「んぅー? どうだろうねぇ」
「では、まずは皆さんを担当する教師たちに紹介しましょうか」
乙羽たちの適性確認がひと通り終わると、リーゼロッテは訓練場の脇に控えていた人々へ視線を向けた。
「これから皆さんの指導を担当していただく方々です。魔法だけでなく、剣術や戦術についても教えてもらえるようにしています」
そう言って紹介されたのは、3人の教師だった。
最初に前へ出たのは、落ち着いた雰囲気の女性だった。濃い紫色の髪を後ろでまとめ、腰には細かな模様の刻まれた杖を携えている。
「魔法指導を担当するエレノアです。皆さんの適性に合わせて、魔法の基礎から応用まで教えていきます。よろしくお願いしますね」
続いて、体格のよい男性が一歩前へ出た。
「剣術と近接戦闘を担当するガルドだ。剣を使う者はもちろん、それ以外の武器を使う者も歓迎する。自分の武器だけにこだわらず、戦い方の幅を広げていこう」
最後に、短い黒髪の女性が軽く手を挙げた。
「戦術指導を担当するセレナよ。集団戦や状況判断、相手の能力を踏まえた立ち回りなどを教えるわ。個人の強さだけでなく、仲間と戦うときにどう動くかも大切だからね」
3人の紹介が終わると、十席の面々はそれぞれ挨拶を返した。
「よろしくお願いします!」
龍太が元気よく頭を下げる。
「こちらこそ。皆さんのことは、事前にある程度聞いているわ」
エレノアが微笑んだ。
「ただし、聞いた情報だけで指導方針を決めるつもりはありません。実際の動きや魔法の扱いを見て、必要なことを教えていきます」
「なるほど。最初から決めつけるわけではないんですね」
政宗が確認すると、エレノアは頷いた。
「ええ。適性はあくまで出発点です。適性があるからといって、必ずしもその分野だけを伸ばす必要はありませんし、苦手な部分を補うこともできますから」
「それなら安心ね」
アリスも納得した様子で頷いた。
自分の適性が分かったとはいえ、具体的にどのような魔法を使えるようになるのかは、まだ分からない。これから教師の指導を受けながら、少しずつ確かめていくことになる。
「それと、皆さんの生活を支えてくれる方も紹介しておきましょう」
リーゼロッテの声に合わせて、今度は緑色の髪をした女性が前へ出た。
「私はドライアドのフィオナです。皆さんが修行に集中できるよう、生活面のお手伝いをさせていただきますね」
柔らかな笑顔を浮かべるフィオナに、乙羽が手を振った。
「よろしくねぇ」
「はい。よろしくお願いします」
「具体的には、食事の準備や洗濯、お部屋の整備などですね。それから、訓練で使う回復ポーションの管理も担当します」
「回復ポーションまで用意してもらえるんですか?」
祐樹がすぐに反応した。
「ええ。訓練場には必要な数を用意しておきますし、使用した分も補充します。皆さんが毎回、自分で用意する必要はありませんよ」
「それは助かるな。訓練のたびに消耗品を気にしなくていいのは大きいぜ」
龍太が感心したように言った。
「ただし、ポーションがあるからといって無理をしていいわけではありません。体調が悪いときや、異常を感じたときは、すぐに教師へ伝えてくださいね」
フィオナは穏やかな口調ながら、そこはしっかりと念を押した。
「はい。分かりました」
アリスが代表して返事をする。
教師たちは指導を担当し、フィオナは生活と回復面を支える。役割分担がはっきりしているため、参加者たちも安心して訓練に取り組めそうだった。
「では、次は施設を案内しましょう。明日から実際に使う場所ですから、今のうちに把握しておいてください」
リーゼロッテが歩き始め、全員がその後に続いた。
◇
最初に案内されたのは、各種の訓練に使う施設だった。
魔法を練習するための部屋や、剣術の稽古場。さらに、集団戦を想定した広い訓練場など、用途に合わせてさまざまな設備が整えられている。
