逃亡ー31
切りの良い所までと思い、今日も若干長くなりました。
ジレットカルフーンの舘で、フーが筋を通すのですが。。。
ブックマーク・評価よろしくお願いします、特に面白いと思った方は是非。
それからクリック出来る所は全部、気軽に押して行ってください、河童がそれは大喜びします(笑)
感想・レビューもお願いします。
それではお楽しみください。
俺が朝起きた時にメイはすでに起きて、部屋にはいなかった。
俺は服を着替えて下へ降りると、メイ部屋着のまま庭を見ていた。
「おはよう、メイは早いね」
「。。。。。」
アマンダが俺を手招きで呼んでいた。
そして、隣の部屋に入ったら、スーもアリスも居た。
「フー、邪魔しちゃダメよ。
メイは瞑想をして気を整えるのだそうよ」
「これが、毎朝の習慣ですから」と、スーとアリスが教えてくれた。
また一つ俺はメイの事を知ったと思うと嬉しくなった。
これまでセイントフォーのメンバーとは同じ宿を取った事も無かったし、一番よく知っているのはアマンダだけだったが、こうして皆と一緒に居ると、色々なことが知れる、これが今は一番嬉しいのだ。
俺たちは朝食後直ぐに昨日の所まで転移して、何事もなかった様に馬車の旅が始まった。
「今日は何が起こるか楽しみだね」と、メイが言い出すから、皆が笑い出した。
途中、馬を休ませる休憩を挟み馬車の中で「ところで、「私は既にフー様のハーレムに入っているのですよね」と、フランソワが俺に聞いてきた。
アマンダが俺の方を見て、「そうですね、フランソワはフーのハーレムに入っていますが、それが何か?」
「それはですね、私くしは何時になったらフー様と一緒に寝られるのでしょうか。
私、毎夜毎夜独り寂しく寝ているのですよ」
「あぁ、そのことはな。
正式にフランソワの御父上に会って了解を貰った後からだ」
「そんなのズルいです。
私くしは既にハーレム要員だと、フー様が仰ったじゃないですか」
「フランソワ、これはケジメだ。
いい加減に考えてはいけないんだ。
まぁ今は待て」と、俺が諭した。
一連のやり取りを聞いてモニカレイはニコニコしていた。
「私もけじめはつけるものと思いますよ」と、アリスが言った。
「私たちの場合は、ウェルビー家に奉公に上がった様なものですからね」と、言うアリス。
「その解釈では、フランソワとモニカレイは嫁に貰うと、言う事ですからフーもけじめが要るんでしょうね」と、スーが言う。
「それなら私もアマンダさんに勧誘して貰えばよかった」と、フランソワが言いだすから、皆が笑い出す。
「概ねアリスが言った事と同じだが、俺はな、フランソワの御父にお前の無事な姿を見せたいんだよ。
その時にけじめを付ける心算なんだ」
「モニカレイ、都が見えて来たんだけど。
もう直ぐ門なんだ」
「分かりました、今度は普通に一般の方にお願いします」
「なるほどね、了解!」と、アリスが面白そうに答え、列の最後尾に並んだ。
「皆冒険者カードを用意しててよ」
「私は入市税を払いますから、これも私なりのけじめですから」と、モニカレイが言った。
待っていると俺達の番が来た。
初めにアマンダがパーティーカードと一緒に自分の冒険者カードを衛兵に見せた。
「これは、大変失礼いたしました。
空いている方に並ばれてもよかったのですが」と、衛兵が言った。
「いいえ、私たちは此方で良いのですよ。
領主様に到着したと知らせてもらえると嬉しいのですが」
「はい、勿論そうさせていただきます。
ところで、お嬢様はご一緒ではないのでしょうか」
「私は無事ですよ」と、モニカレイの声を聴いた衛兵は喜び、城へ馬を走らせた。
「アリスさん、馬車を止めてください」と、モニカレイが言い、衛兵に入市税40ビィを払った。
「さぁ行きましょう」と、嬉しそうなモニカレイだ。
「皆外を見て」と、アリスが言うので外を見た。
その市内の町街並みが素晴らしくて、灰色の石畳で舗装され道幅は広く、茶色の瓦と白い家の壁で統一された、綺麗な街並みだ。
「この通りはネリス通りというのですが、真っ直ぐ進んでください。
そうすると自然に分かりますから」と、モニカレイが指示した。
通りのあちこちで、お嬢様だ!お嬢様の馬車だ、お帰りなさい、の声が聞こえて来た。
「お前って、俺と違って大人気じゃないか」と、俺が言うと「フーも人気があったよ、本人は知らないんだ」と、アマンダが面白そうに言った。
馬車の速度が遅いために、子供が走って並走して中の様子を見て驚いた。
「すげぇ、美人ばかり乗ってるぜ」
「御者も何時もの爺さんじゃなく美人だよ」と、声が聞こえて来た。
「お前は領主の家族なんだから、手ぐらい振ってやれよ」
「良いのですよ、私くしが逃げる時に誰かが槍の勇者に教えてのだから。
もう、これまでの様にはいきませんわ」
