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チート魔術師と神を斬る男  作者: 化原優介
26/50

23. 冒険者

少し長くなりました。

「はぁぁ〜」


2人が同時にため息をつく。僕とブイさん。

僕は面倒事に巻き込まれそうだと感じて。

ブイさんはくっついて離れないエルフを見て。


僕達は、冒険者組合の前まで来ていた。

皆が違う表情をしている。

僕は言わずもがな。ディーネは、初めて見る冒険者組合への期待で輝いてる。......うん。僕からそう見えるだけ。だって可愛いんだもん。

リオさんは、これから会うであろう人への警戒と期待心が入り混じってるけど、渋い顔をしてる。

ブイさんは、くっついてるエルフに離れてほしそうな顔をしている。

アルさんは、ブイさん達を見て凄く不機嫌そうな顔をしてる。

その元のエルフは、ブイさんにくっついて幸せそうな顔をしてる。

魔王は、街を眺めて、賞賛しながら楽しんでる。

楽しくない組、3人。

楽しい組、3人。

警戒しててそれどころではない人、1人。


「リオさん、早めに行きましょう。これ以上は危険です」


「ん............?あぁ......そうだな。行くぞ」


リオさんが僕の言ってる意味を理解して組合の中に入っていった。

あと少し遅ければ後ろで戦いが始まってたよ。アルさん怖い。


「うわぁ、凄い!」


ディーネ、はしゃぎ過ぎだよ。

......うわぁ、本当に凄い。無造作に置かれてるように見える机も、隣の邪魔にならない絶妙な距離で置かれてる。しかも、武器を置きやすいように1部出っ張らせてある。椅子も、座ってみないと詳しくは分からないけど、角度とか、疲れにくいような造りになってる。照明は魔法道具かな?1つの机につき1つあって、自由に動かせる。机の上で浮かばせることも出来るなんて。扉も、リオさんが開けているところを見る限りでは、少し力を込めるだけで開くようになってる。なのに風こたでは開かない。

............って、ディーネはそこを見て凄いと思った訳じゃあ無いんだろうけど。

小さい頃から冒険者に憧れてたもんなぁ。冒険者ゴッコに付き合わされたっけ。

っと、目的忘れてた。


「リオさん、誰ですか?」


「細かい位置はスキルでは分からないんだが、転移者なら、見分けるのは簡単だ。転生者が髪を染めて黒くする線も有り得るがな」


黒髪............あ。いた。


「ほぅ......俺達以外の奴らか。俺は初めてだな。おいリオ!いきなり剣を向けるんじゃないぞ?」


「分かってる。全員揃えたのは念のためだ」


あ、今サラッとダスティさんのこと除外した。


「......行くぞ」


それにしても、随分と奥にいるなぁ。遠くてかなわない............あれ?

あの人達の周りの机が使われてない?......まさか!

..................やっぱり。他の冒険者が憧れの目で見てる。つまり、それ程までに強い、ひいては、ランクが高いという事........あれ、この世界にランクって言葉はあるんだ?

さて、着いちゃったよ。


「なぁ、話があるんだが、いいか?」


「え?あ、良いですよ!ってあ、椅子が足りん。椅子何個か持ってきて」


「もう、机もいるでしょ?」


「あははは。椅子全部宜しく」


..........................................え?

(間違いない。コイツらだな)

今のどこに確信させる物があったんですか。

でも、なんというか............軽い。もっと堅いと思ってたんだけどなぁ。


「よし、さぁ、どうぞー」


「悪いな」


「ん。じゃあ、遠慮なく」


流石異世界人。元々住んでた所が同じだったらある程度は気軽に接する事が出来るみたいだね。


「ほら、お前らも座れよ」


「お邪魔しまーす」


(お前も充分気軽じゃないか)

いえいえ、それほどです。


「お、お邪魔します......」


「盟友と同じ髪?珍しいな......宜しく頼む」


「我は魔......ま....マソロフという!以後、宜しく」


「え〜と。え〜と.........名前何でしたっけ?まぁ、宜しくお願いしますです」


魔王は後でちょっと呼ぼうかな。

さて、と。

机を並べた、黒髪でリオさんよりカッコイイ男性......歳は、15はいってて20はいってない感じかな。コートを着てて詳しくは分からないけどおそらく、剣を2振り。防具は、着てても鎖帷子かな。鎧だと、コートで隠しきれないし。

椅子を運んでた女性は......歳はあの人とあまり変わりなさそうだけど、見た目に騙されちゃいけない。何百年か生きてても見た目は子供に近い人だってーーーーーー痛い!すいません。謝りますからつねらないで下さい!

