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逃亡ー32

今回はタニアランが白亜の御殿に突撃してきます。

彼女独自の理屈が展開されます。


ブックマーク・評価よろしくお願いします、特に面白いと思った方は是非。

それからクリック出来る所は全部、気軽に押して行ってください、河童がそれは大喜びします(笑)

感想・レビューもお願いします。


それではお楽しみください。

「あれ?外に誰か来ていますよ」と、アリスが教えてくれた。


「面倒なので居留守を使うか。

幸い秘密の抜け穴は塞いだし」と、言う事で、居留守を使った。


丁度食堂の向きが門から見ると見えないので、無人の様に見え丁度良かった。

何度か呼びベルの音が響いたが、諦めたのだろう、聞えなくなった。

あっちはメイの強力な結界が邪魔をするから入ってこれないはずだ。



食堂で寛いでいると、「フーさん誰か来ました。

もう直ぐ家に入ってきます」


「また、厄介な事だな」


「それならフー、私が出よう」と、アマンダが玄関の方へ行った。


「本当にごめんなさい、どうかこの通りですから」と、言う声が聞こえて来た。

スーが気を聞かせて、様子を見に行きアマンダと一緒に侵入者のタニアランを連れて来た。


「本当にごめんなさい、何か父がご気分を害することをしでかした様で、私が代表して謝罪に来ました」と、皆に頭を下げた。


「此方のタニアランさんは、モニカレイが話したマンブール市代官で姉だ」


「モニカレイから聞きましたが、父が領主らしからぬ事をしでかしとか」


「本当にそうですね、私としては大損害ですよ」と、アマンダが憮然としてタニアランに言った。


「え?父の不祥事じゃないのでしょうか」


「それもありますし、問題はあなたの母君ですよ。

卑しい者とは、初対面にあまりに失礼じゃないでしょうか」


「はぁあ、私くし何があったのか分かりませんが」


「タニアランさん、もう良いですからお帰り下さい。

中途半端にされる、意味の無い謝罪はかえって相手を怒らせる事と知りなさい」と、アマンダが言った。


「アマンダ、そう怒らないであげて。

恐らくは代官は分けを知らないと思うから。

でも、モニカレイには少し思うところがあります。

あの娘の各種スキルをフーとアマンダによって完成させたのにと、思うと確かに大損害ですよね」と、スーが話す。


「丁度良いので話しておきます。

僕たちが出て行った後に、壁の大穴が見つかると思うが、あれは槍の勇者がやった事で、僕たちは無関係だから。

フー、明日は此処を出るんだよね」


「その心算だ」


「それは困ります。

どうかそれだけは、御考え直し下さい」


「私達も当初は出て行く心算はなかったのですよ。

それなのに、あんな事になるなんて」アリスが言う。


「私たちは拠点を移します。

既に幾つか候補は見つけてありますから、今後は此方の冒険者ギルドとは無関係にさせていただきますね。

勿論指名依頼も断りますから」と、アマンダが言った。


「と言う事ですから、もう御帰りになられては」と、フランソワも言った。


「仕方ありません。

今夜はこれで帰ります、また明日来ます」


「いえ、もう会うとこはないと思いますから」と、冷たくアマンダが言いタニアランは帰っていった。

食堂から出る後姿が寂しそうに見えた。


「明日の朝は早いから寝ないか」と、提案したところスーが「今夜はみんなで一緒に寝ようと」と、言いだした。

これに強く賛成するフランソワに押し切られて、皆でメイが拵えた結界で眠る事になった。


皆並んで俺の隣にフランソワが来て、「あの宿以来ですね。

とっても嬉しいです」と言い出すから俺は困ってしまった。


「そうだったな、お前はベッドで俺は床に寝たけどな」


隣にいるメイが何故か喜び、「フーらしいね」と、言う。


「フランソワ、誤解をするような事は言うなよな」と、言うと、事実ですからと嬉しそうに言うから始末が悪い。




夜中に体が重いと目が覚めると、俺の腹の辺りにフランソワの足が乗っていた。

道理で重いはずだが、フランソワって寝相が悪いと思った。

俺は向きを変えメイに抱き着いた眠った。



よく朝俺はフランソワに起こされた。

「おはよう、昨夜は良く寝られてようだな」


「はい、フー様と一緒で嬉しすぎて、気がついたら朝でした」と、にっこり微笑む。


「そうか、それは良かったな。

俺の方は、夜中にお前の足が腹の上にあって、寝苦しくて目が覚めたぞ」


