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逃亡ー17

其処は活気があり、領都ジュリエスの事は知らないが、こっちを都にしても良いように感じる。

先ずは冒険者ギルドだな、と思い町中をブラブラしていると、早速フランが目を付けられた。

「ねぇちゃん、この辺じゃ見ねぇえれぇ別嬪さんじゃねぇ」

って、何で疑問形なんだ此奴は。

青くなって俺の後ろに隠れるフランに「大丈夫だ、心配するな。

これはこう見えてもゴールドクラスの冒険者なんだからな」


「へぇ、そうかい。

それでなんだ。

つまらん発足で俺達バッドメンズがビビるとでも思ってんのか。

あぁ!優男がぁ」


「良いぜ、ほら死にたいなら相手してやるよ。

俺は手加減出来ないからな」


「へっ、やれるもんならやつてみやがれってんだ」


「それなら、人気のないところへ行こうか。

見られとまずいからな」


「付いて来い、全く馬鹿な奴じゃねぇ」


「そうそう、素直に女を置いていけばいいものをよ」


「一晩経ったら返してやるってのに」


「なんなら娼館に売っても良いんだがな」


「いっそ奴隷商の方が良くねぇ」



「あっフー、見つけた、遅いじゃん。

みんなぁ、ようやくフーが来たよ」と、アマンダが嬉しそうに俺に抱き着いた。


「ずるいですよ、じゃぁ私も」と、アリスが後ろに回り抱き着いた。


「フー、あいつ等は」スーは面白そうに聞いてくる。


「抱き着く」と、メイが難しそうに二人の隙を突いて抱き着いた。


「おい、テメェ等は。。。」


「あぁ、俺の連れだよ。

見れば分かるだろう。

さて、ここで良いのか。

俺は何時でも良いぜ、俺一人で相手してやるよ」


「いや、もういい。

すまん、俺等を許してくれ、下さい」と、土下座するバッドメンズに呆れ無視して、再会を喜びあった。


「なに?フーが許すって言ってんだから、もう良いよ。

行けよ、邪魔すんな」と、アマンダが少し威圧すると、5人はダッシュで逃げた。


「で?フーさん、私たちの忠告を聞かなかったのですね。

この娘さんは?」


「そうだ、借家が有るんだろう。

其処へ行って詳しく話すからな」


「私は此処でも構いませんよ」と、スーがアリスの言い方を真似て揶揄う。


7人でマンブール市内を歩きセイントフォーと一緒に町外れに来ていた。

「アレ」と、示された邸は、町外れの山の中腹に在る借家、白い邸が町中からでもやたら目立つ。


案内されて門の前まで来ると、アマンダ達が借りた家はその大きさと庭の広さはまさに豪邸だった。


「これは一体どうしたんだ」


「驚いたでしょう。

さぁ中に入りましょう、あなたもね」


外見同様に中も広く豪華だった。

白い室内、特に目についたのが、天井の高さと輝くシャンデリアだ。

階段の傾斜は緩く幅も広い。

白地に統一された室内に、ブルーの絨毯がより豪華さを際立たせる。


「どうぉ、中も凄いでしょう。

スーの希望を入れたらこうなったのよ」


「アマンダ、フーも了解してたでしょう。

風呂に一緒に入るんだから、メイもアリスもそうでしょう」


「フーさんと一緒は初めてですね、なんだかドキドキしますから」


「そうだね、あなたも一緒に入る」と、メイがフランソワに聞いた。


其処へ満面の笑顔でアマンダが入って来た。

「アマンダ、何処へ行ってたんだ」


「うん、風呂を沸かしてきたから一緒に入ろうよ」


さぁさぁ、みんな、風呂へ行くよと、アマンダに誘われて、みんなで風呂にきた。


「これ凄いな。

こんなのよく借りられたな」


「うん凄いでしょう、スーが交渉に頑張ってくれたんだ」


「私もですよ、僕も。。。頑張った」


「俺たちは、その何日も風呂に入っていないから、先に体を洗いたい」


「それなら、みんなで洗いっこしようよ。

私たちはみんなフーに裸を一杯見られているから問題ないが、あなたは?」


「はい、私もそうです、一杯見られましたから」と、赤面してしまうフランソワさん可愛いです。


「あぁそうだ、誰かフランソワの服を脱がすのを手伝ってほしい。

独りでは無理だから頼んだぞ」と、言い俺は勝手に裸になって洗い場へ行った。