......で、こっちは魔術師かな。剣を持ってるようには見えないし。

でも.........魔力を感じれない。隠してる?でも完全に隠すことなんて出来るのかな?これもスキルのーーーーーーーーーーーー


「人をジロジロ見すぎだ」


「痛っ!」


うぅ〜痛い......。わざわざ叩きに来るなんて、リオさんには後で魔法の練習台になってもらおう。僕はこれでも痛いのに弱いんだから。


「まぁまぁ、危険が無いか調べてたみたいだし、良いでしょ?」


「.........あんた達がそういうなら良いが、まぁ、俺が悪かったんだ。すまない」


「まぁ、同郷のよしみで、ね。良いよね?」


「うん。良いよ。こんなに強そうな子から警戒されたって事は、私たちも強くなってるってことでしょ?」


あぁ、王都には人の強さがわかる人がいっぱいいるなぁ。いやになっちゃう。

リオさんはリオさんで、俺が悪かったんだ。とか、思考が物凄い人なら僕達が同一人物だって分かっちゃうようなこと言ってるし。


「いやぁ、まさか同郷人と会えるとはね。運が良いわー」


「だね!冒険者組合で頑張って良かったよ」


「あぁ。噂は聞いてるよ。誰にも出来なかった、2つの武器にそれぞれ別の属性を付与する双剣使い。そして、誰も攻撃を与えることが出来ず、雪が舞ったと思ったら別の場所にいたり、勝負が終わってたりする、氷の魔術師。2人でパーティを組んでて、ランクは最高のS。過去最速でその座へ上り詰めた3組目の冒険者。他のSランクの冒険者と厄介ごとになっても、一瞬で終わらせていた。まぁ、スキルではあるだろうが、見事だ。俺でも、あのSランク共を倒そうとすると早くて3分はかかってしまうからな」


「いや、3分で倒せるなら充分すぎるほど強いじゃん!」


「口調。口調!」


やっぱり1人で情報とか集めてたんだなぁ。その時僕はディーネと遊んでたのかな......。

でも、何か忘れてないかな?リオさん。


「おっと、俺はリオ。周りに人がいるから本名は言えないがリオと呼んでくれ」


「俺はブイ。リオと同じく名前は、な」


こっちは皆、自己紹介を済ませた。


「自分は、リュウジ。流石にまだ詳しいことは言えんけど、剣士やってます」


「口調直す気無くなってきてるでしょ......。

ミノリはミノ.............ワタシは、ミノリって言います。一応、魔術師です」


うん、まぁ、予想通り。

リュウジにミノリ.................さんかな。僕は年下。うん。


「まぁ、今回。同郷の奴に会っておきたかったと言うのもあるんだが、それより重要な事があるんだが......どうだ?」


「問題なし。この2人は信頼出来る」


............え?今何かやってたの?

あ、ブイさんのスキルかな。何かは分からないけど、相手の心を読むみたいな感じかな?


「よし。リュウジさんにミノリさん。俺達とこの世界の神を討とう」


え、もしかして、この2人を仲間にする気!?

2人も急に言われて混乱してるよ............。


「まぁ、取り敢えず聞いてくれ。

まず、俺達の元いた世界とこの世界は、隣同士、つまり、並んでるようなものなんだ。勿論、宇宙を挟んではいるがな。で、この世界の神が、この世界と俺達の世界を壊そうとしてるんだ。俺達は、それを止めるために行動してるんだ。主には、神に操られた魔王の討伐等だが。

ハッキリ言って、戦力が足りないんだ。2人が協力してくれるなら、本当に心強い。スキルは、神に対抗する手段の1つだからな。

......とまぁ、そういう理由なんだが、協力して下さい」


............無視出来ない言葉が出てきたけど、今はいいかな。

まぁ、戦力は多いに越したことは無いけど、乗ってくれるのかな?協力しなきゃいずれ死ぬんだし。

............ん?あ、死ぬんだ。死......。死か。今までどれだけ殺したのかなぁ。殺す事に抵抗が無くなってきてるんだよねぇ。ま、頃合を見て、ディーネと別れるつもりだし、ね。まだ、大丈夫。うん。

..............................さて、返事は?


