
「おい、本当に良いのか。
俺達も解体はするが、全て王都の商会に卸すから、肉に興味があったんだ」
「おい、皆して此奴をどけろ」
「フレディーさんの指示だ、取り合えずフックに吊るして運ぼうぜっぇ」
直ぐに台が空き「出してくれ。
俺が責任をもって解体するからな」と、言ってくれるので頭がないグレータードレイクをアマンダが出した。
「皆、来てよく見ろ」
「これは凄いぞ」と、皆が口々に感想を言っている。
フレディーは俺達に向き直り「眼球と牙がないが、後は完璧じゃないか。
無傷のを見るからだが、これでも十分綺麗だよ。
本当に良いのか」
「はい、一部を貰えると後は好きにしてください」と、俺が言うから皆に喜ばれた。
直ぐにフレディーの的確な指示で、皮が剥かれた。
「各部位を渡すからあとは自由にしても良いか」
「はい、それで良いです」
「じゃ、ちょっと待ってろ」
フレディーの指示で、直ぐに各部位が解体されて、俺は良い所を優先的に貰った。
「では後はよろしく頼みますね」と微笑んで解体棟を出た。
「皆はどうする。
俺は食材の買い足しに市場に行きたいんだが、フランソワ、案内を頼めるか」
「はい、お任せください」と、笑顔のフランソワに、皆も一緒の同行することに決まった。
フランソワの案内で行った市場は、夕方が近いためか多くの人で賑わっていた。
彼方此方で「アレを見てみろよ」と、小声で言っているのが聞こえた。
「お野菜はこの列から始まり6列あります」と、フランソワの案内で見て歩き、俺は目に付くものを買った。
「お嬢様何時もありがとうございます」と、店主が言いだし、「次は俺の店の番だな」と、隣の店主が言いだした。
「次はあなたの店に行きますよ」と、微笑むフランソワにその場にいる買い物客も店主たちからも喜ばれた。
「フランソワ、次はスパイスだ」
「スパイスはあっち列です」と、案内されたのは、市場の端の方だった。
スパイスよりも先に目に付いた筒状の物を興味をもって見ていると「これが気になるのかい。
これは、スパイスを粉にするものだよ。
この様に既に粉になっている物よりも、使う度に粉にする方が香りが立つからね」と、女将さんが説明してくれた。
(女将の説明は本当か)
(はい)
「種類ごとに今から買うスパイス分をください」と、言うと喜ばれ、スパイスが高いことを俺は初めて知った。
女将から使い方の説明を聞いて俺達は市場から帰る事にした。
フランソワから市場について聞きながら邸の帰ると、領主付きメイドのトウデが俺達の帰りを待っていた。
「漸くお帰りですか」と、微笑みを見せた。
「トウデさん、何事でしょうか」
「旦那様がそちらの赤い髪のお嬢様に御用があるそうで、迎えに来たところです」
「じゃ、皆で行きましょうか」
「いいえお嬢様、今回はあなた様だけお呼びです。
御同行をお願いします」と、慇懃に言うからフランソワが少し怒った。
「まぁまぁ、皆は食事をしてしてください。
用が済むと直ぐに帰ってきますから」
「フーがそう言うのなら邪魔はしないで待ちましょう」と、アマンダが言ってくれた。
「では、行きましょうか」と、言うトウデの後をついて歩いていくと、角を曲がると領主の馬車が待機していた。
如何だったでしょうか?
フーの仕事の成果がスコット市民に知れ、槍の勇者とオルブライト公爵の死が知れました。
毎回食事代を払うフランソワ良いです(笑)
楽しめた、面白かった、と思われるなら作者冥利に尽きます。
次回はフーに新たな仲間が加わる、その前段階の話になります。
次回は土曜日になります。
どうぞご期待ください。
何時もの時間にお会いしましょう