俺が一通り洗い終わった頃に、フランソワを連れて皆が笑顔で洗い場に来た。

「悪いな、俺は先に風呂に入るからな」


「あぁ~ずるいぃ」との合唱が良い感じに風呂で木霊した。

じゃれあいながら洗いっこしているセイントフォーの面々とフランソワを見るのは実に気分が良い。

今は至福の時だ。


「スーはフランソワの体をよく見て、切り傷があれば治してやってくれ」


「分かったわ」


先に湯舟に入って来たのはアマンダだ。

「で、あの娘はなんなの。

人助けしたんだ」


「まぁ、そうなんだが詳しくは皆が風呂に入ってから話すよ」


「それでそっちは」


「うん、今のところは順調よ」


「それは良かった、いろいろあって心配したんだぞ」


「その辺も詳しく聞きたいな」と、アマンダと話をしている所へ、メンバーとフランソワがやって来た。


「どうだ、フランソワ。

久しぶりの風呂だろう」


「はい、大勢で入るのは初めてでとても楽しいです」と、微笑んだ。


「じゃぁ、お互い自己紹介をしようか。

これから長い付き合いになるからな。

で、誰からする。

えっ、俺からか?」


「アマンダ、良いのか」

アマンダが首を縦に振るので、「じゃ、俺からだな。

俺は、フィリップ・ウェルビー。

今は無くなったウェルビー辺境伯家の長男だ。

アマンダ、これで良いか」


俺の話を聞きフランソワが驚いていた。

「あっちもやって。

ねぇ、皆も久しぶりに見たいでしょう」と、スーが言いだした。


「そうか、裸でやった事はなかったからな」と、言い腕輪に触ると、フェリスウェルビーの姿に変身した。

「如何でしょうスー様、これで宜しいでしょうか」と、言い俺が風呂の中で立ち上がった。


あら不思議、男のあれが無くなっていた。

「皆さん、驚かれでしょうか。

あの日のお祝いの後に、アマンダに飲ませたでしょう。

あの後久しぶりに職業本を開いてみたら、こうなっていたのですよ」


「今度こそ本当の女性なんだ」と、微笑むメイさん可愛いです。

フランソワは驚き青くなって震えていた。


「次は、セイントフォーのリーダから頼みますね」


「本当にビックリしたよ。

少し前は、胸が無い分凄い美人だと思っていたが、何時の間にか本当の女性になっていたんだもの。

今は胸があっても凄い美人だよ。

まぁ、それは今は良いか。

私はアマンダジョーンズ。

ウェルビー辺境伯家の筆頭騎士の娘で19歳。

セイントフォー以外の役割は、私がフーのハーレム要員の勧誘を任されています。

フーがその姿を見せると言う事は、あなたもハーレム要員なんでしょうが、このことは秘密ですからね」


「じゃ、私でしょうね、パーティーの順番からいうと。

私はアリスと言います。

歳は17歳です。

職は弓を使うレンジャーです」


「僕はメイ、18歳。

少し変わった魔法使い」


「私はスーです。

17歳になりました。

このパーティーで治癒を担当する魔法使いです。

フーのハーレム要員の第一号です」


「あの私くしは、スコット領主の長女フランソワスコットと申します。

フー様に危ないところを助けていただきましたの。

その後に、別れて家に帰れと言われまして、裸もしっかり見られましたし、同衾もしていますからお嫁に貰って頂かないと困ります。

もう帰る家が無いのですから、と申しましたらハーレムに誘われました。

以上ですわ」


「質問があります」


「はい、アリスさん」

「危ないところとは、何が起こった、遭ったんでしょうか」


「それは、私くしの家に勇者の使者と申す者が来まして、横柄な輩が父に対し勇者様がお前の娘を所望だから、差し出せと一方的に宣言しましたの。

何でも私くしを楽しむのだそうで、嫌らしい顔で言っていました。

三日後に迎えを寄こすと、勝手に宣言し帰っていきました。

その二日後に逃げていた所を捕まりまして、その時私くしはメイドと一緒に毒を飲んで死ぬ所をフー様に助けて頂きました。

その馬車の中で突然現れて、裸になれと言われた時は驚きましたし、私くしが全裸で目の前に立っていても、奴等には分からない、本当に不思議な体験をさせていただきました」


「あぁ、なるほどね」と、笑うのが皆でフランソワが赤くなる。

「質問です、その裸になっていた時間は」


