逃亡ー33
フーとセイントフォーはスコット家の舘に着きます。
スコット家族から歓迎されますが、フランソワの一言が。。。
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それではお楽しみください。
「あっ、あれってフランソワお嬢様だよな」
「そうだな、お連れがいらっしゃるから今はそっとしとこうっぜ」と、話している青年の声が聞こえて来た。
「フランソワ、お前も人気者なんだな」
「そうでしょうか、私はこれが普通と思っていますけど。
よく分かりませんね」と、俺の方に向かって言った。
「さぁ、皆様着きました。
このレストランが私のお勧めであり、行きつけのとっても美味しいお店ですよ」と、言いフランソワは店内に入った。
俺達もフランソワに続いて店内に入った。
レストランバリンと書いてあった。
「まぁ、これはお嬢様、大変でしたね。
私等はお嬢様の無事を願っていました。
本当に良かった」と、店内の誰に話すのではなく店中に聞こえるようにトレーを持った男が話した。
「さ、お嬢様とお連れの皆様は、お嬢様何時ものお席で宜しいでしょうか」と、給仕の娘が聞いた。
「はい、それで良いですよ。
では、皆さまは此方へ」と、フランソワに促されて奥の席へ行った。
「そうだ、席を広くしようか」と言う俺に、フランソワがテーブルを動かして、ついでに椅子も用意してくれた。
「これなら十分ですね」と、言うフランソワに皆が驚いた。
「紹介しましょうね、此方がレストランの店主、バリンさんです。
皆様メニューですが、今日は私にお任せください」と、言い、「バリンさん私のお気に入りとパンは何時もので。
あと、食後に本日おすすめのスイーツも」
「お嬢様、お飲み物は如何しましょうか」
「俺は有ればブドウの果実水を」と、言うので、バリン店主が驚いた。
「はぁ、はい」
「私たちは桃の果実水で」と、アマンダが言う。
「私はブドウの果実水を沢山持ってきてくださいね」
「はい、お嬢様、承知しておりますから」と、嬉しそうにフランソワから注文を聞いて奥へ行った。
「お待たせしました。
此方がお嬢様お勧めの牛ヒレ肉を使ったステーキです。
付け合わせの野菜サラダとコンソメスープに黒パンです。
お嬢様、本当に黒パンで宜しいのでしょうか」
「はい、私は黒パンが大好きですから」と、喜ぶフランソワ。
給仕の娘がブドウと桃の果実水運んで来た。
「ではごゆっくり、食事をお楽しみください」と、バリンは言い去った。
「フランソワって何気に庶民的なんだ」と、スーが面白そうに言う。
そしてステーキを一口食べて、「これは美味しいよ、こんなのは初めてだ」と、言うとフランソワが喜び俺もだが、牛のステーキが本当に美味しいから驚きだった。
アマンダとアリスが言うには、魔力を持つ魔物の肉が動物よりも数段美味しいし、美味しくなる季節はないが、動物は美味しくなる季節が有るし、魔力を持たない動物は基本的に味が劣ると教えてくれた。
アマンダとアリスの説明を聞いたフランソワは大喜びで「この肉はスコット領の特産品で、魔物の被害も受けますが、基本牛も羊も放し飼いです。
フーさんと登った山ですが、あそこもその内に牛か羊が放されると思います」
「そうそう、この黒パンは柔らかいですから」と、言うのを聞いて俺は笑い出した。
「黒パンの何が可笑しいのよ」と、スーが聞いてきた。
「それはな、初めて俺とフランソワがご飯を食べる時に、迷った俺があの初心者冒険者の食事を用意したんだ」
と、話すと顔赤らめたフランソワが、「フー様、その話はもう止めませんか」
「いいえ、聞かなければ、フーは詳しく」と、スーが言いアマンダもそうだと首を縦に振るから、俺は喜んで話した。
「初めに干し肉を見ていたフランソワが、肉の筋に沿って小さくちぎって食べるんだ。
塩辛いと感想を言い、用意した水を飲み、残りをフィンガーボールと勘違いして指を洗った。
その次にパンを手に取り、小さく食べやすいように千切ろうとしたが、あの固いパンは折れないし千切れないので、フランソワはパンにかぶり付き、両手でパンを引きちぎったんだ。
その時の嬉しそうな顔がなんとも言えなかったな。
その時、俺に見ないでくれと言うから、見なかった事にしたんだが、朝だったか昼に、俺が説明するとようやく納得したんだ。
その時の硬いパンと黒パンの色が良く似ているんだ」
