表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アラサーの俺がヒロインの友達に転生?ナイワー  作者: 七地潮
〜のんびりいこうよ、え?いけないの?〜
74/112

課外授業 続き

昼食は果実園のオーナーが準備してくれている。

平民の普段の食事事情がどういったものかを、貴族階級の人々に体験してもらうという意味がある…らしい。


この課外授業は結構長いことやっている授業だ。

王族や貴族の殆どが、民からの税収で生活をしている。

その民の生活を知るための手段の一つとしての授業なのだ。


民がどんな仕事をしているか、知っていても、実際やってみないとその大変さはわからない。

民がどのように日々の糧を得て、その一部を税として納めてくれる事で国が回る。

それを少しでも肌で感じるためにと、学園の創立者である、当時の王弟がテコ入れした授業なんだそうだ。


他国では未だに「王族、貴族あっての国民」「国民の替えはいくらでもいる」「搾取して当たり前」などと思っている国もあるそうなのに、この国の王族は凄く民のことを考えていると思う。

どこかの国の政治家より全然まともだよね。


でも最初のうちは上手くいかなかったってのは仕方ない事だ。

「なぜ自分が民に混ざって労働をしなければならない」

って貴族と、

「恐れ多くてとても仕事を振れない」

って平民の、お互いの言い分はあって当たり前。

それでも何年もかけて歩み寄り、今ではお互いの交流のためだとしっかり根付いている。


食事も「貴族様に食べさせる物だから」と特別なものを準備しないように、普段自分たちの口にしているものを出す。

そうする事で、平民の生活の一端を知り、その生活が不足のあるものなら改善させる。

民が平和に、幸せに生活できると、自分の治める領地が発展するのだからって、素晴らしい考えだよね。


この課外授業に真面目に取り組まない生徒の領地は、高確率で運営が上手くいっていないそうだ。

勿論他にも要因はあるだろうけど、この課外授業で不真面目な人って、結局は平民を見下しているって事で、巡り巡って自分の首を締める事になるんだよね。

まぁ、今更この授業の意味をわかっていない生徒は少ないけど。

ゼロとは言えないのは、いい人ばかりではないって事で、すべての国民が善人なんて事はあり得ないんだから、当たり前っちゃあ当たり前か。

ただそんな人達は、他の国よりは絶対に少ないよ。



話が逸れちゃったけど、とにかくお昼だ。

ほうれん草とベーコンのキッシュに、野菜スープと、採れたて果物のフレッシュジュースだ。

出荷できない傷のある物や、サイズの小さな果物と、その場で搾った新鮮なジュースは、めちゃ美味しかった。

キッシュも素朴で懐かしい感じ。

王子は城で食べたことのないキッシュが気に入ったようで、おかわりもしていた。



食休みの後は午後の作業だ。

男性は果実園を囲む柵の点検と補修、女性は出荷の作業だ。


まずはサイズで分け、小さなものはまとめて袋に詰めて、市場へ出荷用。

大きなものは浅い木箱に並べて、こちらは貴族や大店への納品用だそうだ。

小さな方は少し固め?なので小袋に入れても潰れないらしい。

小さい方は、ミニトマトって感じで

箱に並べた方は、浅い箱に入った桃とかトマトのイメージかな。

一つずつ向きを揃えて並べて………うん、桃とかじゃなくて、九州銘菓ひよ⚪️だね。


出荷準備が終わった頃、男性達が戻ってきた。

王子とオクトバルの後ろにいる果実園の従業員が何かを持っている。

近付いて来てわかったけど、頭を切り落とされた猪?を抱えているよ。


「あらまあ、どうしたの?」

オーナーの奥さんがのんびりとした声で、猪を担ぐ従業員に声をかける。

「いやー、柵が壊れてるとこがあって、そこから入って来たんですよ」


見回りをしていると、壊れた柵から猪が入ってきて、見回りしている一団に突進して来たとか。

柵の修復用に持っていた斧や木槌で迎え撃とうとしていたら、風魔法でスパーンと切り落とされたとか。

攻撃魔法は平民はほとんど使えないから、王子が倒したのかな?

流石学年主席、やるねぇ。


女性が王子に視線を向けていると、少し居心地悪そうな顔をして、王子が言った。

「エクモントの手柄だ」


魔法も使えるけど、どちらかと言えば剣術の方が得意な王子は、とっさに腰に手をやったけれど、勿論授業中だから、剣なんて持っていない。

猪は殺気を放った王子に狙いを定め、突進して行ったと。

で、やべ!どうしょう!と、一瞬固まってしまったら、オクトバルが風魔法でスパーンと首チョンパしたらしい。


「いえ、たまたま風魔法が得意なだけで……殿下を守らなければと咄嗟に…」

「いや、威力もコントロールも素晴らしかった。

それに何より助かった。

ありがとう」

おお、王子が微笑んで礼を言ってる!

これぞ本物の王子様スマイルってくらい、爽やかな笑顔だ。

いつも無表情なのに、あんな風に笑えるんだ。

「いえ、当然のことをしたまでですし、たまたま上手くいっただけです。

調子に乗るといけないので、褒めないで下さい」

「調子に乗るような者は自分でそう言わないよ」


へー、オクトバルって大人しいだけかと思ってたけど、もしかして良い奴?

遜らなく調子に乗らず出しゃばらず、中身もイケメン?

モースディブス(スケコマシ)とベルアルム(S)の後だから、余計に爽やかさんに見える。

王子も気に入ったようだね。

王子友達ゲットか?

そしてオクトバルは隠しキャラなのか?


男性陣は多少ゴタついたけど、課外授業は無事(?)終了した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