その後は更に馬車の速度が落ちて、ついに人が早歩き程度の速度になり、多くの市民に注目を浴びた。
「見えてきましたよ、あれでしょうか。
王城の様な城ですから」と、興奮気味に言うアリス。
正面の入口前まで来ると、其処には白亜の御殿で対峙した隊長が立っていた。
後ろに控えていた警護の兵士が、大きな正門を開けてくれたのでアリスが戸惑った。
「ねぇ、此処から入ってもいいんだよね」
アリスに答えたのは隊長だった。
「どうぞ、セイントフォーの皆様をお迎えするに相応しい正面の大扉です。
此方から中へお進みください」と、慇懃な態度で言った。
「セイントフォーの皆様って本当に凄いのですね。
私くし改めて感激しています」と、興奮気味にフランソワが話す。
「俺が言うのも何だが、そりゃそうだろう。
大陸でも5組しか居ないゴールドクラスの冒険者パーティーなんだからな。
主に国王や有力貴族の仕事を引き受ける冒険者パーティーなんだよ。
何処でも貴族待遇が普通だな」
「私くし全く知りませんでした」と、モニカレイが驚いた。
「そう言えば、最終試験でギルドへ提出した龍の鱗だが、古龍の鱗が混ざっているから、あれは国へ納められるのだろうな」
「「古龍の鱗ですって!!!」」
「あぁ、そうだよな」と、俺が同意を求めた。
馬車が止まり扉が静かに開けられると、白髪の品のある紳士が待っていた。
「ようこそ、おいで下さいました。
旦那様が御待ちです」
「あっ、ウインディさんお久しぶりです」と、スーが喜んだ。
「チョット、スー」と、アマンダが注意するが、スーは問題にしなかった。
「お嬢様、私にそちらの素敵なお嬢様方をご紹介くださいますか」と、執事の注意が俺とフランソワに移った。
「ウインディー、紹介しましょうね。
此方は、私くしを槍の勇者から救って下さったフー様です。
その隣の勇ましい服装のお嬢様は、スコット子爵家のフランソワ様ですよ」
「これはお初にお目にかかります。
私はカルフーン辺境伯家に代々仕える執事のウインディーと申します。
お嬢様をお助けいただき感謝申し上げます」と、一礼した。
「皆様が中でお待ちですよ」と、中年のメイドが来た。
俺はルーベリーとは違い、所作に隙が感じられないから注意が要ると感じた。
メイドの方も執事とは違う意味で隙がなく、恐らくはメイド以外の仕事もこなす人と思った。
とにかくこの二人は要注意だと。
モニカレイは中に入るなり「お母様。。。」と、母であろう女性に突撃して、抱き合った。
母の笑顔には、涙が薄っすら見えた。
俺の母さんとモニカレイの母さんは大きく違い、領主の母親はこんなんだと俺は感じた。
と、言うのは、俺の母さんは体形が引き締まっていたが、モニカレイの母さんは、まだ太ってはいないがほど良く肉が付いたポッチャリタイプ、体を動かす事に無縁と思った。
「そうそう、お母様に紹介しましょう。
此方が私くしを槍の勇者から救って下さったフー様です。
それから、ゴールドクラスの冒険者パーティー、セイントフォーの皆様です。
リーダーのアマンダさんにアリスさんメイさんスーさんです。
最後は、フランソワスコット様です」
各自がモニカレイの紹介でお辞儀をした。
「お初にお目にかかります。
私くしはモニカレイの母で、マリーと申します」と、お辞儀をした。
「皆様長旅お疲れでしょう。
旦那様が執務室でお待ちでございますから、お疲れと思いますが先ずは執務室へご案内いたします」
「ウインディー、私達もでしょうか」と、モニカレイがフランソワの腕をとった。
「いえ、お嬢様方は宜しいかと思います」
「そう、ではフランソア様は私くしのお部屋にご案内しますわ。
お茶の用意を頼みますね」と、言いフランソワを連れて奥へ行ってしまった。
「では、我々も」と、言うウインデーに付いて、壁の木目が磨かれ輝く廊下を歩き、突き当りの部屋に案内された。
「旦那様お連れしました」
「入ってもらってくれ」
「どうぞ、お入りください」
「おぉよく来たな。
さぁ此方へ」と、豪華なソファーを勧められた。
ドアと叩く音と共に、お茶を用意した先程のメイドと一緒にお母様が入って来た。
「後は私くしが遣りますから、下がりなさい」
「さぁ、では話をしようか。
マリーもここで聞きなさい」
「ええ、そうさせていただきます」
「すまんがマリーの前で、わしに言った事をもう一度言ってもらえないか。
わしは十分説明したのだが、マリーは納得しないのだ」
「そりゃそうでしょう、モニカは欲しいがそれが遊びのハーレムだとか。
冗談では済ませませんから」と、俺に殺気を向けてくる。
「あの時と話が違いますが、これは一方的に反故にされるのでしょうか。
私はジレット様との約束は果たしましたから、こうして一緒に確認しましょうとお誘いに来たまでですよ。
