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アラサーの俺がヒロインの友達に転生?ナイワー  作者: 七地潮
〜気がつけば第二の人生?〜
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ヤスハルルートも消えた…だと……

「コウちゃんの家は、うちの国一番の海運業の会社で、コウちゃんは跡取りなんですよ」

学園祭が終わったので、久々にヤスハルとのランチタイムだ。

当たり前のように兄とリズヴァーンも一緒だ。

今日のお弁当のメインおかずは、じゃがいもたっぷりのほくほくコロッケと、アジフライと切り干し大根。

茶色い弁当サイコー。


「女性なのに跡取りなんだね」

「うん、コウちゃんにはお兄さんが二人いるんだけど、上のお兄さんは乗り物酔いしやすくて、船に乗れないんです。

下のお兄さんは目が弱くて、長い時間直射日光の下に居られない病気だから、コウちゃんが跡を継ぐことになったんですよ」

海運業と言っても、別に跡取り本人が海に出ること無いと思うけど、この世界では陸地にいる海運会社の跡取りはダメなんだろうか。


「まぁ、女性にしては凛々しいと思うけど、あの見た目はわざとなのかな」

そうなんだよ、コウエンジって男子生徒の制服着ているんだよ。

「あれは舐められないように、男性の制服を着ているんだろうね」

まぁ、海運業なんて聞いただけでも男の職場だろうし、元の世界でも昔は船に女を乗せないとかあったしね。

跡取りとしての決意表明みたいなものなのかな?

兄の言葉に対するヤスハルの返事は、

「あれはコウちゃんの趣味だよ」

めちゃ軽い答えだった。


「コウちゃんって背が高いし、スレンダーだから、ふわふわしたドレスとか似合わないの」

うん、兄と同じくらいの身長だったよな。

体のラインも女性らしさは無かったのも合わせて、男装が似合う。

「それにまだ見習いだけど、船の上の仕事もするから、動きやすい格好をしているの」

確かにドレスを着て動き回るのは、現実的ではないし、凶器コルセット装備してたらまともに動けなくなること間違いなし。

「男性の装束でないと、あそこまで鍛えることはできないだろう」

珍しくリズヴァーンが会話に加わる。

「いくら軽減の魔法をかけていると言っても、女性であそこまで動けるのはなかなかだよね」

兄も感心している。

あの試合展開は凄かったもんね。

「うん、強いんだよ、コウちゃんは!」

嬉しそうにニコニコしているヤスハル。

「もしかしてお知り合いなのですか?」

同郷なのだから知り合いでも不思議はないけど、単なる知り合いって感じでもないので聞いてみた。

「コウちゃんは幼馴染で、僕の婚約者なんだよ」

照れ笑いを浮かべるヤスハル。

ヤスハルの方が二つほど年下どけど、幼馴染が婚約者とは良く聞く話だ。

驚いたのは、幼く見えるヤスハルに婚約者がいたことと、その相手が男装の麗人ってことだ。


頭の中でヤスハルの横に、先日見た麗人を並べてみる………、うん、BLに見える。

性別逆ならしっくりこなくもないけど、いくら幼く見えても、ヤスハルは女の子には見えないし、コウエンジの見た目がイケメン過ぎて。

まぁ他人が口を出す事じゃないけど、大事なことは、これで100%ヤスハルルート消滅したし、コウエンジは隠しキャラでは無かったってことだな。


…………今回は俺がルート潰したんじゃないからね!




ご飯の後に、今日は家から持ってきたマドレーヌをたべてると、近づいて来る人の気配。

先に気づいた兄とリズヴァーンの表情から、嫌な奴が来たわけではないってのは分かったけど、【噂をすれば影】ってのはこの世界でもあるのかもしれない。


「やあ、こんにちは。

お二人が泰治と顔見知りだとは知りませんでした」

ご一緒しても?との言葉に、ベンチに座っていた俺がスペースを開ける。

兄とリズヴァーンが並んでベンチに座っていて、向かいのベンチに俺、お誕生席にヤスハルって座り方だったから、俺の横を開けたのは、他意はない。

「ありがとう、可愛いお嬢さん」

おぉう、イケメンスマイルが突き刺さる。


「先日は素晴らしい試合をありがとうございました。

学園一の噂を、身をもって味わうことができました」

「あなたも素晴らしい腕前だと思いますよ。

リズ…リズヴァーンが手を抜かず相手していましたからね」

兄さん、目が笑ってなくない?

「いえ、決勝戦を拝見させていただきました。

サリフォル様の技術には及びませんよ」

いえいえ、そんなそんなと言い合う二人の間の空気が冷たい。


「それで、何かご用でしたか?

タカナシ様にご用なら席を外しましょうか?」

兄の言葉の後ろに『メシ時邪魔してんじゃねぇよ』って幻聴が聞こえたよ。

「いえ、ヤスハルに渡すものが有っただけです。

お気になさらずに、渡せばすぐにおいとましますから。」

「何かあったの?コウちゃん」

「ヤスハルに頼まれていたものが昨日届いてね。

早い方が良いと思って、丁度お昼だから持って来たよ」

これ…と、20センチ四方程の箱を手渡す。

ヤスハルが蓋を開けると、

「あ、柿だ!

こちらの国ではどこ探しても見つからなくって、食べたかったんだ」

中から出てきたのはきれいなオレンジ色の柿だった。

そう言えば柿って日本原産の果物だったよな。

………いや、名前と言い見た目といい、ヤスハルの出身国は日本っぽい国の設定だけど、限定して良いの?


「ねぇコウちゃん、これみんなで食べていい?」

「勿論どうぞ。

友達と食べるだろうと思って、昼に持ってきたんだよ。

寮の部屋にも届けてあるから」


ところで……と、コウエンジの視線がこちらを向く。

「そちらのお嬢さんはどなたかな?」

あ、婚約者が別の女性と食事してるなんて、気になるよね。


「初めまして、私アルバートの妹で、キャスティーヌ・サリフォルと申します」

座ったまま少し頭を下げる。

「サリフォル様の妹ぎみか。

ふふふふ、とてもお可愛らしい」

素敵紳士スマイルをお見舞いされた。

キラキラエフェクトとバラの花を背負っていそうな笑顔だ。

……なんだけど、なぜか背筋が寒い?


「あ〜、キャスティーヌ様って小さくて可愛いもんね。

あのね、コウちゃん小さくて可愛いものに目がないんだよ。

男の子でも女の子でも、動物でも小さいのが好きなの」

可愛らしい笑顔でヤスハルがこともなげに言うけど、え?小さい子好き?

もしかしてヤスハルとの婚約って合法ショタ?

そして俺にも肉食獣の目を向けてない?

「ヤスハル、人聞きが悪いよ。

可愛いものを愛でるのは崇高な趣味なんだからね」

いや、目が怖いって!

趣味って言葉でごまかしてない?

★ ★★補足


コウエンジがヤスハルの事を『泰治』と呼んでいますけど、これは同郷の幼馴染み件婚約者なので、本来の漢字呼びにしています。

小さなフラグでもあるので、誤字修正頂きましたけど、これはこのままで、カタカナ表記にはしません。


補足が無く、混乱させてしまい、すみませんでした。

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