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アラサーの俺がヒロインの友達に転生?ナイワー  作者: 七地潮
〜のんびりいこうよ、え?いけないの?〜
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課外授業 収穫

「いい天気ですね」

「本当ですわね。

雨が上がって良かったですわ」


あっという間の課外授業。

昨日まで雨が降っていたから延期になるかと思っていたけど、晴れて良かった。

オクトバルは誘いに乗ってくれて、五人で果実園に来ている。


しかし予想通りに一悶着はあったんだけどね。


課外授業の流れとしては、担任がまず班長と行き先を告げる。

班長が男女混合で班を作る。

班で話し合って行き先の候補を決め、被ったら班長同士で話し合って行き先を決定する。

そんな感じかな。


得て不得手で行き先を選んだり、班員は気の合う仲間を選んだり、利害関係で選んだりと、選び方はそれぞれだ。

うちは気の合う仲間プラスαって感じになるのかな?


王子が班長に選ばれなかったのは、担任の配慮だ。

だってさ、王子が班長なら、クラスメイト皆が班に入れてくれってなるのは目に見えているから。

いくらスカーレットが婚約者になったと言っても、あわよくば的な考えを持つ人は多いだろうしね。


で、クリスティーナが王子を班に入れたので、我も我もって人が押し寄せたのは予想通り。

それをクリスティーナとスカーレットが蹴散らしたのも想定の範囲内。


予想外だったのが、俺が脅迫?されたことかな。


『なんでこなちんしゃくが王子と同じ班やねん、あんさんわてと代わってくれへんか』って感じかな。

小声で「代わってよ!」から、堂々と

「成績優秀なヨルハイム嬢はわかるけど、サリフォル嬢が殿下と同じ班なのは納得いかない」

と、面と向かって言われたりもした。

勿論蹴散らしてくれました、二人がね。


そして不思議なことに、オクトバルに因縁つける奴はいなかった。

もしかして存在感が薄すぎて、同じ班に居るって気づかれなかったとか?


とにかく、無事に週末を迎えられて良かったよ。



果実園で収穫するくだものは今が収穫期の………何だあれ?

成人女性程の高さの木に、鈴なりのヒヨコがヒヨヒヨ鳴いている?

マジ何なんだ?


「まあ、美味しそうなヒナアラレですね」

「本当に。

とても新鮮で毛がふわふわしてますね」

何だそれ?


え?どう突っ込めばいいの?

雛あられって名前の木の実だってことか、果実なのに毛が生えているところか、木の実なのにふわふわなところなのか、あられなところなのか、ヒヨヒヨ鳴いてるところなのか?


どう見てもヒヨコっぽい、ヒヨコサイズのモノが、ヒヨヒヨ鳴きながら木になっているのを見て、思わず目を擦ってしまう俺。


「ク……クリスティーナ、あれはなんですの?」

「あら、キャシーはヒナアラレをご存知ありませんの?」

「ええ、初めて聞きました……」

俺の疑問に答えてくれたのは、


「サリフォル様、ヒナアラレは菓子やサラダに使われている、茶色くて甘い果実ですよ」


初めて声をかけてきたオクトバルだ。

色んな本を読む本の虫な彼は、分野を問わず色々な知識を持っているようだ。


彼の説明によると、ヒナアラレは見た目の通り鳥の雛と似た形をしている果実で、もうじ(キウイとかに生えてる毛)が長く、風が毛じを通り抜ける音がヒヨコの鳴き声に似て聞こえるそうだ。

【ヒナ】はわかったけど、なぜ【アラレ】?


甘さが有って、ほっくりした果物で、んー…完熟メロン味の栗?

熱湯で茹でると毛が抜け、つるんと皮が剥けるとか。

でも絵面を想像すると……………ヒヨコを熱湯にイン……………怖っ!!


ヒヨヒヨ鳴いてる……ヒヨヒヨ鳴ってるヒナアラレを収穫する。

お尻…に見える下から支えて、クチバシ……のような部分をハサミでチョキン。

陽を浴びてほんのり温かいヒナアラレの収穫は、罪悪感あふれる作業だった。


ってかなぜ見慣れた果物や野菜が殆どなのに、こんないかにも【異世界だから変わった食材が有るのがテンプレだよね!】みたいな物があるんだよ!

それにわざわざ収穫にそれをチョイスしなくても良いだろ?

だって実際女性はこの果実だけど、男性は【普通の】スイカの収穫だ。

まあ、確かに姉貴はヒヨコスキーだったから、ゲームの中でもこの果実は出てきたのかもしれないな。

……あるいは没ネタか?


因みにクリスティーナとスカーレットは、なにも気にせずチョキチョキやってたよ。

なんで皆平気なんだろう?

俺もスイカが良かった。



王子とオクトバルはたまに言葉を交わしながら、スイカを収穫している。

時折スカーレットに視線を向けるのが、何だか甘酸っぱいなぁ。

オクトバルはこれから仲良くなれれば良いな。


そうやって現実逃避をしながら、午前中の作業を終わらせた。

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