冒険者ー8
本編は主に黒い森での狩りが主体になります。
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それではお楽しみください。
初めてかもしれないが、今朝は誰よりも早く俺が起きたと、思ったがメイが居なかった。
まぁ良い、今朝は俺が早く起きたことに変わりはないからな。
と、勝手に都合よく考えて応接室に行くと、応接室から見える庭にメイが居るのが分かった。
俺は早く起きたが、そこでフト思った。
することが無いのだ、何も浮かばないから困った。
応接室の中を歩き回って、二度寝はさすがに目がさえて無理そうなので、腹も減ったことでとりあえず食堂に入った。
そうだ、朝食を作ろう。
皆に美味しい朝食を食べさせたいと思い、使った感じがしない厨房に入った。
(朝食を作ろうと思うのだが、俺でも作れるだろうか)
(可能です)
(何が良いと思う)
(火の魔石が使えるなら、串焼きから肉を外して焼き直す。
もう一品は、串焼きから外した、小さい魚をタップリのスープで煮ます。
後はパンで良いでしょう)
(ありがとう、やってみるから困ったときはアドバイスをくれ)
火の魔石を作動させて、網を用意して肉と野菜を交互に刺した串焼きからそれらを外して、網の上に次々並べて、赤くなった魔石の上に置いた。
次はスープだ。
用意しておいた鍋にコンソメ風のスープを入れて、小さな魚の串焼きから魚を外して、スープの中に入れた。
使い道に困った小さな魚の串焼きだったが、これは良いと思った。
網焼きの加減を見て、後はスープが魚が柔らかくなるまで待つだけの簡単料理なのだ。
「あれぇ~美味しそうな匂いがしていると思ったらフーが作っているのね。
何か手伝おうか」
「おはようアマンダ。
今は様子見だからもう少し後で頼むよ」
「分かったフー、この下着はとっても良いよ。
ありがとうね」と言いアマンダは朝の素振りを始めた。
次に来たのはフランソワだ。
「フーさんおはようございます。
アマンダさんは?」
「アマンダは素振りをしているぞ」
「ありがとうございます、今朝の朝食が楽しみです、美味しそうな匂いがしてきますから」
「早く起きたと思ったら、今朝はフーの手料理が食べられるのね。
ねぇアリス、美味しそうな匂いがしてるよね」と、言い様子を見てた。
「フー、おはよう。
僕も何か手伝おうか」と、メイが俺の隣に来た。
「うん、まだいいよ」
(スープは火からおろしても良いです)
(そうか、ありがとうな)
(焼き物も良い感じに仕上がっています)
(そうだな、ありがとうな)
では、これらを小分けしてトレーに載せてと。。。
うん、初めてとしては上出来じゃないか。
(ありがとう)
俺は食堂に顔を出し「用意が出来たぞ。
皆席に着いてくれ、今から持ってくるからな」
俺が皆が座る前に2品の料理を置いた。
その次に、王都で買ったパンも付けた。
次に、桃の果実水も出用意した。
「フランソワのはこれだ」と、言い一回り大きいのにした。
喜ぶフランソワを見ていると俺の方も嬉しくなってくるから不思議だ。
「これで全部だ。
味の保証は出来ないが食べてくれ」
「フー、どれもが美味しいよ。
無理を言うが、これなら毎日でも良いよ」と、アマンダが喜んでくれた。
「僕も毎日フーの料理が食べたい」と、食通と聞いていたメイが言ってくれた。
「私は食べるだけで本当に申し訳ないです。
でも毎日食べたいです」と、フランソワが言うし、アリスも「美味しいです。
明日もよろしいでしょうか」
スーは「美味しい」と言い一番に完食した。
「皆ありがとう、毎日は無理かもしれないが、毎日作ることを目標にするよ」と、言うと皆は期待していると言ってくれた。
こんな嬉しい事はない。
(頼りにしても良いか)
(お任せください)
「後は私に任せてね」と、スーが言うから任せ、俺はスーの近くで興味を持ってみた。
スーは各自の食器をスープを作った鍋に入れて、最後に鍋の上に肉を焼いた網を置いた。
