逃亡ー29
昨日のエピソードでフーが決めた予定が変更になりました。
フーがみなと一緒にジレットに遭いに行きます。
その途中でアリスが活躍します。
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それではお楽しみください。
「うん?
皆良い知らせがあるよ。
今俺が呪った槍の勇者が死んだ」と、言うと皆は驚いていた。
「予定変更だ、明日はモニカレイの実家へ行こう。
先触が出せると良いんだが」と、俺が言うとモニカレイが「お任せください。
チョット人を呼びますよ」
俺は赤髪の狩りスタイルに変えた。
入って来た者に、「父へ明日帰ると伝えなさい」
「承知いたしましたお嬢様」と、言い部屋を出て行った。
「お前本当にすごいね」と感心すると「はい、次期代官ですから」言う。
「じゃ、今の代官はどうなるのよ」と、スーが聞くと「家で何かすると思いますよ」
「「「「家で?」」」」
「はい、今の代官は私の姉ですから」
「そう言えば、次女と言っていたな。
じゃ、家は誰が継ぐんだ」
「兄がおりますから、問題ないでしょう」
「成るほどね」と、皆は感心した。
「予定変更だ、後になるが、フランソワの家にもいくぞ。
お前は長女なんだろう。
兄はいるのか」
「私の家には男兄弟も女もそれなりに居ますから、私の場合は特に問題はないと思いますけど」
「いや、そう言う分けにはいかんよ。
やはりけじめは付けなければな」
そろそろと思っていたが、良いタイミングで槍の勇者を死んでくれた。
で、俺の方は呪っていた期間ほど良い気分ではなくなった。
爽快感が無くなり普通に戻った。
あくる日は、朝食後からモニカレイに急かされて庭へ出ると、白亜の御殿の前に何故か馬車が用意されていた。
馬車の前には、モニカレイに似た女性が立っている。
その女性が俺の方へ小走りに駆けてきた。
「有名なセイントフォーの皆様にお会いできたことは光栄に思います。
私くしはマンブール市の代官タニアラン・カルフーンと申します。
愚妹がご迷惑をかけているんじゃないかと、心配しておりました。
何時の間にか愚妹が住み着いたようですが、追い出していただいて構いませんから。
如何かマンブール市と言うよりもカルフーン領から出て行かれませんよう、聞けることなら全て私くしにお申し付けください」と、長い挨拶が終わったころにモニカレイが御殿から出てきた。
「あらぁお姉様、何用でこちらに。
普段は寄り付かないお姉様が珍しいですわ。
今日は雨が降らなければいいのですが。
ふん」と、鼻を鳴らしそれだけ言うとタニアランの前を通り過ぎた。
「さぁ、お代官様のご挨拶は終わった様ですから、フー様、先を急ぎましょう」と、タニアランにニッコリ微笑んで馬車に乗り込んだ。
俺は、苦笑して十分気まずい雰囲気をごまかした。
「どうも妹さんに急かされていますから、本日はこれで失礼いたします」
「はい、お気をつけてくださいませ」
用意された馬車は、どこの物か知らないが内装は良いし、これなら道中が快適と思った。
「アリスが居ないぞ」と、言うと、「アリスは御者台にいるよ。
馬車が操れるのはアリスだけだからね」
「と、言うと、フーは知らなかったんだ」
「私も馬には乗れるが、馬車はチョットね。
馬が2頭並んでいると無理そうで、何時もアリスの頼んでいるのよ」
「そうか、アマンダでも出来ないことが有るんだ」
「そんなの当たり前でしょうに」と、呆れる。
「そうなんです、あの出しゃばりタニアランが、何を思ったのやら御者をすると言い門の外で待っていましたの」
「そうだったのか、なんか悪い事をしたかな」
「フー様が気にかける事では有りませんから」
「なんかモニカレイと仲が悪そうですね」
「アリスさん、それは違います。
姉は私に構って欲しいだけで、私は距離を置きたいのに、何時もグイグイ踏み込んできますからね」
「そうなのか、俺は姉に何時も揶揄われるだけだったからな」
「アリスに任せたのは、この先何時フーを頼るか分からないからだよ。
大抵の事は私たちで何とでもなるが、人質とかが出るとね」
「えっ、アマンダさん私たちが人質ですか」と、不思議そうにモニカレイが聞く。
「そうじゃないよ、ほら野盗の襲撃で一般人が人質に取られた事が、過去に何度もあったからね」
「成るほど、あの時言われた人助けなんですね」と、フランソワが納得する。
「「そうそう」」
「門に来るけど如何するの」と、アリスが聞いた。
