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アラサーの俺がヒロインの友達に転生?ナイワー  作者: 七地潮
〜気がつけば第二の人生?〜
12/112

あれ?やらかしたか?

授業をこなして、街へ遊びに行こうと張り切っていた放課後、ただいま俺はぼっちです。


いや、ほら、基本友達&キューピットポジな俺ってヒロインと行動共にしてるけど、ヒロインはフラグ立てたり回収したりしなきゃいけないから、一人で行動する日も出てくるわけですよ。

夜会での【倒れた友達の心配をする友達思いのヒロイン】リズヴァーンのフラグ。

先週の【友達(俺)と一緒にいる時にモブABCに絡まれてて、商人の息子とファーストコンタクトする】モースディブスのフラグ。

確かそろそろ母親の命日で、母親の好きだった花の前で悲しげな顔をしているヒロインを、心配した用務員が声をかける、とか言うフラグ立てがあるはず。

だからなるべく別行動するべきだろうな。

んー、後はそろそろ実習で、なんやかんやで護衛騎士とのフラグも立つはず。

留学生とはどうだっけ?

まぁとにかく、今日は一人だ。

一人で街に繰り出そうと思うんだけど、正面玄関へ向かうと、やっぱりと言うか案の定居ましたよ、シスコン兄が。

放課後一人だと100%待ち構えてるんだよなぁ。

絶対見張りとか、探知機(探知魔法か?)何かあるはず。

でも昨日一日中かまってやったんだから、今日ぐらい好きにさせて!


ってなわけで、裏口…業者達が通る通用門?へ向かってこそこそと移動中です。

おっと、向こうから来るのは、見つかると絡んでくるモブ女生徒ABCだ。

面倒だからやり過ごすために、垣根をかき分けて逃走だ。

え?令嬢にあるまじき行為?

知ったこっちゃない。

女性のネチネチ嫌味は避けれるなら避けたいよ。


で、ただ今俺は芝生の上に座って食事中です。

何が起きたかと言うと、垣根を抜けて、校舎からなるべく離れるように、遠回りで裏口へ向かってたわけですよ。

その時にどこからともなく、懐かしくも食欲をそそる匂いが。

フラフラとその匂いの元へ行くと、大木の下、お弁当を食べてる一人の少年発見。

はい、ヒロインとのフラグの前に攻略キャラと遭遇してしまいました。

遠い国からの留学生、ヤスハル・タカナシだ。

人の気配に食事の手を止め、こちらを見たヤスハルと視線が合う。


「こんにちは」

おぉう、なんともピュアッピュアな笑顔、お兄さん成仏しそうだよ。

「初めまして…で良いんですよね?

ボクは小鳥遊 泰治です。

お名前をお伺いしてもよろしいですか?」

「初めまして、キャスティーヌ・サリフォルですわ。

お食事中のようね、お邪魔してごめんなさい」

俺が言うと、あっと焦ったように弁当箱の蓋を閉めてしまい、そして何故か謝ってきた。

「あ、あの…ごめんなさい」

「え?何がですか?」

「あの…あのね、ボクのお弁当…みんなが臭いって言うの」

おどおどと喋るヤスハルは、とても一つ年下の15歳とは思えない。

10歳の間違いじゃないの?

いや、それより弁当が臭い?何で?

「そうなのですか?

私にはとても刺激的で美味しそうに感じましたが」

俺が言うと座ったままのヤスハルが見上げてくる。

「本当?臭くない?」

「ええ、ちっともですわ」

それどころか腹が鳴りそうだよ。

「あのね、ボクの弁当みんなが笑うの。

臭いし茶色くで汚いって」

な…なん…だと……、ちらっとしか見えなかったけど、あの弁当が臭くて汚い?

どうも話を聞くと、この10月に留学してきたばかりで、友達作りのきっかけに手作りのお菓子持ってきたら、女子が引いて、ならばと弁当作ってきたら、地味で見窄らしいと笑われて、それならばと男子の胃袋掴む系と持ってきたこの弁当は、臭いと言われたと。

そんでもって、地味で汚くて臭い物を食べるゲテモノ好きな変な奴と言われてしまい、教室から逃げ出してここに来た、との事。


「まぁ、なんて配慮に欠けた方々なのでしょう。

こんなに食欲をそそる香りなのに」

俺が言うと、パッと笑顔の花が咲く。

「そうなの、わかってくれて嬉しいな」

15歳って高校一年くらいのはずなのに、小学生にしか見えないなぁ、なんて思っていたら、匂いに耐え切らなかったお腹が『くぅ』と鳴った……。

令嬢失格!すまん、キャスティーヌ!

「あの、良かったら食べる?」

そう言いながら弁当箱の蓋を開ける。

たちまち漂ってくる懐かしい香りに、思わず唾を飲み込む。

「い…良いのかしら」

「うん、みんなで食べようと思っていっぱい持ってきたの。

だからどうぞ」

いそいそとお皿とフォークを差し出してきた。


誘惑に負けて芝生の上に座ってしまったけど、これも令嬢としてNGだよね。

わかっているけど、ムリ。

だって弁当箱の中にはピッカピカの黄色い卵焼き、絶対ほっこほこだよ、な肉じゃが、そして俺の大好物の唐揚げ!

この世界にフライドチキンは有るけど、フライドチキンじゃあダメなんだ!

鶏肉の一番は唐揚げ!二番は焼き鳥!三番は照り焼き!

俺の中のベストスリーは、この世界で食べられなかったとしても不動だよ。

しかも最強のガーリック醤油味だよ!

だってこの漂うニンニク臭に釣られて来たんだもん。

確かにニンニクは、食べない人や嫌いな人には臭いだけだろうけど、俺は大好きだ!

俵型のおにぎりも有るとか、完璧じゃん。

彩り?男の弁当にそんなの必要無い!と思う。


皿とフォークを受け取って、唐揚げにフォークをサクリ…ジュワーと溢れ出す肉汁。

一旦皿に乗せ、口元へ。

そして大きく口を開けてはむっ!

あ〜〜〜、たまらん!

これ二度揚げだよ、絶対!

衣サクサク、肉汁ジュワ〜、冷めても美味しいまさに弁当箱の一番星!

ハンバーグ?タコさんウインナー?いや、やっぱり一番は唐揚げでしょう!


おにぎりで口を一旦リセットして、お次に卵焼き。

おーーー、甘い卵焼き!

だし巻きってあんまり好きじゃないんだよね。

卵の味が薄まってる感じがして。

やっぱり卵の味がギュッと詰まった卵焼き、しかも甘いのが俺は好き。

だって甘党なんだもん。

そしてまたおにぎりパクリ。 


それから男性が一番好きな煮物と言えばこれだろ?の肉じゃが。

肉は鶏肉?うん、そうだよね!

豚肉も人気だろうけど、俺は断然鶏肉派。

トロトロに煮崩れた玉ねぎと、糸こんにゃくも一緒にパクリ!

あぁ〜〜〜〜〜〜、日本人で良かった。

再度おにぎりの後次はやっぱり唐揚げか…………な……やべっ!


バクバク食べてしまいました、『初対面の人の弁当』を、『遠慮なく』『貴族令嬢』が!


ポカーンとこちらを見ているヤスハル。

目も口もまん丸に空いてます。

……その空いた口におりゃ!っておにぎり突っ込みたくなるけど、理性で止めました。


あぁ……やっちまった…………。

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