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頭越しに情報は飛んで行く
俺は蚊帳の外に置かれているのでは?40年余りの人生で何度そう思ってきた事か。川本大尉と出勤時にエレベーターホールでバッタリ出くわした時、事の成り行きを報告しようとしたら彼は既に知っていた。
「上手くいって良かったですね」
あれだけ斬首作戦に難色を示していたくせに。
「研究所のお偉方も喜んでいたそうです。昨日、長谷川技官が鈴木中尉にそう伝えてきたそうで。よっぽど腹に据えかねていたのでしょうね。それにしても」
川本はそう言って笑うと、
「冷や汗ものでしたけど過ぎ去ってみると拍子抜けですよ。ねえ?」
同意を求めてきた。
「・・・そうですね・・・」
そう返すのが精一杯だった。
それにしても朝一番に報告を求めてから研究所の上層部に連絡しようと思っていたのに、既に情報が出回っていたとは!幾ばくかの疎外感を覚えながら大隊長室へ向かう。足取りが重かったのは言うまでもない。




