逃亡ー28
私が気に入っているところが終わりました(笑)
本編は昨日後書きで書いた様に、アリスの話が出てきます。
勿論それだけではないので期待してください。
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それではお楽しみください。
領主ジレットカルフーンとの会談は、お互いの思惑通りの結果になったと微笑み合い終わった。
「今夜はアリスの所だな。
案内してくれるか」
「はい、でもその前に風呂に入りましょうよ」
偶然か風呂はアリスと俺の貸し切りだった。
俺とアリスはお互いを洗い合い湯船に浸かったが、時間が経ち過ぎたのかお湯ではないのだ。
「なんでだ、これは」と、驚く俺にアリスがアマンダが忘れているのでしょうか。
アマンダのスキルで沸かすと簡単なんですが、火の魔石を使うと温かくなるまで時間がかかりますよ。
此処は非常に広いから」
「悪い、もう上がろうよ」
「はい、後はベッドの中で温め合いましょう」と、アリスが言い出すが、思わず言ってしまった。
「俺は女だぞ。
もう男には戻れないんだ」
「はい、よく知っていますよ。
それでもです」と、喜ぶ美人のアリスが可愛いのだ。
俺の場合は、アイテムボックスに仕舞っている衣類は瞬時に着ることが出来るが、アリスは違うため、アリスが服を着る様子をボォッと眺めていた。
男ならこの状況は大喜びで、思わず手が伸びるところだが、俺には何の興味も無くなった。
非常に残念だ。
案内されたアリスの部屋は薄い緑色の毛足の長い絨毯が敷いてあった。
「アリスの雰囲気によく合う部屋だな」
「そうでしょうか、フーさんが私にどの様なイメージを持たれているのか興味があります」
「どの様なね、初めに聞いたと思うが、出身地が寒村と答えたんだよな。
その時俺は村娘にしては品があると話したと思うが、それは今も変わらないな」と、言うとアリスは喜んだ。
「私は名もない開拓村の出身で成人して直ぐ王都に連れて来れたのは、恐らくは口減らしと思いますから。
私の家は何故か姉妹が多くて、それで特徴を出そうと思いついたのが、なるべく丁寧に話すことでした。
意識して実践していたら何時の間にかこうなりましたし、王都に着たら直ぐ置いて帰られましたから。
困った私は、教会が運営する孤児院を頼り職業を知りついでに、其処の卒業生達の冒険者パーティーに入ったんです。
長く孤児院に居る者と不意に来た私とは違い、後は前に話した通りです」
「でも、アマンダに声を掛けられた時は本当に奇跡と思いましたもの。
信心深いわけじゃないにのですが、フーさんとアマンダと一緒に食べた宿のご飯は本当においしかったし、アマンダと同室になって、安心して眠れると思うと天国でした。
それまでは、弓矢の盗難を恐れて、私自身の身も守らなくてはならないしで、ただ夜露がしのげるだけの安宿は、その時々の客との雑魚寝ですからね」
「そうか、アリスも苦労してたんだね」
フーさんには色々迷惑を掛けましたし」
「えっ、何の迷惑?」
「スキルですよ、特に天眼なんて絶対に無理と思っていましたもの。
教会も呆れていましたから、宝の持ち腐れとね。
創造の矢に付いては、多くの矢を無駄打ちしてしまいましたもの」
「あぁあれか、俺には透明化のスキルがあるからと、思っていたが本当に不思議なんだな。
コウモリって音で位置とかが分かるんだけど、本当に偶然群れの中から一羽しか居ない黄金コウモリを捕まえる事が出来た時は、俺自身が驚いたから。
でも、あの肝のポーションは苦かっただろう」
「はい、とても苦かったですよ。
でも、一瞬ですからね。
後にスーに聞いたところ、作ることが出来るというから驚きました」
「えっ、スーってあんなポーション迄作れるの。
だったら俺も男に戻れるポーションとか頼んでみようかな」
「それは駄目です、フーさんはこれからは女性で良いんですから。
私今夜本当のフーさんを見てビックリしましたもの。
お祝いの時にアマンダが、フーって胸がない分綺麗なんだよと、言っていたが、胸のある銀色の髪のフーさんを見たら、誰だって自分の物にしたくなりますよ」
