フランシーヌの場合は
22話 フランシーヌの場合は
昔、ある哲学者が、可愛がってた5歳の娘を亡くなし、娘のような人形を街で一番の職人に作らせ、トランクに入れ大切に持ち歩いていたという話がありました。
哲学者は、まるで生きている子供のように、いつも人形に話しかけていました。
哲学者は船旅に出ることになり、人形も当然のように箱に入れ連れて行きました。
やがて海が荒れだしました。
船の船長はおかしいと思いました。海が荒れる予報も前兆もなかったからです。
船長は船員におかしな話しを聞きました。
一人で乗って来た哲学者の部屋から会話をする声が聞こえたと。
船長はその船員と一計を案じ、哲学者を部屋から出し。船長が潜入すると、子供一人くらい入れる大きなトランクを見つけ開けてみると。その中には5歳児くらいの人形が入ってました。
この人形は悪魔の人形に違いないと思った船長は、トランクごと海に捨ててしまいました。すると、荒れていた海が静かになりました。
投げ捨てられた、人形の入ったトランクは何日も漂流していると、サカナのような形の船が現れ箱を拾い上げました。
船の中の男は、トランクの中を見てびっくりしました。
漂流で、いたんではいましたが、それは綺麗な人形でした。
男は殺風景な船室に漂流でいたんだ人形を飾りました。
ある夜、男が寝ていると声が聞こえました。
「フランシーヌは悲しい。フランシーヌは寂しい。フランシーヌは……」
と、男は人形が言っていると、気づきました。
「おまえはフランシーヌというのか」
海に潜れるサカナ型の船で海で暮す男は物を作るのが大好きな男。
ふと、男は思いました。この、海でいたんだ人形を綺麗に直してあげようと。
はじめて見た時に、この人形を作った人物はそうとう腕のイイ職人だと思ったので捨てずにいた男でした。
彼は直すと決めた時に人形職人に闘争心みたいなものが湧き。その職人以上の人形に作り変えようと作業にかかりました。
そしてどうせ作り変えるなら自分の好みに作り変えてみようと。
人形を作るのは、はじめてだったが、昔好きだった幼なじみの顔を思い出したりし、動く関節の手足を作り装着。5歳児くらいから十歳は上に見えるように作り変えました。
男は完成した少女人形を我が子が成長した姿を見るように喜びました。
それからしばらくして男は久しぶりに陸に上がることにしました。もちろん人形も連れて。
「と、こんな話よ。クロエがカフェで見た絵本は」
「あのママーネさん、ママーネさんが作ったという朋ちゃんのぬいぐるみのモデルが出てこなかったんですけど」
「あーソレはね、陸に上がった人形の冒険譚に出てくるの。あの店になかった?」
人形の冒険譚って、自力で動くの新しい人形は。今度行ったら、たしかめよう。
「あまりよく棚を見てなくて。あの、人形が冒険するんですか?」
「そうよ、そんな童話たくさんあるでしょ。懐かしいねぇあのカフェ。私がまだ、このマンションに入るずっと前にあの店に行ってた頃、私もクロエみたいに若くて」
よくあるの?
あたしは「ピノキオ」しか知らない。人形の冒険物語なんて。
「あのぬいぐるみ。ママーネさんが作ったならアレはなにか知ってる?」
マナがあたしの思ってるコトを。
「アレがナニかは絵本見たって書いてないわ」
「そういえば、あの絵本文字がなかったわ。でも、ママーネさんのさっきの語りは、まるで小説でもを読んだようでしたけど」
「あの筋は私の勝手な思い込み。それから、わからないトコはマスターに聞いたの。マスターの話も聞いていたから細かいトコとか、わかったの」
「それから人形の名がなんでフランシーヌとわかったんです? 文字がないのに」
「ソレはあの本のタイトルがフランシーヌだからよ。コレもマスターに聞いたわ」
「少女の人形が、フランシーヌなら、あのぬいぐるみは?」
「名前ねぇ。マスターが言ってたプッテって」
つづく