その中でも、十席の面々が特に興味を示したのは、屋外に並ぶ複数の訓練区画だった。
「ここは?」
アリスが尋ねる。
「各パーティーが集団戦の訓練を行う場所です。区画ごとに召喚魔法陣を設置してありますから、そこでモンスターを召喚して戦ってください」
リーゼロッテが説明した。
広い敷地は複数の区画に分けられ、それぞれに大きな魔法陣が描かれている。区画同士は完全に閉ざされているわけではなく、隣の様子もある程度見渡せる構造になっていた。
「パーティーごとに分かれて訓練するんだねぇ」
「そういうことです。普段のパーティー構成を基本にして、実戦を想定した訓練を行ってもらいます」
「じゃあ、私たちは3人で?」
琴が確認した。
「ええ。ティンカーベルは乙羽、琴、柳の3人ですね。ほかの皆さんも、普段の仲間と組んでもらう予定です」
「なるほど。いつものパーティーで連携を鍛えるわけか」
政宗が周囲を見回した。
「ただ、召喚されるモンスターは、皆さんの平均レベルなどを参考に調整します。最初から無理な相手を出すことはありません」
「数も調整できるんですか?」
柳が尋ねる。
「もちろんです。少数の相手と戦うこともできますし、数を増やして大規模な戦闘を行うこともできます。倒したモンスターが減ってきたら、追加で召喚することも可能ですよ」
「おお、それなら休む暇がなさそうだな!」
龍太が楽しそうに声を上げた。
「休憩を取るかどうかは、皆さんの判断ですけれどね」
セレナが口を挟んだ。
「ただし、ただ数を倒せばいいというものでもないわ。敵の配置や味方の位置、誰がどの役割を担当するのか。そういうところも意識してもらうことになるから」
「そうですね。大量のモンスターを相手にしたとき、個々の実力だけでは対処しきれない場面もありますから」
政宗は説明を聞きながら、訓練場の配置を観察していた。
敵の数が増えれば、味方同士の連携も重要になる。自分の能力をどの場面で使うかだけでなく、仲間が動きやすい状況を作ることも必要になるだろう。
「それと、訓練中に中断したくなった場合は、召喚魔法陣の管理担当へ伝えてください。追加召喚を止めることもできますし、訓練そのものを一時停止することもできます」
「ずっと戦い続けなきゃいけないわけじゃないんだねぇ」
「当然です。皆さんを無理に追い込むことが目的ではありませんから」
リーゼロッテはそう答えた。
「まずは自分たちに必要な訓練を考え、教師たちと相談しながら進めてください。強くなるための環境は用意しましたが、どう使うかは皆さん次第ですよ」
それぞれの訓練区画を見て回りながら、参加者たちは明日からの訓練を想像していた。
どんなモンスターが召喚されるのか。どこまで自分たちの連携を高められるのか。
考えることは多いが、少なくとも訓練相手に困ることはなさそうだった。
◇
施設の案内が一段落したところで、今度は生活スペースへと移動した。
それぞれの個室はすでに用意されており、寝具や机、収納なども揃っている。長期間滞在することを想定した造りで、必要なものが足りなければフィオナに相談できるらしい。
「本当に、生活に必要なものは揃っているんですね」
瑠奈が部屋を覗きながら感心した。
「これなら、撮影用の機材を持ってきても置けそうだなぁ……」
「持ってきた機材は使っても構いませんが、訓練中に撮影する場合は、担当の教師に確認してくださいね」
リーゼロッテが釘を刺す。
「はぁい。ちゃんと確認するよぉ」
瑠奈は素直に返事をした。
その後、案内されたのは大浴場だった。
広々とした脱衣所の先には、ゆったりとした浴槽があり、窓の向こうには周囲の景色が広がっている。訓練で疲れた体を休めるには、十分すぎる設備だった。
「わぁ、広いねぇ!」
乙羽が目を輝かせる。
「これだけ広ければ、みんなで入っても余裕がありそうね」
琴も浴場を見渡した。
「訓練のあとにここでゆっくりできるなら、かなりありがたいな」