そして「見てて、クリーン」と魔法を唱えたところ、薄緑色の光が発生して鍋も食器もスプーンも網、全てが新しくなり鍋は光り輝いていた。
「凄いじゃないかスー、俺は感動したよ」
「これも治癒魔法の応用だから、別に大した事はしていないよ」
「いや、十分大したことだ。
毎日の洗い物がこれで助かるから」と、俺は喜んだ。
「そうだ、フーにもクリーン」とスーが唱えた。
「うん、何でだ」
「これから黒い森に行くでしょう。
美味しそうな匂いがすると、魔物が寄って来てフーが餌になると思った」と、面白そうにスーが言った。
「一応壁の外に出てから、フーの転移で行くよ」と、アマンダの指示で歩いて壁の外へ来た。
直ぐに俺が転移を使って、マンブール市の壁の近くに来た。
「俺が連れて来られるのは、今朝は此処迄だ」
「ありがとう、少し引き返す事になるが行きましょう」と、アマンダが言うので行動開始だ。
「スーは俺にポーションを頼むよ」
「はい、これ。
1瓶で良いの」
「うん、これで良いよ」
パーティーのフォーメーションは、先頭をアマンダとフランソワが歩き、その後ろにアリスとメイで、俺とスーになった。
「フランソワはそう緊張するな。
スキルはどれも完成しているのだから、全くの初心者とは違うからな」
「はい、今日が初めてですから」
「フー見える。
あの建物が冒険者ギルドの出張所だから、私たちは此処から行くよ。
皆付いてきて」と、言うアマンダに付いて、二列のままで林の中に入った。
「俺は鬱蒼とした森を連想したんだが、意外に普通なんだな」
「フー、油断しないで。
直ぐにフーが言う森になるからね」と、スーが教えてくれた。
「そうだな」
(俺を完璧に守ってくれ)
(常時完璧に守っています)
(そうかありがとう)
(俺にアドバイスをくれ)
(心得ています)
(そうだったな、ありがとう)
「アマンダ、僕が前に出ようか」
「そうね、これも経験だから、私が後ろへ下がるからメイが前に出て、フランソワを守って」
「分かってるよ。
フランソワは僕が守るから」
「はい、宜しくお願いします」
「アリス、状況は?」
「今はこっちに向かって来る魔物はいないです」
「後ろは?」
「後ろも大丈夫、居ないから」
「メイが居るから、フランソワは投擲の準備を。
最初は近接戦よりも遠距離の方が良いでしょう。
でも、加減はしてね」と、アマンダが指示を出す。
「アマンダ、いざとなったら僕がやるよ」
踏み跡が怪しくなった頃から、左下に小さな川が流れていた。
入口から比べるとまだ林ではあるが、見透せる距離が短くなった。
それに、空も木々に隠れて来た。
「フー注意して」と、スーが言った。
「メイ、見えるでしょう。
あの先のカーブ、あそこから中に入りましょう」と、アマンダの指示が出る。
フランソワが緊張してくるのが、後ろを歩いている俺にもよく分かった。
「アリス、どう?」
「ここからだと、遠くに何かの集団が居るんだけど、今は留まっています。
行きますか」
「向きは」
「彼方です」と、アリスが手で方向を示した。
そして「風向きが良くないですね」と、言い添えた。
「悪いがアリスはそのまま周囲の警戒をして。
皆は此処で休憩にしましょう。
今休んでおかないと、後が厳しくなるからね」と、アマンダの指示で、皆はメイの結界に車座に座った。
そして、俺を見る。
「俺か、じゃぁブドウの果実水だ。
フランソワは沢山飲むから、今日はこれだ」と、フランソワの前にモニカレイが開発した木筒に入れたブドウの果実水を用意して、思い直し皆のも木筒に入れたブドウの果実水を用意して、串焼きとパンにした。
「さぁ食べてくれ」
「俺が居ない間は、アマンダがやっていたのか」
「うん、泊りがけが続くんで、何時の間にかフーの舘から持って来た食料が無くなったんだ」と、残念そうに言う。
「スーにはメイの結界が張ってあるんだよな」
「うん、だから大丈夫だよ」
「フーにも張ろうか」
「俺はいいよ、メイは魔力を温存してくれ」
「おい、フランソワ。
