表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
85/131

カトゥール・ウェンライトはここにいる

「———なあ!これこの世界終わってねぇか!?終わってねぇか!?」

「大丈夫です、渇探流君———終わっているのは『一般人』であって、貴方ではありません」

「それもっとやばくねぇかあああぁぁぁあぁぁ!?」


街の中には化け物化け物化け物。

増えすぎた化け物がそこら中を跋扈しており、その中で———


「社長ーーー!」

「えっ、うわっ、俺召喚者ああぁぁぁぁぁ!!」

「あれっ、社長食われてね?」


出て来たビルの近くでそんな光景を見たが、そんな光景もバイクのスピードの前では、一瞬で通り過ぎて行った。


「とりあえず、渇探流君の名前を言いながら東京湾に突っ込みますねー」

「そこだけ聞くとシンプルにヤバいな」

「渇探流はーん!お金落として〜!」

「カトゥール、最後まで気を抜くなよ。死ぬぞ」

「黄船は死ね!!響は忠告ありがとうだが、最後が不穏!!」


二台のバイクは、化け物達の間をすり抜けて、東京湾へと走り出す。真面目に車で行けば約30分。しかしそこを———猛スピードのバイクで走ったら、どうなるか。

半分の時間で、東京湾へと到着した。


「渇探流はん、愛しとうで〜」

「お前は俺の金を愛してるんだろ!?」

「渇探流君、愛してます」

「うるせぇウィルフレッドは輪廻転生して出直せ!!」

「カトゥール、無理はするなよ」

「俺の味方はお前だけだ響……!!」


そんなやりとりをしながら、着きました東京湾。

背後には化け物の群れ、全貌は———海。


「行きますよ、渇探流君」

「行きたくね〜!!特にお前といっしょなのが嫌だ〜!!」

「来世も来来世も、ずっと一緒ですよ渇探流君」

「死刑宣告なんだわーーー!!」


そんな気の抜けるやりとりをしながら———バイクは、飛んだ。

地面が、アスファルトから青い海面へと変わる。

猛スピードで海へ突っ込んで行ったバイクは———かなりの沖へと、落下した。

ドボン、と、海へ着水する。

重いバイクは、直ぐに深海へと、飲み込まれて行った。

その時———トラブルが起こる。

渇探流の白衣が、バイクに巻き込まれた。

ただでさえ自由の効かない海の中、渇探流はなんとか白衣を脱ごうと奮闘し———ウィルフレッドが、サバイバルナイフで白衣を切って、渇探流を浮上させた。


「———ぶはっ!!」


ウィルフレッドに抱えられたまま、渇探流は呼吸をする。

———あっ、危なかった。

ウィルフレッドがいなかったら、あのまま———

背筋に悪寒が走るが、ウィルフレッドに抱きしめられて、別の意味での悪寒が走った。


「ウィルフレッド———」


渇探流が、離せと言おうとした時、口を、口で塞がれた。

咄嗟に手がグロック19に伸びるが———ここは、海だ。拳銃は、使えない。

舌が、侵入してくる。

渇探流は抵抗する術がないまま———ウィルフレッドに、しばらくの間、好き勝手にされた。

しかし、そこで諦めないのが渇探流である。

口内で暴れる舌に、思いっきり歯を立ててやる。

血の味がしたが、それでも舌は引っ込められない。

渇探流は———それならばと、ウィルフレッドを海へと引きずりこんだ。

流石のウィルフレッドも、呼吸ができなければ口を離すしかない。

再度、今度は二人離れたまま海面へと浮上すると———そこは、地獄絵図だった。

化け物どもが、めっちゃくちゃ海へと落ちては、蒸発している。


「渇探流はん!?今士道はんとキスしてはりませんでしたか!?渇探流はん!?」

「カトゥールカトゥールカトゥールカトゥールカトゥールカトゥールカトゥール」


化け物どもから少し離れた位置で、黄船と響がそれぞれ、渇探流の名前を呼んでいる。


「ウィルフレッド———俺は、お前が許せない」

「渇探流君……?」

「俺は、唯一無二の、カトゥール・ウェンライト———医里、渇探流だ。『その他』と同じ扱いなど、許せない」

「……でも……渇探流君は……」

「鈍いな」


渇探流は、胡乱げな瞳で、ウィルフレッドを睨みつけた。


「『他』と、『俺』を区別できた時———その時は、考えてやるって、言ってんだよ、ウィル」

「………???……どういう、意味ですか……?」

「まあ、この調子じゃあ、そんな日は一生こねぇだろうな」


さざなみが、二人の間を割く。

———渇探流は、大声を張り上げた。


「カトゥール・ウェンライト———医里渇探流は、ここにいるぞーーー!!」


それは、存在証明以外の、なにものでもなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