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チート魔術師と神を斬る男  作者: 化原優介
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27.作戦会議

今回は少なめ3000字くらいです。

僕達はその日の内に城に戻って、意見を出し合っていた。

皆でかかり、倒すという意見。

倒そうとすれば、被害が大きくなる。だから、追い返すだけにするという意見。

様々な意見が出たけど、出ただけで何も決まっていない。


まぁ、相手は龍帝だしねぇ。


竜と呼ばれている個体より大きく、故に強い。魔法を無効化し、逆に操る事もある。

魔法は聖級以上じゃなきゃ通用しないし、この世界で1番か2番目くらいに強いかもしれない八雲 さんでも勝てない存在。人間ではどう足掻いても勝てないとされてる。


まぁ、人間......つまり、人族だけなら、だけどね。

闘族が、この世界で1番硬く、盾に適しているという金属で作った装備を着て攻撃を凌いで、獣人族が物理攻撃。鳥人族とエルフが魔法で攻撃。人族が後方支援に徹すれば、勝てる事は証明されてる。

何十年も前、まだ各種族の仲が悪く無かった時に、龍を倒したという記録が残ってる。今となっては、それは叶わないし、今ある戦力で切り抜けるしかない。話が通じれば良いけど、神の手先だとしたら隙をつかれて殺される可能性もあるから最低限の戦力は必要。

ほんとに大変だなぁ。まだ建国して日も浅いんだしさぁ。もう少し休みをくれても良いと思うんだ。

まぁ、仕方ないかな。神を殺そうって連中なんだし。


「このまま話していても埒があきません。僕らから出向きましょう」


「出向くって、自然での戦いでは向こうの方が経験があるだろうし、不利になる。それでもか?」


「むしろ、自然だからこそ。こっちが小さいのに対して、向こうは大きい。死角が存在します」


「うむ。つまり、1箇所に固まってやられる可能性を低くするという事であるな?だが......それでは、誰かがやられた時、治療が間に合わなくなるのでは?」


あれ、魔王はちゃんと考えてると思ったんだけどな?

いや、考えなきゃいけないんだ。


「相手は龍帝。攻撃を貰えば、それだけで死の危険があります。言い方を変えれば、一撃で死ぬ事がありえるんですよ?」


ブイさんとアルさんはいつもと変わらないけど、他のみんなはそれにやっと気付いたのかな。いや、気付きたくなかった。とか、そんな感じなのかな。


「僕だって、1人じゃ龍に勝つなんて事は出来ない。勝てるんなら、リオさんや、ブイさん、アルさんがもう神を殺してるよ。現実はそう甘くないよ。1人の犠牲もなく殺せたら、それはもう奇跡だよ?僕らは戦いのある世界に生まれたんだ。覚悟を決めて?」


僕の場合は、ヒュドラと戦ったときかな。初めは良かったけど、やっぱり、魔力がなくなってくると死を考えちゃう。だから、納得することで克服した。そんな事でできちゃうんだから、僕も少しおかしいんだろなぁ。

けど、覚悟がなきゃ、今回の戦いには連れていけない。ヒュドラとは違うんだ。

異世界の、強い人が四人いても、どうなるかわからない。

僕が最初から神級魔法をつかったとしても、わからない。

正直、誰かは死ぬと思ってる。そうならないように行動はする。けど


「この戦いは、死ぬことを想定して行く。よく考えて。別に、戦いに行かなくったって、それは悪い事じゃないし、格好悪い事でもない。普通だよ。勝てないから。怖いから。だから戦わないっていうのは、別におかしな事じゃない。明日の朝に出発する。門で集合。今日は解散」


