冒険者ー1
今日から新たな冒険者編が始まります。
フー自身が持つスキル、有言実行の使い方を少しづつ理解していきます。
それから、仕事を再開します。
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それではお楽しみください。
よく朝はスコット家の朝食を家族と一緒に食べて、俺はアマンダ達と別れた。
アマンダ達は拠点に使えそうな借家を幾つかゲイリーさんに教えて貰った。
借家の案内は地理に詳しいフランソワが引き受けた。
スコット家の舘を出て直ぐに別れた俺は、適当に街を歩き、そして壁の外に出た。
適当に昨日来た道を歩き、有言実行に語り掛けた。
(王都の俺が使っていた宿屋近くに転移)と、話しかけると見覚えがある宿屋の前に居た。
俺を気にした者は居なかったんで、さらに有言実行に語り掛けた。
(俺に向けられる悪意・殺意、これらを排除する事は出来るか)
(可能です)と、スキルが答えて来た。
(なら実行してくれ)
女性になって初めて王都の街中を歩くが、この格好は意外に良い。
そう思ったのは、距離にして僅か数メートル歩いただけだ。
その後からは俺を嫌らしい目で見てくる奴らが多く、俺も綺麗な女性や可愛い少女の胸を意識して見た、今は俺が男達の嫌らしい視線を全身に受けている。
これは女性になって初めて分かった事だ。
俺って女性の立場からすると、何と嫌らしい男だったのかと思うと、反省しかない。
そんなことを考えて馴染みの鍛冶屋の前に来た。
「おはようございます。
本日は良い狩り日和だな、店主を呼んでくれるか」と、合言葉を言った。
「はい、どの様な狩りでしょうか」と、合言葉を返して馴染みの店員が店の奥へ素早く行った。
店内に置いてある見本は代り映えがしない、柄の入っていない鍬とか鎌の大小が並んでいる。
それらを見ていると、後ろから聞き覚えのある声がかけられた。
「嬢ちゃん、此処は鍛冶屋だぜ」と、店主が言い、何時の間にか退路が塞がれた。
「おいおい、仕事再開の挨拶に来たのに、ずい分な歓迎じゃないか。
まさか、俺を忘れたわけじゃないよな、おっさんよぉ」
「おい、小娘を奥へ連れて行け」
此処も変わり映えがしない薄い壁板がはまった殺風景な応接室だ。
「俺だよ、たったの一月足らずでもう忘れたのか。
王都を出る時にわざわざ挨拶に来てやったろう」
「えっ、お前あの若造か。
その恰好はまたスゲェな。
で、今日の仕事は俺達にサービスしに来たのか」
「そんな訳があるかよ。
俺は同性は趣味じゃないからな」
「まぁ良い、座れよ。
立ち話より時間が掛かるからな」
「良いぜ、今日は仕事の再会の挨拶できたんだ」
店の奥はほんのり温かいから、奥のほうで鍛冶屋は今もやっている様だ。
「さて、お前さんに依頼が二件来ているが、どうする」
「その前に相談なんだが、これからは前払いで全額くれないか」
「それは、一体どういう事だ。
お前さんだけ特別扱いは出来んよ、分かるだろう」
「あんたの言う事はよく分かるんだが、俺も何度も王都に来るのは面倒なんだよ」
「お前さんが今何処に住んでいるかは知らないが、決まりは決まりだ」
「やはりそうなるよな、仕方ないか」
「今7000万ビィの仕事が有るが如何する、受けるか」
「7000万とはえらい高額じゃないか。
相手を聞いても良いか」
「まぁお前さんなら良いだろう。
相手は槍の勇者だ、どうだ、引き受けるか」
「おい」と、店主が言うと何時もの神経質そうな店員が、前払い金を持って来た。
「引き受けよう、と、言うよりも彼奴は俺が殺したからな。
今全額くれても良いんだぞ。
その内噂が王都にも届くだろうが、彼奴は全身が腐って死んだ。
腐って死ぬんで悪臭もするだろうがな、とっても酷いのがな。
これでどうだ、覚えておいてくれよ」
「おい、今のは本当の事なんだな」
「ああそうだ、俺が殺したからな」
「おい、行け」
「それなら、こっちも受けてくれないか」と、店主が言い俺に渡された書類は、弓の勇者だった。
「これは俺には無理だ。
彼奴は感覚かなんか知らんが恐ろしく鋭いからな。
俺は射殺されるところだった」
「お前さんが出来ないんじゃ、俺の組織じゃ無理と言う事か」と、期待が諦めの深いため息をついた。