柳も満足そうだった。
「利用時間については、あとで説明します。男女で利用時間を分けていますから、そこは間違えないようにしてくださいね」
フィオナが説明する。
さらに、食堂や休憩スペースなども案内され、施設の見学はひと通り終わった。
「さて、これで必要な場所は大体確認できましたね」
リーゼロッテが全員を見回した。
「今日は移動と準備だけです。明日の朝から本格的な訓練を始めますので、今夜はしっかり休んでください」
「明日は何時からですか?」
アリスが尋ねる。
「8時に起床して朝食。9時から指導を開始します。午前中はそれぞれの専門分野の指導を受け、昼食後はパーティーごとの実戦訓練です」
セレナが補足した。
「夕食後にも座学の時間を設けます。訓練中に気づいたことや、うまくいかなかったことを振り返り、次の日に生かしていきましょう」
「なるほど。1日を通して訓練するわけですね」
政宗が頷いた。
「ええ。ただし、休憩時間もきちんと取ります。睡眠を削ってまで訓練する必要はありません」
ガルドが腕を組みながら言った。
「体を休めることも、強くなるための一部だからな」
その言葉に、何人かが頷いた。
◇
夕食の時間。
食堂には参加者全員と教師たちが集まり、長いテーブルを囲んでいた。
料理はフィオナたちが用意してくれたもので、品数も量も十分だった。訓練が始まれば消費する体力も増えるため、食事についても必要な栄養を考えて用意しているらしい。
「いただきます!」
龍太が元気よく声を上げ、ほかの面々も食事を始めた。
「おいしいねぇ」
乙羽は料理を口に運びながら、満足そうに頷いた。
「そうですね。これなら明日からも安心です」
琴も穏やかに笑う。
食事が進み、少し場が落ち着いたところで、祐樹がリーゼロッテへ視線を向けた。
「先生、少し聞きたいことがあるんですが」
「何でしょう?」
「この世界の魔法道具って、どうやって作っているんですか? 地球で使われている魔法具とは、仕組みがかなり違うんですよね?」
祐樹の目は真剣だった。
彼にとって、異世界の技術は単なる興味の対象ではない。知識を持ち帰ることができれば、地球での魔法道具の開発にも何かしら役立つかもしれない。そう考えているのだろう。
「そうですね。こちらには、こちらの材料と製法がありますから」
「材料と製法……。具体的には?」
「用途によって違いますよ。保存に向いたものもあれば、魔力を通しやすいものもあります」
「なるほど……」
祐樹は頷いたものの、すぐに次の質問を口にした。
「その材料は、地球のダンジョンでも手に入るんですか?」
「似た性質のものなら、見つかる可能性はあるでしょうね」
「可能性、ですか」
「ええ。世界が違えば、細かな違いもありますから。実際に調べてみるまでは、何とも言えません」
リーゼロッテはそれ以上、具体的な材料名や製法については話さなかった。
祐樹は少し考え込んだが、無理に聞き出そうとはしなかった。
今の話だけでも、地球のダンジョンにある素材を調べる価値はありそうだ。異世界の技術をそのまま再現できるとは限らないが、素材の性質を比較することならできるかもしれない。
「それなら、地球側の素材も調べてみる価値がありそうですね」
「そうですね。まずは自分の目で確かめることです」
リーゼロッテは、にこりと微笑んだ。
話を聞いていた政宗も、少し気になったことを尋ねた。
「先生の世界では、ダンジョンはどのように管理されているんですか? 地球のように冒険者が攻略する仕組みなんでしょうか」
「ええ、冒険者がダンジョンに入って活動することはありますよ」
「では、ダンジョンが発生する仕組みも同じなんですか?」
「ダンジョンにもいろいろありますからね」
「……いろいろ、ですか」
「ええ。ひとまとめに説明するのは難しいですね」
リーゼロッテは、さらりと答えた。
