10. 神と救援隊
「では、お父さん達はその魔王に捕らえられているんですね?」
「その通りです。私が着いていながら、申し訳ございません」
よし、要約すると、僕とディーネが村を出た後にドラゴンが攻めてきて、戦った皆が連れ去られた。かー。
「レーラは、本当に参加するの?この作戦に」
ブイさんが発案のこの作戦は僕にとってはかなり無茶なものだけど、レーラには何が出来るかな。
「んじゃ、君は戦いを見てどんな物かを知るんだ。君はそこから始めよう」
「た、戦うもん!」
「レーラ!.............いつもやってるような稽古じゃないんだよ?僕だって守ってあげる余裕はないんだよ?それはセルベアさんも一緒なんだ。それでも戦うのかい?」
兄として危険な事をさせる訳にはいかないんだけどなぁ。
せめて、右腕があれば.......。
「ッ!?何だ!この魔力は!」
「どうした、アル?魔力って、この街じゃ使えないんじゃ......おいコン!
右腕!」
右腕?............あれ、動いてる気がする?
..............................右腕が、ある。
「な、なんで!?」
テレーテッテレー
「あ、悪い。あいつからだ」
「あいつから!?ここ何日も連絡を寄越さないと思ったら、こんな時に!」
ブイさんとアルさんの2人が反応したって事は、僕かな?
「こんな時だからだってよ。その右腕、あいつが神に交渉して与えてもらったらしい」
「つくづく予想を超えてくれる奴だな」
神と交渉をして腕を?
もう最低限所じゃないよ!これ!
「それは、我らが神の............」
「やはり、か。セルベアとか言うお前、闘族だな?しかも、魔王を食ったな?」
「流石魔王様、鋭いですね。そうです。私は、闘族です」
闘族って、見た目は人間なのにケタ違いの強さを持つっていう............。
............セルベアさんなら、頷ける。
確か、闘族って近距離戦が得意なんだよね..............................。なら、ちょっと作戦に修正をしても良いかもしれない。
「ブイさん、作戦を少し変えますね」
「ん?あぁ、魔王喰いもいることだしな。で、内容は?」
まぁ、結構危険なのは変わりないけど、僕以外の危険性は減るね。
「セルベアさんには、真っ直ぐ救出に向かってもらいます。が、広場までは一緒です。敵を引き付けてもらいます。そこをアルさんが遠距離攻撃で殲滅。魔王の処には僕が行きます。ブイさんは遊撃をしつつレーラを守ってください。ディーネは............」
正直巻き込みたく無いんだけどなぁ。そうはいかないし。
..............................あ、何で僕は1人で魔王に挑んでるの。
「ディーネは、僕のフォローをして欲しい。相手は魔王。僕1人で勝てるとは思ってないんだ。だからーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
う............、頭が痛い。
ーーーーーー闘神だ。その娘は主の思い人なのだな?
「............うん。そうだよ」
手話でセルベアさんに闘神と会話中と伝えた。
ーーーーーー信じれるのだな?裏切らないと。
「勿論。信じるに決まってる」
ーーーーーーならば、コレを渡してやると良い。
「これ............?..............................うわぁ!」
頭が更に痛くなった。それと同時に、1つの武器についての情報が送られてきた。
「ゆ..................み...................................?」
黄金色の弓と弓弦、そして矢。
それがどういう武器なのかが送られてくる。
しばらくすると、痛みも情報も止んだ。
「ディーネ、渡したい物がある」
「え?何なに?」
「これなんだけど..............................」
右手に魔力を集中させて、弓矢を作り出す。
「そ、それは伝説の!?」
突然、セルベアさんが大声をあげた。セルベアさんらしくない行動。
伝説。ってことは、闘神のかな?
「し、失礼致しました。その弓矢は、闘神が妻にプレゼントし、永遠の誓いを立てたという物なのです。その妻は、生涯闘神を戦闘面でもそれ以外でも支えている。と、族長に聞かされた事があります」
『え?』
声が揃った。それは揃う。
誓い?生涯支えた?......それって、つまり...........。
「で、ディーネ!」
「は、はい!」
うぅ......いつも好きだ好きだって言ってるけど、いざこうなるとちょっと恥ずかしい。
でも、情報の中に、誓を立てるってあるし............。
「僕を生涯、支えてくれますか?」
「は、はいっ!生涯支え続けます!」
誓を立てた瞬間、弓から金色の光が溢れ出した。
弓の上に、剣を交差させたような紋章が浮かび上がって、ディーネの右手の甲に刻まれた。
「ふぅ、これで終わり?」
「うん。その弓は、ディーネか僕しか使えなくなったよ。細かな使い方は無いから普通に射ってくれればそれでいいから」
うん。アルさんは気付いてるみたいだけど、隠してくれるみたいだね。
僕の魔力が殆ど残ってないことを。
するつもりは無いけど、国を1つ壊せる位の魔力量は持ってたはずなんだけどなぁ。
「それじゃあ皆!出発は明日で良いよね?異論は?」
「ん?」
「なに?」
「こ、コン様......?」
あれ?ディーネもレーラも、セルベアさんまでどうしたんだろう?
「あ〜、こいつが言いたいのは、反対意見はあるかって事だ」
あ、言葉が違ったんだ。注意しなきゃ。
「締まらなかったけど、明日に向けて解散。準備をするように!」
「「おぉー!」」
「やるぞぉー!」
「うむ」
ディーネにレーラ、ブイさんとアルさん。セルベアさんも、返事はしなくてもお辞儀をして応えてくれた。
明日、魔王城に出発する!




