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アラサーの俺がヒロインの友達に転生?ナイワー  作者: 七地潮
〜気がつけば第二の人生?〜
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神殿での出来事 3

ドゥーラが言うには、高位の魔術師などは、生まれた時から魔力が多いと。

ある日突然魔力が跳ね上がるのは、神に選ばれし者、勇者や聖女などで、これは見つかり次第、国に保護されるそうだ。

または……悪しきものが取り憑いていたり、入れ替わったりしている可能性もあると言われている。

神に選ばれるか、悪に乗っ取られるかのどちらでも、国に隔離され利用されるか、断頭台か。

どっちも平穏な生活からアデューだ。

冗談じゃない。


その疑いを晴らすためにも、魔力回復させて、再度やってみろと。

マジにたまたま偶然に凄いものを作ってしまっただけで、一般の貴族の子供だと証明する為に、小瓶の中身を飲み干す。

そして神殿が準備した魔石を聖杯に沈め、再度祈りを捧げる。


「…………何を祈れば良いのでしょう?」

闇雲に祈ったって付与なんてできない。

俺の問いかけに、ドゥーラが顎に手を当てて考える。

「そうですね……、では貴女の同窓でもある第二王子の婚約祝い、にでもいたしましょう。

王子への献上品ですから手を抜かないよう、お願いしますね」

手を抜いてもバレるんだからね、と言わんばかりに、彼の手元にはどこから取り出したのか、魔力測定器がある。

手抜きをしたらバレるんだろうけど、付与なんてこれで二回目の俺としては、手の抜きどころが分かる筈もなく、今度も全力だよ。


王子ね……、クリスティーナのお相手としか思っていなかったけど、案外公平な奴だし、無愛想だけど、ヘラヘラしてるより好感度はあるよ。

俺が男ならイケメン滅びろ、とか思うかもだけど、今は女だし、悪い奴じゃないと思うしね。

成績優秀なのは、予習復習をちゃんとしてるからなんだろうな。


第二王子=問題のある奴って前世のイメージだけど、一歩引いて周りを見ている感じは、いいと思う。

兄みたいに陰で努力してるんだろうな。

うん、嫌いじゃない。

スカーレットと幸せになって欲しいのは、嘘偽りのない気持ちだ。

国の為にも皇太子を支えて、自身も幸せになって欲しいと思うよ、うん。


またごそっと魔力が抜けてる感じ。

そして聖杯が光って止まった。

控えていたベルアルムが網杓子で魔石を取り出すけど、今回は光っていない。

ドゥーラが近寄り鑑定してからこちらを振り向く。


「どうやら手抜きはしていないようでしたね。

効果は一つで中ですが………なんですか、この【家内安全】とは?」

へぁ?ナニソレだよね、マジに。

「そうですね…幸せな家庭を築きつつ、ご自身の健康も損なわないでくださいね……ですかね?」

多分そんな感じ。

「……………」

「……………………」

無言で睨み…見合っていると、ベルアルムが口を挟んできた。


「ドゥーラ様、やはり先ほどの多重付与は偶然の産物なのではないでしょうか。

きっと兄君に対する想い…愛情がとても強かったのが原因かと思います」

えー、シスコン兄に強い愛情なんてないよ、感謝とかそんなんならあるかもだけど。

「そうですね、王族への献上品に【家内安全】とは……」

「彼女はほんの少し…風変わりですので」

何そのフォロー、フォローだよね?

てか、令嬢に風変わりってどうよ?


「…………そうですか、貴方がそう言うのなら、今回は私の内に留めておきましょう」

え?今ので疑いが晴れたんじゃないの?

「その代わり、しばらくの間貴方が彼女を監……みは……………見守っていなさい」

監視って、見張りって言いかけなかった?

「はい、彼女が普通の令嬢であると確信が持てるまで、見守りたいと思います」

ニッコリ笑うけど、何だか背筋が寒いような?

てか、本人置き去りにして何を色々決めてんだよ!


何だか二人だけで色々取り決めて、ドゥーラが退室していく。

残されたのは俺とベルアルムの二人だ。

「あの……偶然に多重付与?をしてしまったようですが、なぜこう大事おおごとになっているのでしょう?」

大体この場だけで納めてくれれば良かったのに、何でわざわざ第三者を呼んだんだよ。

「これは貴女のためですよ」

いつものように微笑みを浮かべたからベルアルムが言う。


「貴女の付与があり得ない物だと言うことはわかりますか?」

何だか大袈裟ならことになってるからね、嫌でもわかるよ。

一つ頷くと、

「万が一、のちにこの魔石が他の方の目にとまると、それこそ国を巻き込んだ問題となります。

あるいは、聖女として祀りあげられるか、魔女として処分されるか、他国に狙われるかです」

やだ、なにそれ、物騒な!


「友人思いの情の深い貴女ですから、今回の件も、本当に兄君への愛情が溢れすぎたのでしょう」

その言い方嫌だ。

「ですから、直ぐにでも偶然の産物であると言うことを、第三者にも理解させておけば、後々その魔石が人目についても『あれが例の物だ』と周囲に思われるでしょう?

人目に晒さないのが一番なのですけれど、万が一に備えていた方がいいですからね」


んー、隠すの前提として、バレた時に、聖女だ魔女だと言われず、【兄への特大な愛が溢れ出ちゃったお兄ちゃん大好きっ子】の設定を浸透させとくって事?

……何そのイタイ

ありがたいっちゃあありがたいけど、他に何かなかったのか?


とりあえず俺のためだって事は理解したから、一応礼を言っておくけどさ、

「ありがとうございます、ビアトゥール様。

でもなぜここまでしてくださいますの?」

だよ。

ベルアルムになんの得があるの?

俺の問いかけに、ニッコリと笑うベルアルム。

な……何か滲み出てないか?

背後に何か見えないか?


「それはですね………………」



ベルアルムの爆弾発言は、俺の耳を通り過ぎて、記憶にも残らなかった。

いや、残さなかったよ。

問題先送りと言われても、俺の記憶に断じて残さない!!

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