どうした、何時ものお前らしくないぞ」
「そうなんでしょうね。
皆さんの様に落ち着けませんわ、これが経験の差なのでしょうね」
「皆さん、先ほどの集団が移動を開始しました。
どうも此方へ来るようです」
「皆、聞いたわね。
準備をしてよ」
「フランソワは、見つけると適当に投げて。
出来れば加減してね」
「はい、分かりました」
「俺達の匂いに気づいたんだな」
「アマンダ、此処は場所が悪くないか」
「フーは黙ってて」
「スー悪い」
「フー、此処が良いよ。
此処で迎え撃つから、みんな準備して」
「「「「「分かった」」」」」
「もう直、先頭の集団が来ます」
「あっ、私たちは囲まれました」と、嬉しそうなアリスだ。
「アマンダ、後ろは任せてくれ。
俺がスーを守るし、大丈夫だから、アマンダは前を頼む」
「良いわ、アリスは右と前、私は左と前、メイとフランソワは前ね。
メイ任せるよ」
「任せてよ」
アマンダが構えたショートソードが既に赤くなっていた。
メイは前に結界を展開して準備は終えている。
(俺の前に来る魔物は皆窒息死だ。
頼むぞ)
(了解しました)
「スーは、俺の後ろに、来るぞ」
見えたのは灰色をしたドラゴンをリザードマン並みに小さくした感じの魔物が、軽く見て20匹以上は居た。
(見えた、はじめてくれ)
(了解しました)
「はじめるぞ」と、俺がスーに言うと、俺達に向かって突進してきた魔物は、次々に倒れた。
スーは俺の後ろから、その光景を見て青くなっていた。
「アマンダは小さな炎を纏う剣を軽く振ると、向かって来る魔物の足を炎で切った。
アマンダの一振りで6匹は倒れた。
アリスは青色の矢を同時に3本番え連射して、次々に魔物を凍らせていた。
前を見ると、フランソワが魔物に礫を投げて、頭を粉砕している、その傍らでメイが次々と魔物を結界に閉じ込めては、真空魔法を使い魔物を始末している。
第二陣が俺の方へ向かってきたが、前の死体を超える前に、15匹全てが倒れ泡を吹き死んだ。
「もしかして、俺が用意した串焼きが魔物を誘き寄せたのか」と、スーに聞くと、面白そうに「かもしれないね。
でもこれどうするの。
凄い量だよ」
「皆無事、怪我人はいないよね」と、アマンダが聞いてくる。
「「「「「大丈夫だ」」」」」
「今度は血抜きだな。
数が多いから、夕方までかかるかな」
「フー、大丈夫だよ。
フーと僕が倒したのが一番綺麗だ。
フーは、スーと一緒に倒した魔物に、少しで良いから傷を付けてほしい。
後は僕が血抜きするからね」
「フランソワも僕が倒した魔物に傷を付けてくれ」
「分かりました、私頑張ります」
俺はスーと相談してよく分からないままに、柔らかそうな喉の辺りを短剣で切った。
近くを任せたスーも同じようにした。
メイは何をしているのかと様子を見ると、結界に血がみるみる溜まっていき、俺達はメイが造る血の塊を一所にまとめ、それをアマンダが焼いた。
「アリスはあの魔物を知っているか」
「はい、あれはグレータードレイクですね。
今ので今日は良い稼ぎになりましたよ」と、笑顔だ。
アマンダがアイテムボックスに全部のグレータードレイクを入れた。
「皆どうする。
もう帰ろうと思うのだけど」
「「「「「さんせい」」」」」
「フー、帰るよ。
スコット市の壁の前に転移して」
「分かった、皆俺の周りに来てくれ」
一瞬で壁の前に出た。
入市の列に並び「解体はギルドに頼もうと思うのだけで、それで良いかな」
「良いと思うよ、僕は価値が分からないから」
「アリス、心配は要らないよ。
僕が少しだけ血を持って帰っているからね」
検問で、早いお帰りだと言われ、フランソワの笑顔が衛兵に喜ばれ、俺達はギルドに直行した。
如何だったでしょうか?
楽しめた、面白かった、と思われるなら作者冥利に尽きます。
次回は黒い森での成果を冒険者ギルドに持ち帰り、ギルドマスターをはじめ皆がセイントフォーの実力を実感します。
次回投稿は火曜日になります。
どうぞご期待ください。
何時もの時間にお会いしましょう