「諦めてくれ、まだ俺は死ぬわけにゃいかないんだ」
店主から最近の王都の状況を聞いていると昼近くになって、店員が帰って来た。
店主に耳打ちして、店主の「そうか」と、言うのを聞いて、奥へ入っていった。
「で、どうだった。
全身が腐って死んでただろう。
まぁ、言ったように腐るんだから悪臭もしたとは思うけどな」
「あぁ、お前さんの話に間違いはなかった。
お前さんは本当に凄いな、また頼むぜ」と、良い笑顔になった。
「はい、後払いの報酬です。
ご確認されますか」
「いや、それは良い。
全額あると信じているからな」
「何度も言っているが、俺の棲み処などの詮索は無用だ、絶対にするなよ。
今迄は王都に住んでいたから控えたが、今度からは死んでもらうからな。
お前等だけでなく、上も絶対に死んでもらう。
その時は、槍の勇者をやった様に初めは男のあれが腐り、それが全身に広がるんだ。
如何だ凄いだろ、意識がありながら、腐って悪臭を放つ我が身を嗅いで哀れみながら、ゆっくり時間をかけて死ぬんだ」
「あぁ、これからは徹底させる、済まなかった」
「分かってくれるなら良いんだ。
この良い関係を長く続けたいからな」と、言い俺は店を出た。
「おい、聞いたな。
監視を今直ぐ引き上げさせろ。
これは命令だ」
「ですが、たかが若造の脅しに、我々国王所有の暗部が何故屈するのですか」
「良いから、お前は俺の命令に従え」
「良いな、奴を絶対に怒らせるなよ」
俺は店を出て中央通りに有る屋台街に直行した。
ブドウの果実水が欲しかったが、ついでに桃の果実水も買った。
丁度腹も減ったので、目に付いたレストランへ入った。
確かここは初めての店だ。
「いらっしゃいませ、お席はあいにくですが今は相席になりますが」
「個室は空いていますか」
「はい、個室は。。。あぁはい、個室は空いてはいますが。。。」
「じゃ、個室を」
「承知いたしました」と、受付の女性が合図をすると小太りの老紳士がやって来た。
「此方のお客様を個室一号にご案内願いします」
「これはお客様、当ガストロンへをお選びいただきありがとうございます。此方からです、御足もとにご注意ください」と、マイペースで言い案内された個室は10人でも十分広すぎた。
「メニューは此方に」と、手渡された分厚い見開きのメニューから俺はステーキセットにした。
飲み物はブドウの果実水にした。
まぁ、しょうがない、此処しか個室に空きがなかったんだからと、自分に言い聞かせ部屋の中を見た。
確かに広い、広すぎだ。
俺は入口から一番遠い席に着き静かに待っていると、ノックする音がし品の良い制服を着た女性がステーキセットと果実水を運んで来た。
「食後にお茶を用意してください」
その女性は了解し、「食事が終わるとこれを使いお知らせください」と、言い部屋を出た。
色々する事があるが、先ずはステーキが冷めないうちに食べた。
この店は立地に似合わない、高級店で味も悪くないしとにかく美味しい。
良い店を見つけたと思うと嬉しくなった。
食後はお茶を飲みながらゆっくり寛ぎ、スキル有言実行に語り掛けた。
(呪いについて、時間の短縮は可能か)
(どの様な効果を期待されているかにより、時間は短縮できます)
(効果を付けないと呪いは発動しないと)
(はい、そうですね)
(では聞くが、効果は窒息死でも可能なのか)
(はい、問題はありませんし、一番時間が短いかと)
(そうか、ありがとう)
(もう一つ、有言実行で同時使用が出来るスキルの数は)
(経験によりますが、あなたの場合は無限に常時発動できます)
(では、常時俺の身を守る様にしてくれないか)
(それから、俺の周囲の誘拐と殺意の探知、これを常時使いたいが)
(範囲の指定がありませんので、現段階では使用不可)
(俺の周囲500メートル内の誘拐と殺意の探知)
おぉ、これは凄いと、思わず声が出た。
アリスは何時もこんな感じで見えているのかと、思うとアリスの凄さに感動した。
如何だったでしょうか?
楽しめた、面白かった、と思われるなら作者冥利に尽きます。
次回もフーのスキル、有言実行の続きです。
次回の投稿は火曜日になります。
どうぞご期待ください。
何時もの時間にお会いしましょう。