ふぅ。何人来てくれるかなぁ。これで僕だけなら、不貞寝しよう。




「コン、まだ起きてる?」


「ディーネ?うん。起きてるよ。おいで」


どうしたのかな?なんて事は聞かなくていいよね。


「明日の事?」


「うん......」


やっぱりね。

ディーネがどう思ってるのかはわからないけど、悩んでるんだろうなぁ。


「ね、コン。コンは、何でそこまで頑張れるの?」


............。

答える事は出来る。けど、そういう事じゃないんだよね。


「私は、怖いよ。あの時みたいに、コンが大怪我、いや、死んじゃうんじゃないかって考えると、凄く、怖い。

コンはいつも守ってくれてる。けど、それは、コンが、私の分も危なくなるって事で......。確かに、私は、安心感があって、怪我すらしないけど、コンは......コンは、強いからって1人で戦って。

..............................私が怖いのは、私が怪我をしちゃう事や死んじゃう事じゃないの。ただ私は。コンが、心配なの......」


「大丈夫だよ......」


「あ............」


ディーネの頭を優しくなでる。


「僕は、ディーネがいるから頑張れるんだ。僕は正義の味方じゃない。神を殺そうとしてるのだって、世界を救いたいから、なんて大きい事じゃないんだ。ただ、ディーネと一緒にいたいから。皆で、楽しく暮らしていたいから」


そう。僕はヒーローじゃないんだ。勇者にはなれないし、なる気もない。


「だから、僕は神を殺す。殺した事で、この世界が無くなっちゃうかもしれないのに。でも、一筋でも可能性があるのなら、それにかけてみるのも、悪くないでしょ?」


あ〜あ。結局答えちゃってるよ。

でも、これが僕の全て。僕は、それだけ。勇者に知られたら怒られちゃいそうな理由。


「でも、僕はそれで良いんだ」


「......コンは、ほんとに凄いね。でも、全然変わってない」


「え?そうかな?」


「そうだよ。コンは気付いて無かったのかもだけど、興味の無い人にはとことん無視を貫いてたからね」


そうだったっけ?

確かに、肉屋のおじさんとか、漁師さんとか、話したことの無い人は沢山いるけど......


「うん、決めた!明日、私も行くね!」


「え、いいの?ほんとに危ないよ?」


「いいの!............コンが守ってくれるって信じてるから」


っ?!


............は、反則だよ。そんな嬉しそうな顔しながら、そんな事言うなんて。


「ディーネ」


明日は絶対、帰ってこようーーーーーーーー



「皆!集まってくれてありがとう!僕らは、これから北東に、龍帝が向かってきている方角に進む!」


「「「うおおおおおおおおお!!!」」」


「自分の出来ることを精一杯やって欲しい!お互いに助け合いつつ、誰も犠牲者を出さないようにしよう!」


「「「うおおおおおおおおお!!!」」」


「では、第一部隊、進め!」


「行くぞぉ!」


「「「おおおおおおお!!!」」」


報告書を見る限り、合計千人近くの魔族が集まってくれた。しかも、ちゃんと統率のとれてる良い軍だ。多分、魔王が揃えてたんだね。

なんならヒュドラも殺さずに残しとけば良かった。

でも、ここにいるのは5人もいればヒュドラを倒せる強者ばかり。冒険者なら、Aランクが最低で3人いなきゃ勝てないような魔族。

今回は壁を務める、約200人の第一部隊。

相手を魔法で攻撃しつつ、龍帝の魔法を打ち消す、800人の第二部隊。

そして、指揮を取りつつメインの攻撃を仕掛ける、僕ら遊撃部隊。


ブイさんには前から頼まれてた武器をつくったし、エルフは第二部隊。遊撃部隊は皆それぞれ攻撃手段を持ってる。作戦も、一応立てた。

後は、僕達の気持ちの持ちよう。


「第二部隊、進め!」


「「「うおおおおおおおおおぁ!!!」


第一部隊より数が大きい第二部隊は、それこそ城下町にも響き渡りそうな程の声を上げて進み出した。


後ろを向けば、

ディーネは闘神の弓を持ち。

ブイさんは黒く光る長い武器を、カチャと鳴らし。

アルさんはどこに持っていたのか、長い槍の石突きで、軽く地面を叩き。

魔王は静かに頷き。

リュウジさんとミノリさんはそれぞれの武器を軽く上げて。

皆、示してくれた。


「じゃあ、僕らも行こう」



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