3 知らない世界、知らない私
読んでいただきありがとうございます!
(いたたっ!)
首から背中にかけて、鈍い痛みが走り目を覚ました。まるで、変な体勢のまま眠ってしまっていたかのような痛みだ。
(なんなの?もう!いたたたっ!私、どうしたんだっけ?)
一ノ瀬玲奈は、ゆっくりと目を開けた。
「……ん」
初めに目に入ったのは、太い梁が渡された板張りの天井だった。
…見覚えがない。玲奈はまばたきをし、もう一度天井を見上げた。
やはり知らない天井だ。
遠くから、風に揺れる木々の葉擦れが聞こえてくる。
いつもなら聞こえるはずの、家電の駆動音も、車の走る音も人々の話し声すら聞こえない。まるで、世界から音が消えてしまったかのようだ。
背中に感じる畳がひんやりと冷たかった。
「……え?知らない天井?ここ、どこ?」
声を出した瞬間、玲奈は息をのんだ。自分の声なのに、いつもより高く、柔らかい。耳に届いたその声は、聞き慣れた自分の声ではなかった。
「はっ…?」
もう一度声を出そうとした。けれど、その前に鼻先をかすかな香りが通り過ぎた。乾いた木の匂い、新しい畳の匂い…。そしてほんの少しだけお香のような香りが混じっている。
知らない場所のはずなのに、その匂いを嗅いだ瞬間、胸の奥がかすかにざわついた。
(……なんだろう?この感じ)
初めて嗅いだはずの香りが、なぜか遠い記憶に触れたような気がした。
玲奈は身体を起こそうとして、自分の腕に目を留めた。淡い藤色の着物を着ていた。
「…なんで?」
袖口から手を覗かせると、白く細い指先が目の前に現れた。
玲奈は思わずその手をひらひらと動かした後、1本ずつ動かしてみた。自分の意思通りに動くけれど、見慣れた自分の手とは違う。
(ネイルもしていない…こんなの、私の手じゃない)
そう思った瞬間だった。肩から何かがさらりと滑り落ちた。
「え?」
胸元に落ちてきたものを、玲奈は呆然と見つめた。
それは髪の毛だった。
しかも長い。信じられないほどに長い!
玲奈の髪型はミルクティーグレージュのショートボブで、肩に付くか付かないかの所をキープしている。それなのに今…自分の胸元には黒く艶やかな髪が、幾筋も流れていた。
手で梳いてみると、するりと指の間から髪が落ちていく。
「…嘘でしょ?」
肩より遥か下まで伸びた髪は、少し身体を動かすだけで、背中からさらさらと流れ落ちてくる。
「ちょっと…待って」
玲奈の心臓がドクンと大きく鳴った。
夢だろうか…それとも何かのイタズラ?
いや、こんな事が現実に起こるはずがない。
部屋を見回してみても、鏡らしきものは見当たらなかった。
確かめたい…でも見るのか怖い。
恐る恐る自分の顔に触れる。柔らかな肌、透き通るように白い指。そして引っ張っても取れそうにない長い髪。
「…私の身体じゃ、ない?」
口からこぼれた落ちた声は、やはり自分のものではなかった。
玲奈は立ち上がり部屋を見回した。畳だけの部屋、木の柱、部屋の仕切りは障子と襖。隅には見たことのない道具が置かれている。
テレビも、冷蔵庫も、ソファも、…もちろんスマホも見当たらない。
「……マジでどこなの、ここ?」
声に出してみても、答えてくれる人は誰も居なかった。
自分がまさか、アニメのような台詞を口にするとは思わなかった。
玲奈は必死に、ここへ来るまでの事を思い出そうとしていた。
講義を終え、駅へ向かっていた。薄暗くなった空には、半月が浮かんでいた。
その月を見上げた瞬間、胸の奥がざわつき、周囲の音が遠のいていった。
半月が二つ、重なっていくように見え、やがてそれは一つの満月のような光となり、その光の中から誰かの声が聞こえたのだ。
「そうだ! 私、帰り道で……!」
玲奈は顔を上げた。
あの後自分は倒れたのだろうか。
救急車で病院へ運ばれたのかもしれない。
けれど、もしそうなら、なぜこんな場所にいるのだろう。
目の前にあるのは時代劇の舞台のような部屋。
自分が着ているのは、見たこともない着物。
そして、自分のものではない手と、長い黒髪。
「夢……?」
頬をつねる。
「痛っ!」
痛みは、はっきりとあった。
玲奈は深く息を吸った。
落ち着け!
まずは状況を確認しなければならない。
ここはどこなのか。
なぜ自分はここにいるのか。
誰かが運んできたのか。
考えなければならないことは、いくらでもあった。
けれど、どれだけ考えても、答えは出てこない。
「……お母さん、どうしよう」
思わずこぼれたその言葉に、玲奈は急に心細くなった。
いつもなら、困ったときにはスマホを手に取ればいい。母に電話することだってできる。
けれど、今はそのスマホさえない。
見知らぬ部屋で、見知らぬ身体に閉じ込められたような感覚。
玲奈は、長い黒髪を握りしめた。
一一そのときだった。
うちにはもうすぐ17歳になる元ミニチュアダックスがおりまして…
何が元かと言うと…なんと体重が11.9キロ(´Д`ι)
5月に椎間板ヘルニアになり、ドクターに痩せろと言われ(当たり前じゃ!)ダイエット中なのですが、全く痩せません( ̄ー ̄;)ゞ
しかーしなんと!ウエストは60センチから57センチになりました( ー`дー´)キリッ
目標は成人式を迎える事。ここまで一緒に生きてきたから、本当に大事な大事な子です。
ヘルニアも体重もなんのその。
ちょっと右後ろ足が弱いですが、歩けるようにもなりました。
応援よろしくお願いいたします。痩せろーと心の中で叫んでくださいませ(笑)




