表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/18

第七話:相棒(ゴン)の誕生


「ちょっと待てや。さっきの威力で魔弾をぶっ放したら、ウルフどころか子狐ちゃんまでまとめて消し炭の彼方やんか!」


そう、今のうちに一番足りてへんのは『手加減』という二文字。

子狐ちゃんを無傷で助けるためには、ピンポイントでウルフだけに魔弾を命中させなあかん。


大穴開けるなんてもっての他。もっと繊細に、細かく、魔力を極限まで絞り込むんや……!


うちは慌ててガイドブックのスキルページをめくった。そこには、さっき覚えたスキルの説明が親切に書いてある。


魔弾マジックブリットのカードは、同じスロットのカードを2枚重ねて使用することで【ホーミング(追尾)】特性が付与されます』


「それや! 2枚重ねの追尾弾なら、うちがガバガバエイムでも勝手に敵を狙ってくれる!」


うちはスロットから『マジックブリット』のカードを素早く6枚引き抜いた。

それぞれ2枚ずつ重ねて、3つの束にする。それを指の間に挟んで、ウルフたちへ向けた。


「魔力は極限までカット! パチンコ玉! いや、BB弾や! BB弾イメージ!! ……よし、解放レリーズや!」


シュバッ! とカードを突き出す。

うちの祈りが通じたのか、指先から放たれたのは極太レーザーではなく、ビー玉サイズの綺麗な青い光の弾が3つ。


光の弾は空中で不規則な軌道を描いたかと思うと、グインと直角に曲がり、3匹のウルフの眉間へと正確に吸い込まれていった。


バシッ、バシッ、バシッ!


「ガゥ……」


ウルフたちは悲鳴をあげる暇もなく、その場にバタリと倒れ伏して絶命した。

もちろん、すぐ近くにいた子狐ちゃんへの被害はミリメートル単位で一切ナシ! 完璧なコントロールやん、うち天才ちゃう!?


ピコーン! とホルダーにウルフの肉や皮のカードが吸い込まれていくのを横目に、うちは子狐ちゃんに駆け寄った。


「ふぅ、危なかったなぁ。怪我はないか? よかったな〜、次からは野生のワンコには気ぃつけや」


しゃがみ込んで声をかけると、真っ白な子狐ちゃんは、まだウルウルした目でうちをじっと見上げていた。

そして、小さな鼻をくすん、と鳴らして、うちのブーツに短い前足をちょこんと乗せてきた。


かわええ……! なにこの天使、持って帰りたい。


すると突然、目の前に半透明のウインドウがポップアップした。


『子狐が仲間になりたそうにしています。仲間にしますか? 【YES / NO】』


「んなもん、YESに決まっとろうが!! むしろこっちからお願いしたいくらいやわ!」


画面の【YES】を勢いよくタップする。


『子狐が仲間になりました。名前を付けてください(    )』


「名前ぇ? うーん、狐と言ったら新美南吉の『ごん狐』、つまり【ゴン】やろ。それでええか?」


うちがそう語りかけると、子狐ちゃんは「きゅ〜ん!」と嬉しそうに鳴いて、三つあるちっちゃい尻尾をプロペラみたいに盛大に振り回した。気に入ってくれたみたいで何よりや。


『登録しました。子狐ゴンは、コハルの仲間になりました』

『初回テイムボーナス:スキルカード【テイム】を獲得しました』

『スキルカード【魔力操作Lv1】を獲得しました』


「お、新しいスキルカード! しかも『魔力操作』がダブったってことは、これを重ねて使えばスキルレベルが上がるってことやんね! ありがたや〜!」


ゴンをそっと抱き上げると、腕の中でぬくぬくと温かい。

頼もしい(?)相棒もできたことやし、うちの異世界旅、ますます賑やかになってきたで!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