「そう言われると、外側の色は似てるよ」と、メイが言う。
「もう、フーさんは意地悪ですから」とフランソワが言うから、「仲間に隠し事はしない方針なんだ俺はね」
「皆が笑い出した。
「おかしなことを言ったつもりは無いんだがな」
美味しい食事に色々話が盛り上がっている時に、一人の青年が俺達のテーブルに近づいて来た。
「やはり此処だったか。
もう良い時間だから、家に帰ってもいいんじゃないのか」と、言ってフランソワの前に立った。
「あっ、ウォーカーお兄様。
無事に帰ってこれました。
これもフー様をはじめセイントフォーの皆様の助けがあったからです」
「そうか、お前は無一文だろうからと、金を持ってきてやったぞ。
失礼をお許しください。
フランソワを助けていただいたとか、本当にありがとうございました。
今は私が父に成り代わりお礼を申し上げます。
この通りです、本当にありがとうございました」と、言いウォーカーは頭を下げた。
「そんな宜しいのですよ、頭をお上げください」と、俺が言った。
「では、父が首を長くして待っておりますから、先ずは屋敷の方へご案内させていただきます」
フランソワのスコット家は規模は辺境伯家の舘には及ばないが、内装はひけを取らないし、豪華な調度で溢れていた。
当主のゲイリー・スコット子爵は妻のジャニスと一緒に玄関で俺達を待ってくれていた。
「おぉ、よく無事で帰って来てくれた。
ルジン谷で馬車を発見した時は捕まったと思いもう諦めたが、本当に良かった」
「そうですよ、無事なあなたの姿をまた見ることが出来て本当に嬉しいですから」と、涙を浮かべてジャニスも喜んだ。
「それでフランソワ、そちらの美しいお嬢様方を私達に紹介してくれないか」
「はい、馬車が襲われて、私も毒を飲んで死のうと思ったのですが、そのあと一歩の勇気が出ずに震えている所を、此方のフー様に助けていただきました。
その後はフー様と一緒に、カルフーン辺境伯領のマンブール市まで逃げたのですが、そこで槍の勇者に遭遇しましたわ。
槍の勇者の目的は、私同様にモニカレイ様を手に入れる為とかで。
私はフー様のお友達の冒険者パーティーセイントフォーの皆様に出会い、冒険者になるつもりです。
その日は防具を買いに行った帰りに、槍の勇者を遠くから見ました。
その後いろいろあって、こうして家に帰ることが出来ましたわ。
詳しい話は夕食後に改めてしたいと思います」
「まぁここでの立ち話は命の恩人の皆様に失礼ですよ。
さぁ、中へお入りくださいませ、お茶の用意をさせますから。
トウデ、頼みますね」
「はい奥様、奥様のとっておきもご用意いたします」と、トウデと呼ばれた若いメイドは奥へ行った。
「では、私たちは此方へ」と、ゲイリーに促されて賓客をもてなす豪華な応接室へ案内された。
ゲイリーに勧められソファーに座ると、直ぐにドアを叩く音ともにトウデと呼ばれた女性を連れた中年のメイドが入って来た。
中年のメイドがお茶とお菓子を給仕して退室した。
次に執事が良い笑顔で入って来て、俺達の前に山積みにした金貨が乗るトレーを置いた。
「これは私からのお礼だ。
どうか受け取って欲しい」
俺は呆れてしまった。
「受け取るわけにはいきませんし、そもそもお金が目当てではありませんから。
フーによる純粋な人助けです」と、俺が言う前にアマンダが言った。
「フーさんはこれまで何度も山賊や強盗に襲われている人を助けてきましたが、一切お礼は頂いていませんから」と、アリスが良い事を言ってくれた。
アマンダとアリスの話を聞いて、スコット家族と執事は呆れていた。
「お父様に申し上げますが、私の窮地を考えると、この程度は端金と思いますわ」と、フランソワがとんでもない事を言いだした。
「お父様もお母様も呆れるのはまだ早いですよ。
私はフー様のハーレムに入りたいのです。
報酬をとお考えなら、それが一番いいと思いますから。
それに、既にフー様には裸を見られていますし、同衾もしました」と、フランソワが良い笑顔でとんでもない爆弾発言をかました。
如何だったでしょうか?
楽しめた、面白かった、と思われるなら作者冥利に尽きます。
家に帰ったからか、フランソワが色々やります。
その結果、セイントフォーとフランソワは親密になります。
逃亡編は此処までです。
どうぞご期待ください。
明日も何時もの時間にお会いしましょう。