「私が出ます」と、モニカレイが言い、実際馬車から降りて乗馬服姿で門に歩いて行った。
「あっちを通れって指示が来たんだけど、良いんですか」
「あぁ、大丈夫だ。
行ってくれ」
「如何なっても知りませんよ」
「これはご苦労様です。
さぁどうぞ、お通りください。
道中の無事を祈っています」と、言ったのはマンブール市の警護隊長だった。
「アブレールさんにお世話を掛けますが、よろしくお願いしますね」と、モニカレイが微笑み、列に並ぶ必要は無く、貴族用の門から出ることが出来た。
「アリスさん、分かれ道を左でお願いします」
「はい、了解です」
「如何ですか、私くしの馬車の乗り心地は。
代官館に何時もは預けているのを姉が気を利かせて持ってきてくれました」
「モニカレイって本当にすごいね。
俺は女性をしていたから、乗馬や馬車なんかに興味はなかったしな」
「そうそう、フーは滅多に外に出ないし、常にお嬢様していたからね。
その代わりに姉のシーイン様は活動的な人だった」
「あぁ、そうだったな、何時も俺は揶揄われてたよ。
最悪なのが、アマンダから知れたと俺は思うのだが、最後の夜に父さんにハーレムの事を知られ、家族に知られたよ。
おじさんから聞いたとな。
其処はまぁ良いが、姉が酒池肉林もやれと言い出すから、皆呆れて俺を見たんだ」
「あれはね、私も父から言われてたんだよ。
お前は俺の様にこの先何があってもフィリップ様を支えろとね。
それで聞いたのよ、フーのハーレム要員も私が探せって事と。
私はお母さんに思いきり叱られたが、父さんは嬉しそうに笑っていたよ」
「そうか、俺は姉さんに仕返しがしたかったな」と、ボソッと言った。
今までなら、間違いなく号泣するところだが、女性になったからか不思議と泣けなかった。
変な思い出話をしていると馬車が止まった。
「此処で馬を休ませたいから、私達も休憩にしましょう」と、アリスから指示が来た。
外に出ると丘の上の様で、見晴らしが良く、穏やかに吹く乾いた風が涼しく気持ちが良いのだ。
馬に水と飼葉をアリスとアマンダで与えていた。
その間に俺は果実水とクッキーを用意した。
敷物の代わりは、メイの張る緑色の結界で済ませ、アマンダとアリスを待った。
「フーとこうして外に出るのは久ぶりだね。
アマンダ、クッキーがあるよ。
これはフーの家の物だろうね」と、スーが言うとアマンダとアリスが直ぐに来た。
「これ良いじゃない、
今度はソファーの様にして欲しいんだけど」
「良いよ、昼ご飯にはテーブルも作るからね」
「本当にセイントフォーの皆様はお一人お一人が本当にすごいのですね」とフランソワが感心すると、メイが笑い出した。
「僕のはたまたまだよ」
「そうですよ、今から起こる事もたまたまですから。
フランソワさんは石を持って構えていて」
「はい、それくらいは」と、言い不思議そうにして、手元に偶然有った石を手にした。
「さぁ、投げる準備をして」と、言い指さすと、ワイルドボアが駆けてきた。
「頭を狙って」と、アリスが言う。
フランソワは石を投げると、真っすぐ突進してくるワイルドボアの頭に当たり、グチャと嫌な音がして頭が砕けて無くなった。
「今の良いじゃない。
真っすぐ頭に当てると、ワイルドボアは砕け散ったかもしれないけど、石にカーブが掛けられる。
初めてとしては上出来ですよ」と、アリスが褒めるからフランソワは大喜びなのだ。
「次は確か血抜きをするのですよね」
「今はまだ休憩を続けましょう」と、アマンダが言う。
「血抜きは僕がやるから、フランソワは解体を習うと良いよ」
「あれ?カルフーン辺境伯領って凄いですよ。
今度はワイバーンが来ます。
アマンダは私の弓を出して」
「俺も久しぶりに見るが、モニカレイとフランソワはよく見ると良いぞ」
「変わった形の弓ですね」と、言うモニカレイに「これはウェルビー軍独自の物だよ」
一瞬アリスの目が金色に光り、その次体中が赤色の光りに包まれると、一瞬で赤色をした矢が弓に番えた状態で出てきた。
アリスが「今!」と、言い弓を射ると俺たちの上空を旋回し始めたワイバーンの頭に矢が直撃して、大型のワイバーンは爆散した。
如何だったでしょうか?
楽しめた、面白かった、と思われるなら作者冥利に尽きます。
毎度の事で、長文になります。
途中で分けて2部構成になりました。
明日はカルフーン領主の舘に行きます。
ご期待ください。
と、言う事で、また明日も何時もの時間にお会いしましょう。




