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中途半端は大変です!  作者: 平下駄
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表裏一体(終)

「簡単だ、こっちもイカサマをした」

「え?」

 ソラは驚きの声を出す。夢路はポケットからトランプを取り出す。


「今日俺が部室に持ってきたコイツは、購買部で売られているものと同じ。この中からジョーカーとクラブの3を取り出して、それを入れ替えた」


「でも、トランプ自体は用意できたとして、実際どうやってそれをすり替えたんですか?」

「もちろん自前の腕さ。お前さんに話したところで詮無い話だがな」

 夢路は飄々と自身のイカサマを認める。人を呪わば穴二つ、囲碁部は自分のイカサマに注力しすぎるあまり、自分たちが仕掛けられるとは夢にも思っていなかったのだろう。


「勝ったのに、何か腑に落ちませんね」

「相手も卑怯者なんだ、こっちも優等生じゃいられない。それにあそこでのルールは、手札を無くした方が勝ち。それだけさ」

 わざわざルールを確認したのも、この主張を通すためか。今日一日で夢路は味方と敵の両方を作る形になったわけだが、果たしてこれから学園生活はどうなっていくのだろうか。


「まあ、今日のやり方はチビ助の肌には合わないだろうがな」

「そうですね、私にはどうやったって将棋部の人たちを救うことは出来なかったと思います」

 ソラは少し俯いている。


「だが、お前さんにしか出来ないこともある。例えば、誰も敵を作らない戦い方とかな」

「どういうことですか?」

「何、そのうち分かるさ」

 夢路はそれが何かは言及しない。いつか分かる日が来ると確信しているのだろう。


   ***


 生徒会室の前。男は三回扉を叩く。

「はい、どうぞ」

 囲碁部部長の酒井が部屋に入室してくる。

「失礼します」

「酒井さん、何かご用でも?」

 生徒会長が椅子に座ったまま尋ねる。


「夢路龍に一泡吹かせたいです」

「なるほど、シンプルで良い意思表明です。まずは何があったか詳しく聞かせてください」

「はい、ありがとうございます」

 酒井は何を語るのか、そしてどの派閥に与するのか。それは火を見るよりも明らかである。

『このままでは終わらせないからな、夢路』

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