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アラサーの俺がヒロインの友達に転生?ナイワー  作者: 七地潮
〜気がつけば第二の人生?〜
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ヒロインの友達ポジ

いや、ほらさ、こう、ねぇ…女の子がスタイルの良い子を羨ましく思って、どんな感じか触るなんて、あるあるだよね?

若いメイドの子のお尻を触るとかは、ほら、えーと……そうだ、女性のお尻が幾つくらいから垂れてくるかの確認!

抱きついたのは、感情が昂ってだよ、うん!

やましい気持ちなんて無いよ、ナイナイ。

だから、震えながら入り口近くに立てかけてある剣を見ないで!

ってか、何で部屋の中にロングソードが置いてあるの⁈


「ク…クリスティーナさん、落ち着いて!

ほら、中身が元男って言っても、俺は今キャスティーヌだから!女だから!

男性用の更衣室やトイレに入ったら痴女だよ?

それに抱きついたって、ハグじゃん、ハグ!

嬉しい気持ちを伝えただけだよ?」

そう、男子更衣室なんてなんの面白味もない。

いや、襲われちゃうんじゃないの?


「……確かに男性用の更衣室には入れませんね。

ハグに関しても一応納得してあげましょう。

それで?スカーレットの件はどう言い訳しますの?」

「ほら、スカーレットはとてもスタイルが良いじゃない?

俺の大きいだけと違って、バランスが絶妙で憧れると言うか、芸術的なプロポーションを触って確かめたかったと言うか……」

決してやらしい意味では無かったと言ってはみるけど、言葉を重ねる毎に機嫌が悪くなってる?


「そうですわね、スカーレットは素晴らしいプロポーションをなさっていますわ。

女性でも憧れますわよね」

うんうんと頷く俺。

「………私と違って」


あ、やらかした、クリスティーナは貧乳がコンプレックスだった。

もうどう言えば良いのか分からなくてあうあうしてしまう。


「ご……ごーめーんーなーさーい……」

誤ったら、とっても情けない声が出てしまった。


「………………ぷっ!」


笑われた!

クリスティーナは口を押さえて震えている。

目尻に涙まで浮かべているのに、声を出して笑えない貴族の女性って不便だなぁ、なんて考えながら見ていると、なんとか笑いを抑えたクリスティーナは、お茶を口にして気を落ち着けている。

「なんで顔をなさっているの?

そうですわね、素晴らしいものを見れば触れてみたくなりますわよね。

下心が無かったと言うことにしておきましょう」

「そうして下さい」

「喋り方は今の話し方が素なのですか?」

そうだと頷くと、クリスティーナは少し考えて言葉を続けた。

「しかしあれですわね、これからはあなたの事は男性として扱った方がいいのかしら?」

「その辺りは俺も微妙なんだけど、キャスティーヌであることは変わりないんだから、やはり女としてなのかな?」

これは自分でも悩むところなんだけど、これからも女性として生きて行かなきゃいけないんだから、そう扱ってくれと伝える。


「仰ることはわかりますわ」

クリスティーナも理解してくれたけど、「ただ……」と続ける。


「これからは着替えなどは別の部屋でして下さいね」


ニッコリと怖い笑顔で微笑まれたら、頷く以外の返事は無いと思う。


「あとお伺いしておく事は……、そうですわね、この事は他の方はご存知なのですか?」

「いや、誰にもバレていないよ。

っていうか、気づいたクリスティーナがすごいと思う」

「私から言わせていただくと、気づかない方がおかしいのではないのかしら」

「そう?」

実際両親も、シスコン兄も気付かないのに、と言うと、近すぎて逆に気付かないのではないかと言われた。

なる程。


「それではこの事は他の方に言わない方がいいのですね?」

「できればお願いしたいです」

頭を下げると、「わかりました」と言ってくれた。


「本当はさ、親とか兄とかには言いたいけど、混乱するだろ?

自分の娘が、妹が、生まれる前に生きていた時の記憶があって、その上それが中年一歩手前の男だなんて、知りたくないだろうし」

「………それはわかりますけれど、もし、私がキャスティーヌの家族なら、教えてほしいと思いますわ」

「………うーん、どうだろう…、生前の記憶があっても、女性なら俺も言ってたと思う。

でも男だからねぇ」

考えながら言うと、クリスティーナもそうかもしれないと頷く。


そう、女だったら、さっさと言ってたんじゃないかな。

「でも、いつか言えたらいいな。

理解してもらえたらいいな」

そうですわねと言ってくれるクリスティーナ。

そんな彼女に気になることを聞いてみた。


「それで…あのさ、こんな俺だけど、これからも友達でいいのかな?

それともやっぱりムリ?」

一瞬キョトンとした後、ため息をつかれた。

「私は貴女と知り合ってもうすぐ2年かしら、そのうちの半分近くは【今のあなた】なのですよね?

ならばこれからも変わりませんわ」

そんなことを疑われるのは心外だと、ちょっとふてくされてみせる。

「ありがと、これからもよろしく」

照れ臭くなりながらも右手を差し出すと、握り返してくれた。


正直今回クリスティーナにバレて、気が楽になった感がある。

秘密を一人で抱え込んでるって、思ったより負担になってたのかな?

いつか本当に家族にも話せる時が来たらいいな。



その後も色々と、前世のことや、記憶を思い出してからのことなどを、遅くまで話し込んだ。

言えなかった事は、この世界がゲーム内世界ではないかと言うこと、クリスティーナがヒロインで、攻略相手が複数いる事、その中の何人かはルートが潰れている事。


だってさ、説明しようがないよ?

まず乙女ゲームの説明からして、ゲームの概念のないこの世界で、一から説明ってなるから、俺にはムリ。



今回バレたことで、本物の【ヒロインの友達】になれた気がする。

俺はこれからも、この世界で楽しく生きていけると思う。


さあ、第二の人生、ここからがスタートだ!


第一部終了って感じです。

番外編を少し挟んで、第二部突入となります。


番外編は、サブキャラの話を少しさせていただきます。


ではまだ暫くのお付き合いをよろしくお願いします。

 

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