4 帰蝶様は帰蝶様
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「帰蝶様?」
襖の向こうから、女性の声がした。
玲奈の身体が固まった。
(今、何て言った?)
「帰蝶様。お目覚めでございますか?」
(きちょう……? え、機長? 違うか……。まさか、帰蝶?)
その名が、頭の中で何度も繰り返された。
斎藤道三の娘。
織田信長の正室として知られる女性。
玲奈が、つい昨夜まで夢中になって調べていた、あの帰蝶だ。
「……うそ」
声がかすれた。
「帰蝶様? お加減はいかがでございますか?」
玲奈は答えられなかった。
返事をすれば、何かが決定的になってしまう気がした。
これは夢だ。
そうに決まっている。
帰蝶は戦国時代の人間で、今は令和だ。スマートフォンがあり、飛行機は空を飛び、月にだって行ける時代だ。
何百年も昔の人物が、生きているはずがない。
それなのに…。
「……はい」
玲奈の口から、か細い声が漏れた。
「あ、あの……目を、覚まし、ました……」
「まあ、ようございました」
襖が開いた。
入ってきたのは、十代後半から二十代くらいに見える女性だった。玲奈とそう変わらない年頃だろうか。
藍色の着物を身にまとい、黒髪を後ろでまとめている。長い髪は背中にまっすぐ垂れ、動くたびにかすかに揺れた。
(この人も髪、長っ……!)
今の自分の髪もめちゃくちゃ長いことを思い出し、玲奈は思わず髪に手をやりかけた。
けれど、今はそんなことを気にしている場合ではない。
女性は玲奈のそばまで来ると、ほっとしたように微笑んだ。
「昨夜は、ずいぶんお苦しそうでございました。今朝になってもなかなかお目覚めにならず、心配しておりました」
「昨夜……?」
「はい。時折、うめき声が聞こえておりまして……。何度お呼びしても、お返事がなく……」
女性は、玲奈の顔をのぞき込んだ。
「まだ、お具合が悪うございますか?」
どうしよう。
何と答えればいいのだろう。
あなたは誰ですか。
ここはどこですか。
私は一ノ瀬玲奈です。
帰蝶なんかじゃありません。
そう言いたかった。
けれど、女性は本気で玲奈を心配している。冗談を言っているようには見えなかった。
玲奈は、震えそうになる声を抑えながら尋ねた。
「あの……ここは、どこですか?」
女性がきょとんとした。
「ここは、美濃の斎藤家のお屋敷、帰蝶様のお住まいでございますよ。何をおっしゃっておられるのですか?」
美濃。
斎藤家。
二つの言葉が、玲奈の頭に突き刺さった。
美濃は、現在の岐阜県南部にあたる地域。
そして、この頃の斎藤家を率いているのは、斎藤道三。
その娘が――帰蝶。
今まで学んだ知識が、目の前の現実とひとつずつ結びついていく。
玲奈の喉が、ごくりと鳴った。
「……斎藤、道三?」
「はい。あなた様のお父上様でございます。本当にどうされたのですか?医師をお呼びいたしましょうか?」
お父上。
つまり、この女性は私を道三の娘だと思っている。
いや、違うか。
この人には、私が道三の娘にしか見えないんだ。
「……そんな」
玲奈は両手で口元を押さえた。
「どうされましたか?」
頭の中に、昨日大学で飽きずに読んでいた歴史の本の内容が浮かぶ。
斎藤道三。
美濃の蝮。
織田信長。
明智光秀。…本能寺の変。
そして織田信長の正室、帰蝶。
まさか。
本当に、ここは――。
「私……」
言葉が続かなかった。
女性が不安そうに身を乗り出す。
「帰蝶様?」
玲奈の背筋を、冷たいものが走った。
自分は今、誰なのだろう。
一ノ瀬玲奈なのか。
それとも、斎藤道三の娘、帰蝶なのか。
「……私は、帰蝶……?」
つぶやくように尋ねると、女性は不思議そうに首をかしげた。
「何をおっしゃいます。帰蝶様は、帰蝶様でございましょう?」
それは、きっと今の状況下では当たり前の答えだった。
当たり前すぎて、玲奈には何も言い返す言葉もなかった。
私ごとですが、数年前の健診でγ-GTPが通常値の4倍あって(´Д`ι)さすがの私も翌年の健診時には1ヶ月禁酒したんです。
それまで365日飲み続けていたのですが、(買っただけ飲む人)ノンアルビールで我慢してました。
そしたらなんと!酒が飲めなくなりました(TωT)
アルコールを水のように飲んでいたのに、ビールはノンアルの方が美味しくてなってしまって、グレフルサワーなども3%のやつを炭酸で割って飲んでますwww(何パーだ?)
飲まなきゃ良いのに、なぜ飲むかと言えば…忘年会の時、上に「君が飲まなきゃ誰が飲むんだ!飲まないと場が盛り上がらないだろ!」…と言われ、少しずつ鍛えて直しています(笑)
アルコールやめたら、めっちゃ顔に出るようになって、真っ赤になりながら3%を炭酸で割って、薄めたグレフルサワー飲んでいる今日この頃です…