「まぁ、スーに頼むのは冗談だけどね。
男に戻ると、今のスキルが使えなくなるからな」
「フーさん、それなんですが槍の勇者を殺すって本当に出来るのでしょうか」
「うん、間違いなく死ぬからね。
ただ俺が殺したことが世間に知られるのは控えたいだけだ」
「俺が呪ってから、今も気分が良いからね。
気分が良いという事は、間違いなく呪いが発動していると思うから。
初めて使う呪術で、期間を設けなかったから、二週間と言ったんだ。
それ迄には彼奴は間違いなく死ぬから心配は要らないさ」
「フーさんの呪術は毒より怖そうですよ」と、アリスが笑った。
その後、スーの時の様に抱き合うことはなかったが、向かい合って眠った。
翌朝ジレット・カルフーンはマンブール市を視察して帰ると言い、食後直ぐに行動を開始した。
心配したモニカレイは如何にか残ることが出来た。
その日から、フランソワとモニカレイの修練が本格的に始まった。
先に身体強化を完成させたフランソワが、次に投擲を完成させた。
裸で修業した為か、思ったとおり単に物を投げるだけのスキルだが、その威力が凄まじく、簡単に言うと小型化した投擲機が50機集まった様だ。
なお、投擲距離はすさまじく、目視が利く範囲であれば命中率100パーセントなのだとか。
威力も凄まじく、スキルが完成する頃は、メイの作った分厚い的が壊れそうで心配になった。
恐らくだが、裸の修練のお陰と思いたい。
それから三日後にフランソワは、ついに剣の達人も完成させた。
完成の少し前から、既に剣の扱いはア素のマンダよりも上手くなっていたから、三日間は剣の相手をする者が居なくなり、日が暮れるまで朝からひたすら素振りを繰り返した。
一振りごとに剣圧で風刃が生まれ、その威力にフランソワが大喜びだった。
一方フランソワの話を聞いたモニカレイは裸で広い庭を終日走った。
とにかく胸を揺らせて走り続ける事四日目に身体強化が完成した。
裸の効果にアマンダが驚いていた。
モニカレイはロングソードが良いと言い、ロングソードを使いアマンダを相手に打ち合い、三日後にはスキル雷撃を完成させた。
スキルを意識すると、撃ち合うだけで相手は雷に打たれたように硬直し大きな隙を作るし、スキルを使って剣を振ると、その方向に雷撃が走る、とても頼りになるスキルだ。
モニカレイの武器創造は、アマンダと俺から各種武器を借り、毎日素振りをしていたら二日で完成させた。
フランソワに遅れる事五日という短時間で、モニカレイも全てのスキルを完成させた。
その夜はモニカレイ御用達の市内で一番の高級レストランでお祝いをした。
ここは、モニカレイの為のレストランの様で、個室が有るのに店側が貸し切りにした。
「なんかモニカレイってマンブール市の代官みたいだね」と、スーが言うと、「二十歳になると私が代官を務める事になっていました」と、涼しい顔で言うから、聞いたスーがビックリしていた。
「皆おめでとう、今日は嬉しい事があるからね」と、言うアマンダにお願いされて、銀髪のフィリス・ウェルビーの姿になった。
「いつ見ても本当にお綺麗です」と、モニカレイが感激するしフランソワも「本当にお綺麗ですよ」と、言うから俺は困ってしまう。
「ささ、料理を食べよう。
ワインが飲める者は、俺に遠慮なく飲んでくれ」
ワインを飲んだのはモニカレイで、フランソワとアリスはビールを飲んだ。
「俺は果実水だな」
「私も、私も僕も」と、果実水になり、桃の果実水を飲んだが、濃くて本当に美味い。
その後は皆で色々話して食事が進んでいった。
今後の方針は、モニカレイのハーレム入りと、冒険者登録になった。
セイントフォーは黒い森に興味がある様子で、俺がフランソワとモニカレイを見る事に決まった。
明日モニカレイは冒険者ギルドへ手続きに行くので、俺とフランソワが付き合うと、決めた。
お楽しみいただけたでしょうか。
明日はフーに吉報が齎されます。
吉報によって物語が大きく動き始めます。
ご期待ください。
また明日もいつもの時間にお会いしましょう。




