朋とカフェ
23話 朋とカフェ
さすがにあたしも学生。今日敵を倒さないと世界が滅亡してしまうなんていうヒーロー物ではないので月曜は学校へ。
巫女音朋は来ているのか。
学校へ行くと言って午後はいつものようにカフェで、お茶タイム。
「ねぇ駅前にあるカフェ知ってる?」
「駅前にカフェとかあったけ? あたしはこんな田舎の駅前とか寄らないから駅前になにがあるのか知らないわ」
「知らない。そこに何か美味しいスィーツでもあるのクロエ?」
スィーツ好きの聖子らしい。
「たまたま見つけて入ったんだけど。コーヒーが美味しいの」
「ココより?」
「ええ」
帰宅途中。二人を連れて例のカフェに。
「アレ、確かこの路地入った所に」
「見つからないのクロエ。あと十分で見つからなかったらあたし帰るよ」
時計を見ながらモリーが。
ココの駅は快速電車が止まらないので、この時間だと次の電車まで一時間近く待つことになる。
「わたしもわるいけど」
二人はここから一時間弱の大きな駅から通っている地元民だ。
勘違いしたかと反対側の住宅地の方に行くが、見つからな。
タイムリミット。
あきらめて二人は帰った。
なぜあの店に行けない?
あたしがぼーっと駅前に立ってると。
「クロエ」
「あっ、ビックリした。朋ちん」
「朋ちん? クロエ、何してる?」
相変わらずボーッとした半開きの目であたしを見る巫女音朋だ。
やっぱりあの「プッテ」を抱いている。
「あ、朋ちんとこへコーヒー飲みに行こうと探してたの。なんでか見つからないのよ」
「そう。来て」
朋は、はじめに行った路地に入って行った。
あっ、ヤッパあってたんだ。
「こっち」
えっ、そこは壊れたレンガの穴。ネコの通り道じゃないの?
朋はそこに入って行った。待ってよ。昨日はちゃんと。
穴から出ると店の建物が。ココは。
「裏口。表から入るとジジうるさい」
ジジって。あたしはお客で。
「おかえり」
「こんにちはマスター」
「クロエさん、今日も……ありがとうね」
なんで、礼を言われた。
「ジジ、コーヒーをお願い」
朋は、客席の方に行き奥のテーブル席に座った。
しばらくの沈黙。ナニを話そうか考えていたら。
「どうぞ」
「あ、マスター。昨日のこと話したら、ママーネさんがよろしくって」
「そうかい」
「ママーネさんがあたしくらいにココに来ていたと。やっぱり美人だったんでしょママーネさん」
「ああ、ミス・フランスかと思ったくらい」
「朋ちんは、ママーネさんと会ってなかったの?」
「ああ、朋は知らないんだ」
「でも、そのぬいぐるみは」
「それもじゃ。朋はもともと別のトコに住んでいて、ここには居なかったし、あの子が来ていた頃はまだ」
あ、そうか。ママーネ婆さんが、二十代の頃はあたしも朋も生まれてない。当然よね。
朋が知ってたら、あたしより年上なんてもんじゃない。
「ココに来て朋ちんはそのぬいぐるみ、マスターにもらったの?」
「コレは誕生プレゼントでジジから送って来た」
えっ、そんな不気味なのを誕生プレゼントで。
マスターどういう趣味をしてんの。
「そいつは昔々の神様でな、お守りにと、やったんだ」
「コレ、ママーネが作ったの知らなかった」
「マスター、この不気味なの神さまなんですか」
「そうだ、太古の地球に降りた初神の一柱。プッテだ」
「あ、マスター。そのプッテが出てくる動く人形の冒険譚の絵本ありますか?」
「そんな話までしたのかあの子は、残念ながらクロエさん。その本は今はないんだ。海外の友達に送ってしまったんでね」
そうなんだ残念。あの不気味ぬいぐるみの元の絵見たかったのに。
「あの子がモデルにしたのあったな。朋に見せてもらいなさい」
なんか、心読まれた?
「ジジ、アレ見せていいの? ママーネに怒られない」
どういう意味?
朋が、自分の部屋に降りて持ってきたのは。
分厚い美術書とか思ってたんだけど。それは薄いグラビア誌。
コレに。
「昔のテレビドラマのエイリアン。コイツがモデルとジジが」
「モノクロ写真。ホントにあたしが生まれる前の作品だ。なるほどちょっと似てるけど、足は二本だ」
「わしがイメージした絵本の絵がそいつに似てたんだそうだ。わしは似てないと思うが」
マスターがコーヒーカップをふきながら言った。
「あの逆にマスターと同じ神を参考にドラマのデザイナーが、ってコトありません?」
「どうかな? そいつかなりマイナーな神だからあまり一般には。ありえなくはないがな」
「話は変わるけど、昨日の帰りは久能太郎が。あいつは、ローグ・ネルは。悪霊とか悪魔のレベルではないって。そんなにスゴい奴なのかと聞くと。さっきの話じゃないけど外から来た存在、この星ではない所。から来たんじゃないかって。そいつが悪魔のマネゴトしているんじゃないかって」
「たびたび口をはさんですまんが、悪魔ローグ・ネルと言ったね」
「知ってるんですかマスター」
つづく