間違ったことは言っていない。しかし、政宗が知りたかったのは、まさにその仕組みの部分だった。
「なるほど……」
政宗はそれ以上追及せず、いったん引き下がった。
その様子を見ていたアリスは、少し考えてから質問した。
「先生の世界には、こちらの学園のように冒険者を育成する施設もあるんですか?」
「ありますよ。教育の形は場所によって違いますけれどね」
「そこでは、どんなことを学ぶんでしょう?」
「魔法や武器の扱い、戦術などです。皆さんがこれから学ぶことと、そう大きくは変わらないでしょう」
「そうなんですね」
アリスは頷いた。
やはり、詳しい話には踏み込ませてもらえないらしい。
リーゼロッテは質問を拒否しているわけではない。答えられる範囲では答えてくれるし、説明そのものを嫌がっている様子もない。
ただ、こちらが本当に知りたいことに近づくと、いつの間にか話が別の方向へ進んでしまう。
そのことに気づいたのは、アリスだけではなかった。
「先生って、自分の世界の話になると、ちょっとだけ説明が上手ねぇ」
乙羽が何気なく口にした。
「それは褒めているのですか?」
「んぅー? どうだろうねぇ」
「乙羽……」
琴が小さくため息をつく。
リーゼロッテは気にした様子もなく、食事を続けていた。
「皆さんは、今はこちらの世界のことより、自分たちの訓練に集中したほうがいいですよ」
「それはそうですけど、気になるものは気になりますよね」
瑠奈が苦笑した。
「だって、せっかく異世界に来たんだよ? どんなところなのか、いろいろ知りたいじゃない」
「その気持ちは分かりますよ」
リーゼロッテは頷いた。
「ですが、皆さんが知りたいことをすべて説明していたら、食事が終わる前に朝になってしまいます」
「そんなにあるんですか!?」
龍太が驚いた。
「ありますよ。世界の仕組みから歴史、魔法の体系まで、話し始めたらきりがありません」
「じゃあ、少しずつ教えてもらうことはできるんですか?」
瑠奈が尋ねる。
「必要なことなら、訓練の中で説明します」
「必要なこと、かぁ……」
瑠奈は少しだけ残念そうに呟いた。
結局、リーゼロッテはそれ以上、世界について詳しく語ることはなかった。
しかし、質問したところで何も答えてもらえないわけでもない。
分かることと分からないことが混在しているため、かえって興味が深まる結果になっていた。
◇
夕食のあとは、各自で自由に過ごす時間となった。
教師たちは食堂の一角に残り、明日からの指導について打ち合わせを行っている。参加者たちも、必要に応じて教師へ質問できるようになっていた。
アリスは翌日の予定を確認しながら、同じパーティーの仲間たちと相談していた。
「午前中は個別指導だから、午後の訓練で何を試すか考えておきたいわね」
「そうだな。俺たちの場合は、まず重力魔法を戦闘でどう使うかだ」
政宗が答える。
「私の分身も、実際に使ってみないと分からないことが多そうです」
アリスも自分の課題を整理していた。
一方、祐樹はエレノアに魔法道具の基礎について質問していた。
「錬金術というのは、魔法を使って材料の性質を変えることもあるんですか?」
「ええ。素材によってできることは異なりますが、性質を変化させたり、複数の素材を組み合わせたりする技術もあります」
「なるほど……」
祐樹は真剣な表情で話を聞いていた。
その少し離れた場所では、瑠奈が召喚魔法について質問している。
「召喚するモンスターって、見た目も自分で選べるんですか?」
「最初から自由に選べるわけではありません。召喚できる対象や条件を理解し、術式を扱えるようになる必要があります」
「じゃあ、派手なモンスターを呼び出すのも、まずは基礎からなんだね」
「そういうことです。見た目にこだわるのも悪くありませんが、召喚した相手を制御できなければ意味がありませんから」
「うん、それはそうだね。ちゃんと扱えるようになってから、配信映えも考えることにするよ」
