↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アラサーの俺がヒロインの友達に転生?ナイワー  作者: 七地潮
〜気がつけば第二の人生?〜
35/112

学園祭 後編

二日目の午前中は弓、槍、剣のそれぞれの決勝戦が行われ、午後からは各種発表、そしてダンスパーティーだ。

ミス、ミスターコンは、王子が自分が選ばれるのは(色んな裏事情的なことを含み)わかり切っているからと、辞退した。

そりゃあ王族がいたら、票を入れないわけにはいかないからね。

そんな出来レース面白くないから、王子の判断は英断だと思う。

でもそうすると、トーナメントの勝者が選ばれるんだろうな。


弓の試合では、4年の女生徒が勝ち抜いた。

領地での狩大会でも常勝なのだそうだ。

槍の試合ではモースディブスが圧勝。

なーんかカッコいいよね、長い槍を軽々と操るのって。

……悔しくなんてないんだからね!


そして最終試合、兄対リズヴァーンの試合だ。

今日は家族と観戦している。ぼっちぢゃないよ!

リズヴァーンの両親も一緒だから、5人もいるんだからね。

……いや、ほら、今日はさ、保護者も見にきているから、友達と回っている人は少ないから。

俺が寂しん坊ってわけじゃないからね!


……一体俺はムキになって誰に言い訳してんだか。


兄とリズヴァーンの試合は見応えがあった。

長身のリズヴァーンが上から剣を振り下ろし、素早く避けた兄が胴を抜く。

それを剣で弾き落とし、そのまま下から斬りあげるのを、上半身を逸らし避ける兄。

体格差を物ともしない兄は凄いと思う。

体の大きさが体力の差に繋がるので、最小限の動きで避けて攻める。

素人目でも凄さがわかるよ。


最初のうちは上がっていた歓声も、今は皆固唾を飲んで観戦している。

静かな武道館内に響くのは、剣と剣のぶつかる音だけ。

なんだろう、鳥肌が立ってきた。

その静寂も終わりはくる。

兄がリズヴァーンの右手を全力で打ち付けたのか、リズヴァーンの利き手が剣から離れる。

『決まった!』

と殆どの人が思っただろう。

兄もそう思っただろうその隙をリズヴァーンは見逃さなかった。

左手だけで剣を振り上げ、逆に兄の剣を弾き飛ばしたのである。


「勝者、アスデモス!!」


審判の教師の声が響き渡り、館内は割れんばかりの歓声が溢れた。

凄い、いや本当凄い、他に言葉が出てこないほど凄いと言う単語が頭の中を廻る。

二人の真剣試合を初めて見たけど、兄もリズヴァーンも凄い!


拍手で迎えられ、兄達が親族席にやってくる。

「やっぱりリズには勝てなかったよ」

「いや、手が剣から離れた時は焦ったよ」

「嘘つけ、僕の隙を作るためにわざと手を離したのではないのかい?」

「そんな余裕があるわけないだろ」

本当かなぁ、と言いながらも顔は笑っている。

ああ、青春だねぇ、男同士の友情だねぇ、甘酸っぱいねぇ。

見ている方もほっこり笑顔になるよ。

「お二人とも凄かったです!

私感動しました!

二人とも私の自慢です!」

思わず拳を握って力説してしまったよ。

あははと笑って兄に頭を撫でられた。

いや、本当にこんなスマートな兄があんなに強いとは思わなかった。

良い試合が観れて良かったな。



昼を挟んで各種表彰だ。

前期の成績優秀者で、3年男子は王子、女子はクリスティーナが、4年男子はベルアルム、5年は兄が表彰された。

トーナメントの表彰へ続き、出し物の投票は王子主演の演劇が表彰された。


そして浮かれ行事のミス、ミスターコンテスト。

剣の優勝者のリズヴァーンがミスターに選ばれると思っていたのに、蓋を開けてみてビックリ!

女性票を集めたトーナメント3位の留学生、コウエンジがミスターに選ばれた。

男性票は割れたみたいだけど、女性としては、無表情なイケメンより、愛想の良いフェミニストイケメンが良いらしい。

強さだけじゃあダメなんだね。

そしてミスに選ばれたのは…………。


「なぜ僕なんだい?」

そりゃあその辺の女生徒より美少女フェイスだもんね。

ミスに選ばれるのは、見た目が一番大事でしゃう。

それに、女性は自分以外が選ばれるくらいなら……って兄に入れた人が多数いたみたいで、ダントツの一位で選ばれたそうだ。

ミスターに選ばれたコウエンジと並ぶとまさに美男美女、迫力あるね〜。


「それでは一言ずつお言葉をお願いします」

司会進行の男性に言われ、兄から言葉を発する。

「なぜミスなのかは問い詰めたいところだけれど、自分で立候補したわけではないのだから、女性の皆さん恨まないでくださいね」

ね、で小首を傾げるのはあざといと思う。


続くコウエンジも、微苦笑を浮かべて口を開く。

「本当にね、なぜ私がミスターなんだろう」

「それは昨日の素晴らしい試合に加えて、成績も優秀だと聞き及んでいますよ。

その上女生徒に対する紳士的な振る舞いは、同級生だけでなく、全女生徒の注目の的ですよ」

盛り上げるように司会者が言うと、困ったように笑う。

「優しく接するのは当然じゃないのかな、同じ女性としては」

「……………」

「………………………」

「………………………………………え?」


会場中が阿鼻叫喚だ。

なんと、兄に劣らぬ剣の使い手のイケメン留学生は、麗しの断層の麗人……男装の麗人だったとな。


男がミス、女性がミスターに選ばれ、混乱を呼んだミス、ミスターコンは、その後のダンスパーティーでも、一番の話題となっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。