3-2. ロイの記憶
3-2. ロイの記憶
「パーティは6人でしたよ。後はあっしでさぁ。」
ヴェルスとマクシムは顔を見合わせた。
「エルフの女治癒師がいただろう?名をデリヴァという。」
「えっ?!」
ロイは考え込んでしまった。
「うーん…。」
ヴェルスは固唾を飲んで見守った。
ーーいませんよ、そんな者、とも言わぬ…。
「いたような、気もするんですが、覚えてないって言うか、思い出せないっていうか。なんか、懐かしいような大切な気がしますが、顔も、名前も…。あれ?」
ロイは涙が出て止まらない自分に戸惑っていた。
「完全に否定はしないんだな。」
「思い出せない…。けど、居なかったと言っちゃいけない気がするんでさぁ。」
「オブリスからの調書にはこうある。お前と、パーティ6人、女治癒師デリヴァが乗っていた。山賊を無力化後、お前も手を縛るのに参加したんだよな。」
「え?あ?縛りましたね。確かに。なんで動けなくなってたんだ?」
ヴェルスとマクシムは頷き合った。
「ありがとう。分かったよ。忙しいのに調査協力に感謝する。また、必要があれば連絡させてもらう。」
「え、ええ。取り乱してすいやせんでした。あの…。」
「どうした?」
「バーサーカーも口裂け女もいません。あの…思い出せないけど、その治癒師さん?多分いい人だと思います。わかりませんが。」
「分かった。気に留めておく。」
ロイは納得がいかないのか何度も首を捻りながら詰所を後にした。
「これは、いよいよ、オブリスらに聞き取りをしなければならぬ。」
ヴェルスはため息を吐いた。




