ss 王のとある一日
はぁ....儂は、何をしておるのじゃろうか..........。
「父上、いかがなさいました?」
「おぉトールか。いやなに、貴族間での対立の事じゃよ」
「あぁ、新しく出来た国を放置するか滅ぼすか、ですね」
全く...頭が痛いわい。
そもそも、あの連中は魔王を捕らえる者達なのだ。勇者殿の助太刀も無しに滅ぼすなんぞ無理に決まっておろうに...。
「第一。俺ですら勝てないのに、あいつらはどうやって滅ぼすきなんすかね~?」
「アーモレットよ、やはり、お主でも勝てぬか?」
「無理っすね~。あの態度のデカい剣士相手に1分持てばマシな方でしょうし~」
やはり、無理なのか...。
ならば尚更のこと、滅ぼすのは無理なのだが、何より、仕返しで王都が無くなっては国民たちに申し訳ないからの......。
どうやって沈めるか...。
「お祖父様!」
「コラ!勝手に入ってきては駄目だろう?」
「良い良い。今日は特に予定は入っておらんから、来る者はおらんじゃろう。さぁ、おいで」
あぁ、癒されるのぉ。孫との時間が唯一の救いじゃ。儂もそろそろ隠居する予定じゃしの。この騒動を止めて、ゆっくり生活するのも悪くはないのぅ。
「父上、ここはひとつ。その国の王に相談してみては?」
「なに?あの、コンという王にか?」
「そうです。実は、彼は建国宣言をしたあと、私の所へ飛んできまして、『反乱等があったら、力になります。』と言ったのです」
「そ、それは本当か!?」
トールを疑っておる訳ではないが、それが本当なら王都が戦火に包まれることもなかろう。
が、それが本当だという証拠もない......。
あの王の国、コイリーフも、決して近い訳ではない。並大抵の者では力尽きてしまう。
......で、あれば。
「アーモレット。コイリーフへ行き、伝えてはくれぬか?」
「わかりました~。...ただ、その間王様は大丈夫ですか?」
..........真面目な口調になっておるな。アーモレットは、切実に儂を心配してくれておるのか...良い護衛を持ったものじゃ。
「確か、ガウェイスという、お主の友がいたであろう?」
「あぁ、それなら安心出来ますね...。んじゃあ、明日にでも出発ですか~?」
「そうじゃの。こちらでも、いろいろ準備をさせるでな。まぁ、出来るだけ早く戻ってきて欲しい」
「あ~、では、嫁も連れて行きたいんですが~...」
「あぁ、治療術士であったかの?」
「えぇ。馬の疲労をとってやりながら行くっす~」
「うむ。よろしく頼むぞ。トールも、教えてくれて、助かった」
「いえ、これは、皆の為になることですからね。なにより、未来の」
「..........そうじゃのぅ」
儂とトールは、孫を見つつ将来の話に華を咲かせた。