瑠奈は納得したように頷いた。
それぞれが自分の興味や課題に向き合っている一方で、乙羽たちは明日の訓練に向けて必要なことを確認していた。
「私たちは、今まで覚えた魔法を組み合わせる練習だねぇ」
乙羽が言うと、琴も頷いた。
「そうだね。私は魔力を鎧のように具現化する方法を、実際の防御に使えるようにしたいかな」
「あたしは影に潜るやつだな。どのくらい自由に動けるのか、早く試してみたいぜ」
「焦らず、まずは先生の説明を聞いてからね」
琴が釘を刺す。
「分かってるって!」
柳は笑った。
静も、そんな3人の会話を聞きながら口を開いた。
「新しい魔法は、覚えただけでは意味がないものね。自分の戦い方に組み込めるように、しっかり練習しなさい」
「はぁい」
乙羽が返事をする。
「お姉ちゃんもねぇ」
「もちろんよ」
静は軽く笑った。
その後、入浴時間になると、参加者たちは男女に分かれて大浴場へ向かった。
広い浴槽に浸かりながら、今日見た訓練施設や明日からの予定について話す者もいれば、初めて訪れた世界のことを考えている者もいた。
地球では経験できない環境。
時間の流れが違う空間。
自分たちの知らない魔法や技術。
不思議なことは多いが、今はそのすべてを解き明かす必要はない。
せっかく用意された環境なのだから、まずは自分たちの目的を果たすことが先だ。
◇
入浴を終えた参加者たちは、それぞれの部屋へ戻っていった。
スマートフォンには、地球側の時刻が表示されている。
ネットや通話は使えないものの、ダウンロード済みの動画や音楽などは利用できる。慣れない環境でも、普段使っているものが手元にあるだけで、気持ちの落ち着き方は違っていた。
明日は朝8時に起床し、朝食を取ったあと、9時から訓練が始まる。
午前中は教師から専門分野の指導を受け、午後はパーティーごとの実戦訓練。夕食後には座学も予定されている。
簡単な日程ではない。
それでも、ここまで整った環境で修行できる機会は貴重だった。
「……よし、明日から頑張ろう」
龍太はそう呟き、寝る準備を整えた。
瑠奈は翌日の訓練でどんな魔法を見せられるのか考え、祐樹は錬金術について聞いた内容を忘れないように整理している。
政宗とアリスは、それぞれの能力をどう戦闘に活用するかを考えていた。
ヒカルは明日の指導に備えて必要なものを整え、翔は部屋を見回してから、ぽつりと呟いた。
「……なんか、すごいとこ来ちゃったなぁ」
つい数時間前まで地球にいたはずなのに、今は見たこともない世界で、明日からの訓練を待っている。
現実感がないような気もするが、用意された寝具も、部屋の空気も、すべて本物だった。
翔は小さく息を吐き、明日に備えて横になった。
一方、乙羽の部屋では、静が妹の様子を確認していた。
「乙羽、明日は寝坊しないようにね」
「うん。大丈夫だよぉ」
「本当かしら……」
「お姉ちゃん、疑ってるのぉ?」
「普段のあなたを知っているからね」
「むぅ……」
乙羽は少しだけ頬を膨らませたが、すぐに笑った。
「でも、明日はちゃんと起きるよぉ。せっかくの合宿だもんねぇ」
「ええ。それならいいわ」
静は満足そうに頷いた。
こうして、タイムジェイル合宿の初日は終わりを迎えた。
教師たちも、ドライアドたちも、明日からの準備を整えている。
訓練場には召喚魔法陣が用意され、回復ポーションも必要な場所へ配置されていた。生活に必要なものも揃っており、参加者たちが訓練に集中できる環境は整っている。
あとは、実際に訓練を始めるだけだ。
翌朝8時。
参加者たちは起床し、朝食を取る。
そして9時から、それぞれの目標に向けた本格的な修行が始まることになる。
タイムジェイルで過ごせる時間は限られている。
地球での24時間を、どこまで成長につなげられるのか。
その答えは、明日からの訓練で少しずつ明らかになっていくのだった。