「それは、大変な御迷惑をお掛けしたことをお詫びします」と、ションボリするフランソワに「お前が嬉しいままで眠れたのだからもう良いよ」


「それでアマンダは」


「はい、またやって来ましたから、その対応に当たっています」


「夜討ち朝駆けっていうやつか。

参ったな、朝もゆっくり出来ないとは」


「それが違うのですよ。

昨夜は門の前で夜を明かしたとか、それで、その努力を認めてほしいと、言いだしてもう形振り構わないのですから」


「ところで、お前が襲われていた地点は、スコット領のどの辺りになるんだ。

俺は、あの近くでエルシャー兵が街道で検問をしていたから、あの地点まで転移しようと思っているんだが」


「私はよく分かりませんから、実際に行ってみましょう」


「そうだな。

と、なると、あっちを先に片付けないとな」と、言い玄関にきた。


「あっ、フーおはよう。

もうこの人がしつこくて、アリスが言うから来てみると、玄関の前に居るんだよ。

なんか勘違いをして、私の努力を買って、父の不祥事は無かった事にしてくれって」と、スーが言う。


「何度も言ってますが、あなたの無駄な努力を私たちに押し付けないでくださいと」


「そうですよ、もうお帰り下さい。

あなたも代官としての仕事が有るのでしょう」と、スーが言う。


「フーが起きて来たから、じゃそう言う事で」と、勝手にメイがドアを閉めた。


「メイでかしたぞ。

よし、皆は俺の前に集まってくれ、今から行くぞ」

俺は、エルシャー兵が検問を始めた地点を思い出して、有言実行に語り掛けた、転移と。

すると目の前に、谷と街道があり、俺達は街道の真ん中に立っていた。


「うん、此処だよ。

此処でエルシャー兵が検問を張っていたんだよ。

それから、フランソワの馬車が襲われていたのが、下の谷の此処よりズット奥の方だ」と、俺が指示した。


キョロキョロと辺りを見ていたフランソワが、指差した。

「私たちが、弓の勇者に追われ洞窟に逃げ込んだ時に見えた、街道が恐らくはスコット市へ通じる街道と思います。

ですから、彼方へ歩いて行きましょう」と、フランソワが歩き始めた。


先頭をアマンダとフランソワが、その次にアリスとメイで、最後は俺とスーになった。


フランソワが話したように、俺達は緩い上りを歩いていると、左側の山に思い当たる箇所が見えて来た。

それで、歩きながら俺が当時の様子を説明すると、フランソワは裸で良く登ったねと、皆が感心した。


それから、また暫く歩きと、フランソワが話した通りに、右から幅広の街道が合流するので、その幅が広い街道を歩いた。


途中の大木の下で、俺達は遅い朝食と水分補給をした。

メニューは肉の串焼きと野菜サラダとスープにパンを用意した。


道が平坦から下り坂になりフランソワが左手を指さし「皆さん見えますか。

カルフーンの都と比べるとずい分小さいですが、あれがスコット市です。

もうすぐ着きますよ」と、教えてくれた。


「へぇ、中々住み易そうな都だな」と俺が感想を言うと、「美味しいレストランを紹介してよ」と、アマンダが言うと、「そうそう、美味しいお菓子も要りますね」と、アリスが言う。


街を囲む壁の近くで列に並んだ。

フランソワは、列を無視してここにもある貴族専用の門の方には行かなかった。

腹が減っているので長くかかった時間も列も、漸く俺たちの番になった。


アマンダが冒険者カードを出して、それに続いてアリスもメイもスーもゴールドクラスの冒険者カードを出した。

俺はベル名義の白磁の冒険者カードを見せると、不思議そうに俺を見たが通された。


フランソワを見た衛兵が驚き、「お嬢様、これは一体どう言う事でしょうか。

仰って下されば幾らでも融通しましたのに」


「いいえ、私はこれで良いのよ。

悪いけど、無事に帰って来られたと、父に伝えてくださる。

私はこれからセイントフォーの皆様を行きつけのレストランにお連れしますから。

日が暮れる前までには帰ると思いますからね」


「はい、承知しました」と、厳つい衛兵が良い笑顔をフランソワに返した。


「ここからは私がご案内しますからね」と、嬉しそうに言うフランソワに付いて、俺達はスコット市をブラブラ見て歩いた。


如何だったでしょうか?

楽しめた、面白かった、と思われるなら作者冥利に尽きます。


明日はフー達はフランソワの両親に遭います。

筋を通そうとするフーを無視してフランソワが。。。後はお楽しみください。


どうぞご期待ください。

明日も何時もの時間にお会いしましょう。

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