「これは、色々と話し合わんにゃいけんね」


「口調............もういっか。その話、ミノリ達にも詳しく聞かせて欲しいな。手伝えることがあるかもしれないし」


「............ありがとう。感謝する。.......ブイ以外は帰っても良いぞ。明日の朝まで自由行動。初め」


.........そうだね。ここからは本格的にリオさんの出番だね。僕が出しゃばる所じゃあ無い。


「ディーネ、夕食何処で食べようか?お金はあるし、良さそうな所聞いてみる?」


「......そう、だね。そうしよっか。今日はコンとずっと一緒にいよう!今までは練習の時とお買い物位しか一緒にいられなかったし」


やった!今日はディーネと一緒だ!今日位は楽しもう!

......リオさんの目線は置いといてね。


「では、私はこのマソロフの監視か」


「そう落胆するな!歳は違えど生まれは同じ。この王国をせいぜい楽しもうぞ!」


最近、本当に魔王の口調が定まらなくなってきた。何処に行き着くんだろう。


「え......私は............?」


「我達と来るが良い。若者の邪魔はするべきでは無いからな!」


『感謝するが良い、神級魔法の使い手よ。厄介な者達は我が抑えておく。存分に楽しむが良い!』


あ、念話ね。


『魔王、君の事は、多分、忘れないよ』


『むむっ!?それ程までに危険であるか!?......いや、これも年長者の勤め。悔いなし!......あぁ、まだ死にたくは無いな。息子の世話をしてやれておらん』


あ、魔王って子供いたんだ?戻ったら会わせてあげよう。


「じゃあ、行こうか」


「うん!」




〜リオ〜


「気のいい人達ですね」


「まぁ、な。あれで普通の奴等だったら、何も背負わずに生きれたんだろうがな......」


が、もう無理だろうな......。出来るなら、俺とブイ、そしてアルの3人で神に対抗し殺す。無理でも、世界の破壊を遅らせる事を目標にしてたんだが......コンとディーネ。あいつらも巻き込んでしまった。

コンはまだいい。あいつは俺と同じだ。......違いは、元の人格だな。

俺は、死んだ時の。つまり、成長してからの人格だ。が、あいつは、子供の頃の人格。大抵の奴が捨ててしまう、脆い人格だ。

ま、子供だから殺しても特に思う事が無いのはプラスだ。あいつはどうとでもなる。問題はディーネだ。周りの奴らと比べ、あいつは弱い。闘神の弓があってやっとコンに追いつける程度だ。神本体と戦う時は、コンより戦力になる可能性が高いが、それまで持つかだ。

周りが強すぎるが為に無力感に苛まれ、壊れてしまうかもしれない。

ディーネはまともだ。この世界において、あいつを超える者は限りなく少ないだろう。だが、この世界の住人では無い俺達がいるせいで常識が変わっている。何処かで魔王と一騎打ちをさせて自信を付けさせてやりたいが、コンがそれを許さないだろう。

まったく。面倒な事になった。予定を変えて、1人で行動するか。


その前に、この2人を仲間にしなければな。


「さて、始めるか。......リュウジ。ミノリ。これから詳しく話す。理解し、どうしなければならないか分かってくれれば嬉しい」


「最悪、お前達を殺さなきゃいけないんだ。それをさせないでくれよ?」


「そこまでですか」


「聞いてからじゃないと判断出来ないけど......協力はしたいね」


よし、2人とも聞いてくれそうだな。


「俺達の世界と、この世界は、早ければあと10年もあれば消えるだろう。俺達の世界の神には、この世界の神の場所へ行けるようにして貰ってる。そこでもう戦えなくなる神に変わり、俺達があの糞神をーーーーーー討つ」

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