マリー殿が納得するしないに私は関係ありませんね。
約束を反故にされるのでしたら、私はあなたを許さないと申しました。
これは、酒の席の戯言で済ます分けにはいきませんから。
ここに4人証人が居ます、あの時あなたはワインを断り果実水を私と一緒に飲んでいますからね」
「まぁ、なんて無礼な物言い。
これだから身の程を弁えない卑しい者を邸に入れるなんて、だから私は嫌だったのですよ!」
「ジレット様、これがあなたの答えなのですね。
よく分かりました、では私たちは帰りますから此処へフランソワを呼んでくださいますか」
「スコットの小娘は呼んでやろう」と、ベルを操作して執事を呼んだ。
「フランソワ嬢を此方へ連れて来てくれ」
「さて、フランソワ嬢は連れて来てやるが、やはり娘はお前にはやれん」
「もう良いですよ、この件は終わりにしましょう。
しかし、あの夜と今では全く違う、僅か10日余りで何が有ったのか知りませんが、貴族として交わした約束を破られるのは如何なものかと思いますよ」
「お待たせしました、旦那様」
「フランソワは此方へ来てくれ。
今から帰るからな」
「あっ、でもモニカレイは一緒じゃないのでしょうか」
「そうだ、フランソワだけだ」
「では、我々はこれで失礼する。
既に考え直しても遅いですからね」
(白亜の御殿に転移だ)と、有言実行に語り掛けた。
軽い眩暈に似た症状と共に、俺達は白亜の御殿の前に立った。
「一体何が有ったのですか」と、フランソワが俺達の何時も違う雰囲気を察して、遠慮がちに聞いた。
「それはな、モニカレイの父が、俺との約束を一方的に破ったんだ。
あれほど忠告したんだがな」と、俺が話した。
「フーは本当に実行するの」と、アマンダが心配そうに聞いてくる。
「するよ。
とにかく中に入ろう、今日は安全だと思うから」
「疲れているところ悪いが、皆は知っていると思うがフランソワも聞いてほしい。
あの夜、俺とセイントフォーはジレットと話をしたんだ。
ジレットが話すその内容は、俺の父さんの若い時の話と、アマンダの父さんの話も少し出た。
その後、俺が勝手にけじめをと思い、モニカレイを俺にくれと言ったんだ。
そう話すと金が目当てかと勘違いされたが、モニカレイの母は誤解したのかもしれないな。
今の俺に代わりに差し出すものが無いから、カルフーン家の仕事を一回だけタダでする条件を出した。
其処でも勘違いが有ったが、ジレットは槍の勇者の始末を欲した。
俺はよく考えろと言ったが、槍の勇者から変えることはなかった。
俺との約束を反故にすると、俺は殺すとまで言ったんだが、今日執務室で約束は簡単に反故にされたから、帰って来たんだ」
「。。。。。。」
「本当に情けない領主ですね、あのジレットと言う人は。
仮にも一旦口にした事を勝手反故にするとは。
私今だから話しますが、モニカレイが何となくですが調子が良すぎて、気になっていましたから。
特に、フーさんが話しました「手を振ってやれ」に対するモニカレイの対応が上に立つ者として冷た過ぎやしないかとです」
「で、これから如何するの。
私はフーの専属騎士だからずっとフーと一緒に居るけど」
「それは私達もアマンダと同じですから」と、スーが言ってくれた。
「今はカルフーンの出方次第だな。
メイは結界で秘密の通路を塞いでくれるか」
「そう言うのはとっても重要な事だから、先にそれをやろう。
フーは案内して」
「皆も来るんだ」
「フー、当たり前でしょう」と、スーに言われた。
「メイはここを出る時は、赤色の結界は消してくださいね。
あの穴は槍の勇者が開けたのですから」と、面白そうにアリスが言いだした。
「あのなんだか、皆さんって怖いです」と、フランソワが言うから、「私たちが壊したんじゃないからね」と、アマンダが言う。
「これでウェルビーへ行くことは要らなくなった。
早いとこフランソワの家に行って、活動拠点を其方へ移そうか」
「それいいね、フーが居ると距離は意味が無いからね」と、スーが言う。
「ここですか」
「そうそう、丁度ここ等辺かな。
槍の勇者を呪ったのが」と、俺が言うと皆は驚いていた。
「ここは暗いから、結界も黒色にしよう」と、言いメイが直ぐに結界を張った。
「よく分かりませんね」と、言いフランソワが触ると固い壁が出来ていた。
「フーこの壁は残すよ」と、言うメイに俺は良い笑顔で答えた。
その後はみんなで風呂に入り、俺とアマンダが持つ食糧で簡単い夕食を終えた。
如何だったでしょうか?
楽しめた、面白かった、と思われるなら作者冥利に尽きます。
明日はフーたちが帰った白亜の御殿に、夜討ち朝駆け?
突撃してくる猛者が登場します。
どうぞご期待ください。
明日も何時もの時間にお会いしましょう。