「詳しくは存じませんが、凡そ四時間くらいでしょうか」


「うん、私も時間が短くて驚いたから。

この姿なら半日は持ったかも」


「では、質問が無いなら私が知ったことを話しましょうね。

フランソワは弓の勇者が所望していたのです。

逃げるのだけどしつこくて、それで分かった事も幾つかあるわ。

まず、弓の勇者はどの様なスキルが有るのかは知らないが、その威力が凄まじくて、凡そ300メートルくらいの距離から私たちが隠れていた大岩が粉々に粉砕されたから。

恐らくアリスでもあのような威力は出せないと思いますし、その攻撃を放つまでの察しが良いというか、アリスの天眼に似たスキルがあると感じましたの。


それから、あの戦の事が少し分かりましたわ。

このことは、従軍していたエルシャー王国兵の話なので、ほぼ間違いないかと思いますから。


勇者を召喚したガス帝国のスカンク皇女は、どうも無断で勇者召喚を行ったようですね。

スカンク皇女は勇者を見下して、剣の勇者をはじめに怒らせ勇者召喚の儀式を補助した女性魔法使いを裸にして剣で胸を削ぎ落したそうですから。


槍の勇者はスカンク皇女を槍で突きまくり、裸にして痛めつけて、最後は串刺しにしたそうですよ。


魔法の勇者は召喚陣を壊してしまい、彼方側に帰れなくなったそうですね。

槍の勇者ともう一人の剣の勇者とで、オルブライト公爵軍を壊滅させたそうですから、実力は侮れませんわ。


私の感じでは、槍と剣の勇者に互角に相手が出来るのは、アマンダの全力だけと思いますから。

それも先手が取れてです。


ここからは私の憶測ですが、どうも勇者と言うかガス帝国とベルステン王国は、何らかの密約を結んでいると睨んでいます。

その理由は主に二つあります。

ベルステン王国内で、エルシャー王国の正規軍を確認しているからですね。

フランソワに会う前に、スコット領内で街道を封鎖して検問していた鎧の意匠を私は知りませんから、恐らくエルシャーか、ガスの物と思います。


もう一つは、今フランソワが話したように、ベルステン王国側が美人の情報を意図的に流していると思います。

マンブールへ来る途中で聞いた話では、槍の勇者がカルフーンの都で暴れているそうです。

これは、途中で立ち寄った食堂の客が話しましたし、フランソワの話ではここの領主の娘は美人で有名らしいですから。


次は、私の要望です。

セイントフォーは速やかにマンブールを引き払い行方を晦ますのが良いと思います。

領主貴族の次に奴らが標的にするのは間違いなくセイントフォーと思いますから。

それは、王国内貴族の美人が尽きると、次は強者で美人と思いますからね。


王都の冒険者ギルドがしつこく行き先を聞いていましたから、恐らくはマンブールに居る事は何れ知れると思います」



俺の長い話を聞いて同じ位の長さの沈黙が続いた。

「まぁ、フィリスさんの言う事でほぼ間違いないと思います。

あの剣の勇者が、フィリスさん目当てに連合を組んで勇者全員が戦に出てきた位ですからね」と、スーが明るく言ったが、重い空気感は晴れなかった。


「そうっか、そうよね。

で、どこ行く」


「それで、私は自分の家に帰ろうかと思っていますの。

勿論、収入は無くなります、収入を当てにして逃げ回っても何時かは見つかると思いますしね。

家にはまだルーベリーが残した仕掛けも有るし、食料さへ確保できれば万が一見つかっても勇者も簡単には手を出せないと思うのです」


「私も逃げる事は賛成なんだけど、ウェルビー領ってオルブライト同様に今はエルシャーかガスの領土でしょう。

上手く入れるかしら」


「まぁ、フィリスは入れるでしょうが」


「メイは?

意見を聞かせて」


「うん、僕も行方を晦ませる事は賛成なんだけどね。

黒い森の奥へ行く?」


「うん、私もそれが良いと思ったんだけど、それには勇者に絶対知られない事がすごく重要よ。

あの実力を見せられると、黒い森の魔物がいくら強かろうが、あの古龍でもその気になると一人で倒せるんじゃないかと思うから」


「もう上がろうよ。

僕のぼせてきそう」と、メイが言い、みんな一斉に上がった。

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