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結婚したのに6年間無視され続けた私、本当の理由 〜原作にいない貴族令嬢は世界を変える〜  作者: 唯崎りいち
第三章 静かなる聖地、それは光

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聖地に灯る皇帝の光

 僕、アイゼルは、倒れたクレアを起こそうと思って止める。


 今の僕の姿は見えないから、クレアが宙に浮かんで見えてしまう。


 辛そうな体勢にはなっていないから、このままにでも大丈夫だろう。


「あーあ、アイゼル様が驚かすからクレア様が倒れられてしまった」


 ボートの櫂を漕ぎながらレオンハルトが言う。


 僕の事は見えていないし、ボートに転移する計画は伝えていないが、動揺していない。


 レオンハルトが、何かクレアちゃんと話していたみたいだったから、それが原因じゃないのか?


 まあ、急にボートが揺れてここにいない人の声が聞こえたら怖くて気絶するだろうけど。


 僕はレオンハルトに向き合う。


「僕に聖地で何をさせるつもりなんだ」


「わかりません。俺は皇帝の命を受けただけで、“アレイウスが知っている”だろうとだけで、聖地の案内するようにと」


 アレイウスは僕の本当の名前だ。


「聖地に案内ね……」


 レオンハルトも案内できるほどはよく知らないだろう。


「ボートでこのまま向かう」


 僕が言うとレオンハルトは驚いた。


「いいんです

か? 教会のものから丸見えですよ」


「お前だって、そのつもりだっただろう。これから僕がやる事は、教会に隠しておける事じゃないんだ。出来るだけ、見つからないように近づいて時間は稼いでくれ」


 レオンハルトはうなづくとボートを聖地の方に慎重に近づけていく。


 クレアちゃんが倒れたことも、見てるものがいたら不審に映っただろう。


 ミアがボートを漕いでいるがあまり上手くない。

 ギリアムとの喧嘩がどうなるのか、周りの注目は集めていると思う。

  少しでも注目を逸らしてくれているといいが。


◆◇◆


 聖地は霧に覆われていた。


 運がいい。


 もしかしたら、霧のおかげで誰も僕たちが聖地に近づいた事に気づかなかったかもしれない。


 僕は自分にかけていた姿を消す魔法をやめた。


 ボートの上のクレアを起こそうとするが、まだ寝ているので、体勢だけ整えて寝かっせておく。


 湖の中心にある聖地は、岩で覆われた小さな島の中心で、湖の底から噴き出したガスに火が灯っている。


 波が火を飲み込んでも、強い風が火を煽っても、消えない炎が岩の大地にあった。


 ここが、四大精霊の交わるところ。


 神秘的な感じはあまりしないな。


 岩が平らになっていたり階段状になっていたり、教会側が儀式をするのに使いやすく整えられている。


 クレアをボートに寝かせたままに、岩で出来た島に飛び乗った。


魔力は弱くなっている。


 聖都ヴァティウスについてから……いや、その前から魔力が減っている気配がしたが、この聖地の魔力が減っていたのかが大元だったんだ。


「どうするんですか、アイゼル様」


 ボート上のレオンハルトが言う。


 ぼくは隠し持っていたペンダントをとりだした。


 レオンハルトが息を飲んだ。


「それは皇帝陛下のもの!」


 ターニアと一緒に辺境の城砦に届けられた物だ。


 マーシャルとルークが連れてきた赤ん坊が、皇帝の子供だと証明するために届けられたのだと最初は思った。


 皇族の血が無ければ触れない、強力な魔力を秘めた魔石でペンダント。


 だが、どこかで違うと思っていた。


 皇帝の子だと証明する為だけなら別のものでも良かった。


 僕がこの魔石のペンダントを持って帝国に対抗するつもりになれば、かなり危ない事ができた。


 それでも僕を信じて、皇帝が渡してくれた。


 そう言う信頼の証なのか……?


 やはりそれだけではない気がした。


 辺境の城砦を離れる時に、ターニアと共にペンダントを置いていけないから持ってきて、聖都ヴァティウスの魔力の現象を知って、もしかしてと思った。


 レオンハルトの存在で確信に変わる。


 皇帝——兄上は、僕に聖都ヴァティウスの魔力減少を解決させようとしていた。


 僕は聖地の炎に先の魔力に集中した。


 炎がどこか弱々しい。


 水や風も魔力が弱っているから、消す力が弱く、均衡を保っている。


 この聖地の炎たちは、実施の四大精霊の魔力を司っているわけではないが、魔力の流れを感じるにはちょうど良かった。


 聖都ヴァティウス周辺の大地の深いところに眠る魔力はまだ残っているが、表面の魔力を流す道が所々詰まっている。


 そして、穴がああいて、本来なら表面に流れてくるはずの魔力が半分、元の場所に戻っている状態だ。


 ペンダントの魔力で詰まりを解消して穴を塞ぎ、空洞の部分に魔力を流し込めば正常な状態に戻るだろう。


 僕がペンダントを掲げた時にちょうど、クレアが目を覚した。


◆◇◆


 私、クレアが目を覚ますと、見知らぬ場所にいた。


 ボートに乗っていたはずと思ったら、まだボートには乗っていて、レオンハルトがまだ櫂を持っている。


 ただ、岩と霧に囲まれたこの場所で、櫂を漕いではおらずに止まっている。


 見ると岩でできた島の上にアイゼルがいた。


 そういえばアイゼルの声が聞こえて、気を失ったんだった。


 ボートに乗ってきていたの?

 状況がわからないけど。アイゼルはペンダントを掲げていた。


 二度ほど見た事があるけど……。


 強大な魔力を秘めた皇帝陛下のペンダントで、街を一つ消せるくらいの力があるって……!


 アンゼルがそんな物を使うつもりなようで、一瞬で寝ぼけていた頭がスッキリした。


 ボートの板の上の寝ていた身体は十分に動かない。


 心ばかりが焦って何かしないとと思っていいるけど、何をすればいい?


 アイゼルはペンダントを掲げて何をしようとしているのか?


 ただ、ペンダントから光が溢れる美しい光景が広がった。


 炎がパッと燃え上がりアイゼルよりも大きくなると、風が水を縁をかくように持ち上げて炎を覆う。


 岩の大地の中心で幻想的な光景が広がった。


 それを見て、私はここが聖地なんだと思った。


 湖の水に光が走っていく、湖面の光の反射で霧を晴らしていく。


 聖都ヴァティウスの大聖堂のあるし島にも光は達して、桟橋で聖地を監視していた教会の騎士にも異常は伝わっただろう。


 多分、アイゼルとレオンハルトがボートで聖地に向かった時点で、追ってのボートがあったんだと思う。


 そのボートが光の魔力に呆気に取られた後に、真っ直ぐこっちに向かっている。


 アイゼルはペンダントを掲げるのを止めて私を見てた。


「クレアちゃん、目が覚めたんだね」


そう言って私のそばに来るけど、そんなのどうでもいい。


 気絶する前にも衝撃的な事を聞いた気がするけど。


 ずっと正体を隠して苦労してきたのに、アイゼルが自ら目立って正体をバラすような事するなんて聞いてない!

 

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