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4-4.寝不足の朝

4-4.寝不足の朝

 「もももも、申し訳ございません。」

 寝坊したのか、ルイザは大慌てで朝の支度を始めた。

 「夜中に賊が入って大捕物があったからね。みんな眠いんだ。」

 「私ったらそれに気づかず…。寝坊までしてしまいました。」

 「私もお昼まで寝かせてもらうよ。お昼に起こしに来てくれる?それまで寝る。」

 デリヴァはもう一度布団にもぐり込んでしまった。


 ルイザは慌てて厨房に降り、伯爵らの食事の準備を整えた。

 それを見てロミルダが微笑んだ。

「ルイザ。おはよう。無事に起きたのね?」

「奥様、無事も何も…。大寝坊しました。デリヴァ様はお昼まで眠りたいそうです。」

「ああ、そうね。昨日大活躍でしたから。やはり来て頂いて正解だったわ。」

「御館様も奥様も、朝食をお召し上がりですか?」

「そうね、頂こうかしら。あの人もそろそろ起きてくるわ。」

 

 デリヴァが眠い目をこすって降りてきたのは、昼食時だった。

「おはようございます。もうこんにちはかな。」

「デリヴァ様、昨夜はアサシンを無力化して頂きありがとうございました。」

「こちらこそ、何人か打撲させてしまって申し訳なかったです。」

「あ、でもヒールは良いですから。モーンゼーンは忘れぬ家ですからな。」

「そうでしたね。」

 ニコラとザシャも二度寝から覚めてきたようだった。

「デリヴァ様。ごきげんよう。昨日は賊を退治して下さってありがとうございました。」

 ニコラは昨日アサシンが捕まったことで、震えず微笑みを見せた。

「ニコラ様、ごきげんよう。どういたしまして。」

「私からも感謝申し上げる。」

 ザシャも素直に頭を下げた。

「いえいえ。そういうお役目ですからね。お昼、食べましょう。」

 デリヴァは朝寝のせいで空腹である。昼食の香りに鼻をひくつかせていた。

「デリヴァ様には、お肉一つ多くサービスです。」

 ルイザがデリヴァのさらに、追加の肉を載せた。

「おお、ルイザ、気が利きますね。お駄賃あげましょう。」

 デリヴァはどこから取り出したのかレオ銀貨をルイザに握らせた。

「まあ!綺麗な。見たことのない銀貨です。」

「ふふふ。まあ、古銭だからね。出来れば換金しないで持っててくれると嬉しい。」

「分かりました!」

 ルイザはぱあっと笑みを見せると、給仕のポジションに下がった。

「ところで…。今更なんですが。」

 デリヴァはモーンゼーン伯爵に向き直った。

「何でしょう?」

「最近雇った使用人などのリストはありますか?」

「ああ、もちろん。これ、ラヘルお渡しして。」

「かしこまりました。どうぞこちらです。」

 ラヘルと呼ばれた黒髪のメイドが丁寧な所作でデリヴァに書類を渡した。

「このラヘルも半年前からウチに勤めてくれています。厨房や庭師にも数名いますよ。」

 ラヘルの手は水仕事や針仕事のせいか、それなりの使用人らしい肌荒れや小さな傷があった。

「ラヘルさんもどうやら働き者のようですね。」

 デリヴァは素直に褒めた。

「もったいのうございます。」

 ラヘルは恐縮して音もなく下がった。

「さて…。夕食が終わったら、少しご相談があります。」

 デリヴァはザシャを真っ直ぐに見た。 

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