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第13章 帰路 お酒の神様


「昨日飲んだお酒って確か箱根山だったよね〜

土地神様に箱根のお土産で買っていきたいんだけど

どう思う?」


「米の甘みがほんのり残る、柔らかな酒だったね

烏天狗にどこで売ってるか聞いてくるよ」


さすがおじさんの死神ちゃん

日本酒の味のレポート的確すぎる


大五郎さんは日本酒が好きだったみたいで相当飲んでいたみたいだけど、朝から元気に荷物をキャラバンに運び入れている


チャラ男は、、、完全二日酔いの顔をしている

大五郎さんに付き合って遅くまで呑んでいたらしい


お前、悪魔だろう


エカテリーナとわらしちゃんは朝の露天風呂

何かあの2人妙に気が合うらしい


死神ちゃんが帰ってきた

井上酒造に行けば買えると教えてくれた

スマホの地図アプリで確認する


大井松田インターのちょっと下あたりだ

ちょうど良い

箱根のお土産に決定!!


おにぎりと味噌汁、そして沢庵と言う黄金比率の朝食を天狗様と食べて

天狗の里でのんびりした


何もしなくても時間は過ぎていく

何もしてないのに、全く飽きない

なんか、変な感覚

温泉に入っていないのに

温泉に入っているような


体の中にあったしびれのようなものが、外に溶け出していくような

起きているのに

寝ているような


気がつくと、お昼近くになっていた


そろそろ出発しないと

土地神様のお土産も買わなきゃいけないし


チャラ男を見つけた

みんなを集めてきてって言おうと思ったけど

青悪魔になっていたので

やめておいた


貸してもらった家に行くと、縁側で大五郎さんと死神ちゃんが将棋をさしていた


車の中ではエカテリーナが紅茶を飲み

膝枕でわらしちゃんが寝ている


ビンちゃんが見当たらない

あの神様は時々存在を消す


「ビンちゃ〜ん帰るよ〜」


「はい喜んで」


「うわっ!」


真後ろにいた


井上酒造の近くにおいしい担々麺屋さんがあると聞いたので、お酒を買ってお昼は担々麺にしようとみんなで決めた

というか、私が決めた!!

文句あるか!

私が代表だ!!


ということで、

今は井上酒造

早く担々麺を食べたいけど

ちょっといい雰囲気の酒蔵


たくさんお酒が置いてある

どれにしよう

お酒の味がわかる中年の死神ちゃんにここは任せて、、、


店内をぶらぶらする


酒粕?

希少な黒粕ってのもあるじゃん!


大五郎さんに報告すると

料理に使えるから買って帰ろうと言うことになった


楽しみ〜


エカテリーナがちょっと困った顔をして

私を呼びに来た


彼女がそんな顔するなんて初めて見た

何があったんだろう

急いでついて行く


お店の隣の細い路地

酒蔵の塀に背中を預けて座っている

真っ白いひげの巨漢のおじいさん

その膝の上にはわらしちゃんがちょこんと座っている


おじいさんが持っているのは、不格好な天然石でできているお酒の徳利

そこから盃にお酒を注いでは飲んでいる


すごくお酒臭い


「わらしちゃんが何故か懐いちゃって、動こうとしないのよ、、

それで、どうしようかと思って」


ふふふふふ

なんだ、この悪魔

今日はずいぶん弱気だな

よし、代表の私が、何とかしてあげようではないか


「すいません〜うちの子が、、ご迷惑かけてしまって」


ああああ〜ビンちゃん巨漢の横で酒貰って呑んでる、、、、


「おお!

この座敷わらしのご主人殿か

構わん構わん」


「それで重ね重ねのご迷惑なんですけど、その横でお酒もらってる変なおじさんも私たちのツレなんです、、、」


この人

座敷わらしって言った!


ってことは、、、


帰り道に

また変なのに出会ってしまったようだ


担々麺は諦めよう、、、、、


おじいさんは、ここの酒蔵を守るお酒の神様だって言ってる

なんでそんな路地に座ってお酒飲んでるのって聞いたら、最近お酒に弱くなって足に来たんだって言ってる


お酒の神様なのに、、、


エカテリーナの医者モードが発動した!

昨日から絶好調じゃん


舌を見たり

目をあっかんべ〜させたりしてる

背中をトントン

そして両手を前に出して目を閉じる

数分間


「気が乱れているわ

このままだと霊力が薄くなってお酒が呑めなくなるわよ

少し控えることね!」


エカテリーナは容赦がない

お酒の神様に酒飲むなって言ってる


大五郎さんと死神ちゃんもお店から出て来た

チャラ男は?


「車の中で唸ってたべ」


お酒の神様が、大五郎さんの買ってきた酒粕を見て


「なかなかいいもん買ってきたなぁ

それそのまま食ってもうまいんだぞ

そっちの黒いやつ

ちょっと、酒のつまみにくれ!」


路地の塀にみんなで1列に立って並んで

酒粕を試食する

変な絵面になった


「何これ、、クリームチーズみたいじゃない!

ちょっと待ってて」


エカテリーナが車まで走り

戻ってきた

手の中には赤い箱が


「それってあたしのRITZ!!!」


「イツキ良いもの持って来てたわね!

こうしてこの上にちょっと

乗せてっと、、、

ねぇ〜食べてごらんなさい」


美味い!!!!

本当にチーズだ

少しお酒の風味があるけど

爽やかな香り


皆バリバリ食べてる


それあたしのRITZ、、、、


お酒の神様はポツリポツリと話し始めた


「昔の人間は酒を大事に飲んでいたもんだ

この辺も、こんなに住宅がたくさんあったわけではない」


「近頃では皆豊かになって

がぶがぶ飲むようになっちまった

わしも、それにつられてな、、

酒の神が、酒のありがたみがわからねぇなんて

どうかしてたな」


「酒に酔うんじゃねぇよな

酒の席の雰囲気に酔うんだったな、、、」


「ありがとよ黒いねーちゃん

美味い肴と

気の乱れを治してくれて」


「少しの間だけよ

大した事してないわよ

完全に治ったわけじゃないわ

これからは、あなたが自分自身で整えるのよ!」


この悪魔、

ほんとにツンデレ

治したなんて言わなかったじゃん

でもちゃんと治していたんだ

あの目をつぶってるときに


あの数分間


あ!

チャラ男治してやれよ!


担々麺を諦めて高速に乗る

代わりに

海老名パーキングでメロンパンを買おうと思ったけど

パーキングエリア混雑

メロンパンも諦める


RITZは無い、、、、、


夕方やっとKGBに帰ってきた


その足で

お世話になった土地神様にお土産を渡しに行った


「おっ!お土産かい?律儀だねぇ〜

若けぇ〜のに気使うな

箱根山か、あそこのジジイ元気だったかい」


「お酒が弱くなったって言ってた」


「はははは!アイツ酒の神だぞ!」


「で、お嬢

箱根は楽しかったかい?」


「うん

天狗の里で露天風呂入って、キャンプして、、、、、、」


アレ、、、、?


「そういえば、、

箱根行ってなかった」


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